Interview

今年度も話題作が数多くノミネートされているアカデミー賞。 果たしてどの作品が、誰が受賞するのか!?

今年度も話題作が数多くノミネートされているアカデミー賞。 果たしてどの作品が、誰が受賞するのか!?

ディカプリオとケイトが賞を獲って、
ふたりで『タイタニック』を再現させる!

渡辺 それより私が心配してるのは、ジェニファー・ローレンス。だって、『JOY』の彼女ってすごくいいんだもん。彼女は簡易掃除機を発明して通販で売りまくってお金ができるんだけど、それがまた失敗していく。通販のエピソードでのブラッドリー・クーパーを見ながらジャパネットたかたさんを思い出しちゃった(笑)で、ジェニファーのお父さん役がロバート・デ・ニーロなのよ。そして、デヴィッド・O・ラッセルが監督。『世界にひとつのプレイブック』(’12年公開)、『アメリカン・ハッスル』(’13年公開)とまったく同じ顔ぶれなの。

細谷 エネルギッシュな役がすごく旬の女優に重なるんですかね。監督と共演者の仲良しチームの中でやって才能が埋もれてしまったらイヤだなって。おせっかいかもですが。

清藤 21歳から25歳にかけて4年連続のノミネート。すごい。

渡辺 ケイトってすっごい繊細すぎて何かがあったらつぶれてしまう可能性があるけれども、ジェニファーは生き延びると思うよ、わたし。マリリン・モンローがしたたかになったみたいな感じで、ちょっと最強の女って感じがするのね。

清藤 でも、ブリー・ラーソンでしょうね。

細谷 前哨戦から言って確実ですよ。でも、若手にあげるっていう意味ではよろしいんじゃないでしょうか。

清藤 では、主演男優賞いきましょう。

よしひろ レオナルド・ディカプリオに獲ってほしい。今回で獲れなかったら一生ないと思う。

渡辺 私の夢言っていい?

よしひろ どうぞ。

渡辺 私ね、レオが主演男優賞を獲る。それでケイト・ウィンスレットが『スティーブ・ジョブズ』で助演女優賞を獲る。それで2人でスピーチをして、『タイタニック』(’97年)を再現させる。もうひとつ見たいのが、シャーロットが主演女優賞を獲って、シルヴェスター・スタローンが『クリード チャンプを継ぐ男』で助演男優賞を獲る。そうすると『さらば愛しき女よ』(’75年)の再現になるの。

よしひろ いい!それいい!!『タイタニック』より『さらば愛しき女よ』の組み合わせの方がもしかしたらオスカー会員はよろこぶかもしれない。

清藤 でも、やっぱりレオが獲らないと。苦節19年。19年ですよ、『タイタニック』から。

細谷 あのいやがらせからね。

清藤 獲れる可能性が高い時に限って、ジェイミー・フォックスとかマシュー・マコノヒーとか必ず強力なライバルがいて。

細谷 これで獲れなかったら、アカデミー会員に相当な弱みを握られてるかしかない(笑)。それくらいの陰謀しかありえない。だから絶対獲りますって。

清藤 エディ・レッドメインは『リリーのすべて』で2年連続のノミネートだけど、『博士と彼女のセオリー』(’14年公開)で獲っちゃったからないでしょう。

よしひろ 『リリーのすべて』だったら、アリシア・ヴィカンダーにあげるべき。奥さんの話なんですよ。アリシア演じるソウルメイトが、どうやってエディ演じる彼女を支えたかっていう話だから、ここでエディが獲れなくてもしかたがない。続いて、助演男優賞いきましょう。スタローン以外、考えられない(笑)。

『リリーのすべて』  3月18日より全国ロードショー  配給:東宝東和

『リリーのすへ?て』
3月18日より全国ロート?ショー
配給:東宝東和
©2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ブリッジ・オブ・スパイ』  上映中  配給:20世紀フォックス映画

『ブリッジ・オブ・スパイ』
上映中
配給:20世紀フォックス映画
©2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX
FILM CORPORATION.

ロッキーがこれだけ老いましたという演技は、
今まで虐げられた歴史があったからできたのでは?

