2018年春アニメ主題歌特集  vol. 20

Interview

声優・東山奈央、ついに“神曲”を手に入れる。“いきなり日本武道館”の衝撃1stライブを経て…ニューシングル「灯火のまにまに」がスゴい理由

声優・東山奈央、ついに“神曲”を手に入れる。“いきなり日本武道館”の衝撃1stライブを経て…ニューシングル「灯火のまにまに」がスゴい理由

TVアニメ『かくりよの宿飯』のOPテーマ「灯火のまにまに」と、日本武道館公演の模様を収めたライブBlu-ray『東山奈央1st LIVE「Rainbow」at 日本武道館』を5月30日に同時リリースした東山奈央。日本武道館での1stライブのことを振り返りつつ、「灯火のまにまに」についてもたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 塚越淳一 撮影 / 草刈雅之


今までの積み重ねがあってできた日本武道館だったと思います

1stライブが日本武道館という発表を聞いたとき、プレッシャーもあるだろうし、きっと悩んだりしているんじゃないかなって心配になりました。

東山奈央 それは結構皆さんも感じていたみたいで、私と同じか、それ以上に緊張してライブ当日を迎えてくれていたようなんです。今回のライブBlu-rayにはメイキング映像も入るんですけど、そこに来てくれた方へのインタビューが入っていて。それを見たときに、「楽しみにしている」と言ってくれてはいるけど、「奈央ちゃん、ちゃんとうまくできるかな」っていう緊張の表情が見て取れたというか(笑)。私、みんなにこんなに緊張させてたんだって思ったんです。きっと我が事のように喜んでくれて、そしてプレッシャーを一緒に背負ってくれていたんだなって。もう「ありがとう~~」って気持ちでいっぱいになりました。

これまでの声優としての活躍も知っているので、パフォーマンスについては疑うことはなかったんですけど、ただ、いきなり日本武道館というのはプレッシャーも大きいだろうと。これが武道館でなければ、そんな心配してなかったと思うんですけどね(笑)。

東山 会場がどのくらい広いかとか、どんな歴史があるのかとかは関係なくて、目の前にいる人が笑顔になってくれれば、それが10人でも1000人でも1万人でも同じことだって頭ではわかっていたんです。でも、私も心のどこかでは思っていました。「武道館でなければ、もう少し気が楽だったかもしれない」って。武道館に立たせていただけるありがたさはあるけど、自信もないから不安だし、武道館に立ってるのにその程度なのかよって、武道館の価値を下げたくないとか、いろいろ考えちゃったんですね。

でもそれも一周回って、自分のブログでも書いたとおり、目の前にいるあなたを楽しませたいけど、みんなの笑顔の中に自分がいないことに気づいたんです。みんなの中に自分を含めることができたときに初めて、「私って歌うこと、踊ることがこんなに好きだったじゃん!」って再確認できて、武道館に立つまでにその悩みは消化できたんです。

でも、本当にいいライブでした。これまでの大きい会場でのライブ経験もきっとどこかで生きてるからこその完成度だったと思います。

東山 そうですね。今までの積み重ねがあって、声優業8年目としての日本武道館であり、ソロ歌手としての活動1年目の武道館でもあったと思います。8年間の全部の仕事を総合的に考えると、第一印象よりは、早すぎる感じはしないのかもしれないんですけど、私としてはやっぱり1年目なんですよね(笑)。やっぱり声優としてのステージと歌手としてのステージは、勝手が違いすぎて……。

それでもやれると信じていたフライングドッグのスタッフもすごいですね。

東山 本当ですよ。どうして信じてくれたんだろう。今となっては聞いてみたい。だって1stで武道館なんて発想、普通は出てこないですよ(笑)。でも、今となってはやってよかったです。

CDだとわからないダンスが、ライブに来てもらうひとつの楽しみになればいいな

バラードや感動のMC、さらに中川かのん(※)降臨&新譜初披露と、いろいろハイライトはありましたが、ここではダンスのブロックに絞って聞いてみたいと思います。ペンライトの色が自動で変わっていましたよね?

(※『神のみぞ知るセカイ』で東山が演じたアイドルのキャラクター。作中、日本武道館をモデルにした鳴沢臨海ホールでスタァになった。)

東山 「グッバイ・アンブレラ」から自動制御にしていました。でもみんなで色を決められる楽しみもあったほうがいいし、自発的にしてくれた色で、この曲はこの色のイメージなんだって知れるのも楽しいので、フリーにするところと使い分けていたんです。でもダンスのブロックに関しては、集中してダンスを見てほしかったので、ここから自動制御にしましょうって話になったんです。

たしかに。東山さんにダンス経験があることは知られていたと思いますが、プロのダンサーさんの真ん中で踊るのは大きな経験になったのではないですか?

東山 これまでもダンサーさんと踊ることはあったんですけど、ここまで大人数ではなかったんです。私含めて全部で7人で「レインボーダンサーズ」だったんですけど、レベルとしてもここまで突き詰めてやったことはなかったので、たしかに大変でした。

ライブ前の取材でも、中川かのんちゃんのことや新曲のことは(サプライズという意味もあったので)言えなかったから、ダンスのことばかり話していたんです。そのぶん、みんなもすごく期待してくださっていたし、中途半端なものは見せられない!と思いました。でも結果的に新しい、クールな一面が見せられたと思うので良かったです。

カッコ良かったですよ。あそこまで踊れるとは!って思った人もいたと思います。

東山 本当はもうちょっと踊れるんですよ(笑)。だけどヒールだったので、踊るのがすごく難しかったんです。ターンとかも大変で、本番でうまくできるかが不安だったので、ライブが始まる直前に体幹を鍛え始めるという(笑)。

それで何とかなるんですか?(笑)。

東山 筋肉が起きるんですよ。あれをやってなかったらうまく回れてなかったかも(笑)。「MY WAY」はCD音源から間奏を伸ばしているんですけど、みんなでユニゾンでダンスを踊っているところはカッコよく映っているので、映像で「どういうステップを踏んでるのかな?」って思いながら見てほしいです。ダンサーさんとのシンクロ率には結構こだわってて、ダンサーさんともたくさん一緒に練習しました。ダンサーさんも難しいとおっしゃっていたので、これをちゃんとできるようになったらステップアップできるなって思いました。

お客さんの中には私に振付から作ってほしいと思ってくれた人もいたみたいなんですけど、やっぱり自分で振付をすると自分に出来ることしか出てこないので、成長するためにはプロの方に振りを付けていただくのがいちばんだと思ってます。なのでこれからも基本的にはプロの方に付けてもらうことになると思います。ダンスって、ライブに来ないと見られない、CDだとわからないところだから、ライブに足を運んでもらうひとつの楽しみになればいいなって思います。

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