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「マクロス」初の4D上映で、ワルキューレの名曲たちを“全身で浴びれる”楽しさを体感!『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』MX4D版レポート

「マクロス」初の4D上映で、ワルキューレの名曲たちを“全身で浴びれる”楽しさを体感!『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』MX4D版レポート

2018年2月より公開中の『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』が、MX4Dバージョンとなって5月11日から全国のTOHOシネマズ・MX4D劇場で上映をスタートした。本作について、MX4Dによる効果が特に大きい後半60分を中心に体験したメディア向け上映会の模様を“ワルキューレファン”目線でレポートする。

取材・文 / 柳 雄大


5人の歌姫・ワルキューレをより魅力的に見せるための劇場用作品

『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』は、35年もの歴史があるロボットアニメ「マクロス」シリーズの最新劇場用作品。内容は、2016年に放送された『マクロスΔ(デルタ)』TVシリーズの総集編に多くの新シーンなどを加えて再構成したものだ。今回、2Dの通常版が公開になってからMX4D版が公開されるまでに約3カ月のタイムラグがあったが、これは作品の完成が公開直前ギリギリになったというスケジュールによるものだという。MX4D版はその完成(完パケ)を待って制作をスタートし、5月からの公開に至った。

『マクロスΔ』では、これまでの「マクロス」シリーズと同様に可変戦闘機とパイロットの活躍がありつつ、“戦術音楽ユニット・ワルキューレ”という5人の歌姫が登場。『劇場版マクロスΔ』は、そのタイトルやキービジュアルなどからもうかがえるように、このワルキューレを魅力的に見せることに(TVシリーズ以上に)特化した作品といえる。

戦闘機が飛び交うバトルシーンや、大観衆を前にしたライブシーン。劇中には新曲を含むワルキューレの楽曲がふんだんに使われており、それらがド派手な映像とリンクする演出は『劇場版マクロスΔ』で最も注目したくなるポイントであることは間違いない。


<上映会で体験した主なワルキューレ楽曲>
・チェンジ!!!!!
・恋! ハレイション THE WAR
・Hear The Universe
・破滅の純情
・AXIA~ダイスキでダイキライ~
・ルンがピカッと光ったら
・一度だけの恋なら
・Absolute 5
・ワルキューレは裏切らない
・GIRAFFE BLUES
・Dancing in the Moonlight

ワルキューレ楽曲を“4つ打ち”とともに体感できるライブシーン

3D映画を超える体感型4Dシアターシステムの1種である「MX4D」。映画のシーンに合わせて、客席のシートが前後・左右・上下に動くとともに、風・ミスト・香り・ストロボ(光)・煙・振動など11種の特殊効果で映画をアトラクション的に楽しめる。

MX4D版が制作される劇場用アニメは少なくないが、『劇場版マクロスΔ』が他の作品と一線を画するのは音楽の部分。本作の河森正治監督もそこが作品のキーになっていることをプログラマーに伝え、MX4D版の制作をオーダーしたという。

メディア向け特別上映会で使用された試写室のMX4Dシート

実際、本作でのMX4D効果の見どころは「バトルシーン」と「ワルキューレのライブシーン」の大きく2つに分けられる。バトルシーンでは戦闘機に自分が乗り込んだかのような振動と迫力が、ライブシーンではその場の観客になったかのような臨場感、あるいはキャラクターにぐっと近づけるような感覚が特色だ。ライブシーンの演出にはシートの振動やスモークなどの効果に加え、ワルキューレの5人のイメージカラーにあわせ5色に光るストロボの光もあるので“ライブ会場っぽさ”を随所で楽しめる。

ちなみに、『マクロスΔ』に限らず、「マクロス」シリーズでは“戦闘中にキャラクターが歌うシーン”もかなり多い。ここでは、MX4Dの邦画作品を一手に引き受け、『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』でもMX4D版の効果を手がけたプログラマーに詳しい話を聞いてみた。

「戦闘と歌が重なるシーンについては、本当に激しいドッグファイトが繰り広げられるところでは“戦闘8割”ぐらいに重点をおいて効果を付けていて。それ以外の戦闘シーン・ライブシーンが交互に出てくるところは、それぞれの視点に入れ替わりながら、両方をちゃんと感じられるように付けています」(株式会社ダイナモアミューズメント 野中友恵さん)

具体的には、歌のリズムを刻むバスドラムのキック音(ドン、ドンという音)に合わせたシートの振動が入るかどうかで、戦闘メインで見せているシーンなのか、歌メインで見せているシーンなのかがある程度区別できる。

ライブシーンではこの振動が時折リズミカルな“4つ打ち”になるのが心地よく、スタッフが実際にワルキューレのライブを観たときに感じたという「4つ打ちを体に直接感じた」という体験を取り込むことに成功している。

特に「チェンジ!!!!!」など、ライブシーンとしての演出に特化した楽曲ではそれがかなり楽しめる。一方で、本作の実質的なテーマ曲としてクライマックスに登場する「ワルキューレは裏切らない」では、バトルシーンに寄せた演出効果が付けられている(個人的には、この曲はぜひ“リズムの4つ打ち”つきで歌を堪能したかったが……!)といった違いがある。

ちなみに、歌に対して付けるMX4D効果として、本作で特に異色だったというのがエンドロールの場面。ワルキューレによるEDテーマ「Dancing in the Moonlight」をバックにスタッフクレジットが流れるシーンなのだが……

「他の作品では、エンドロールにMX4Dの効果を付けたことはないんですよ。でも本作では(河森正治)監督が、エンドロールのところでも何か趣向を凝らしてほしいとおっしゃって、映像がない中での演出だったので苦労しました。ここで流れているワルキューレ5人の歌声を、それぞれどのメンバーが歌っているかっていうのを聴き分けながら、それに合わせてストロボ効果の色を付けているんですが。どのキャストさんが歌っているのかっていう聴き分けだけで丸1日ぐらいかかりました(笑)」(野中)

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