清藤 個人的には『ブリッジ・オブ・スパイ』でのマーク・ライランスが一番好きなんですけどね。

よしひろ あ、マーク・ライランスにならあげてもいいかなっていう気にもなる。

清藤 冒頭の自画像描くところの表情とかすごい。

よしひろ ただね、地味すぎる。やっぱり、スタローンでしょ。今までラジー賞の常連だった人がノミネートされただけでもすごいんですよ。

渡辺 だって40年ロッキーだった人よ(笑)。あげなきゃ悪いじゃない。

清藤 それも後輩っていうか、若者のサポート役で獲るっていう。ほら、『エクスペンダブルズ』の最新作も新入りの傭兵を教育する話だったじゃないですか。

よしひろ ただ、思うのは、彼は製作とかプロデュース能力はあると思うんだけど、監督はやっちゃダメ、主演はやっちゃダメっていう人なんだというのが年取ってわかってきたんじゃない?

細谷 だから今回の『クリード』は、脇の演技にちゃんと徹しているところがいいんですよね。

よしひろ ただね、これだけの積み重ねがあって、大役のロッキーがこれだけ老いましたっていう演技ができるのは、今まで虐げられた歴史があったからできたんじゃないでしょうか。

『クリード チャンプを継ぐ男』  ブルーレイ&DVDセット:3990円+税  ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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©2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC

清藤 シナリオもよく書けていますよ。マイケル・B・ジョーダンがすごくいいから、彼にかつてのロッキーの自分の面影を見つつ、トレーナーをやるっていうのがうまい。

細谷 ほんとそうですよ。作品としてもやっぱり監督がロッキーリスペクトありながらも自分の映画にするって感じがすごいある。

渡辺 スタローンって、ずっと長年ロッキーをやってきて、ほとんどロッキーで生涯を終えるかと思ったら、『エクスペンダブルズ』のシリーズを作って。かつて人気アクションスターたちの老後の面倒を見るような大作をやってるわけじゃないですか。

清藤 互助会と言われてますよね(笑)。

よしひろ でも互助会と言われようと、いいのよ。生きていけるんだもの。だからこそ、ハリウッドの中には彼に恩義を感じている人がたくさんいると思う。これからもよろしくっていう人がたくさんいるはず。

細谷 互助会にニコラス・ケイジを早く入れてほしい(笑)。

よしひろ いやいやいやいや。なかなか入れないんじゃないですか(笑)?

清藤 『スポットライト』のマーク・ラファロはどうですか?

よしひろ やっぱりこれはアンサンブルが良かっただけだから。

細谷 代表して入っただけですよね。

清藤 では、続いて助演女優賞。実は助演女優賞が一番今回混迷で、誰が獲ってもおかしくないって言われてるんですけど。

よしひろ はーい、私はアリシア・ヴィカンダー。

細谷 ケイトはない?

よしひろ アリシアと接戦の前哨戦レースだったけど、やっぱりここはアリシアでしょ?。

渡辺 誰もジェニファー・ジェイソン・リーって、言わないわけ(笑)?

細谷 『ヘイトフル・エイト』ではあげたくないんです(笑)。

よしひろ ちょっとかわいそうすぎる。

清藤 あんなに汚くされて。

渡辺 それを受賞で帳消しにしようよっていう気持ちになるのよ。

『ヘイトフル・エイト』  上映中  配給:GAGA

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『スポットライト 世紀のスクープ』  4月15日より全国ロードショー  配給:ロングライド

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4月15日より全国ロードショー
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Photo by Kerry Hayes ©2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

清藤 僕はレイチェル・マクアダムス推し。

細谷 オーラ消しまくった演技ですごかった。

よしひろ いわゆるロマンチック・コメディみたいな娯楽作も出て、こういう骨太のも出てっていう女優なので、これからの人生においていつか絶対獲れると思うけど、今回じゃない気がする。

清藤 では助演女優賞候補はアリシアですかね!?

渡辺 最近のアカデミー賞って、みんな台本ありでハプニングってことはほとんどなくなったわよね。

よしひろ ジェニファー・ローレンスがこけるくらい。

細谷 手を差し伸べるおヒュー(ヒュー・ジャックマン)がステキ。

よしひろ あれはおヒューの株があがったよね。

清藤 昔みたいなストリーキングがステージを横切るとか、ああいう大胆な、やっちゃった系のヤツはなくなりましたね。

よしひろ 視聴率落ちる方向ですよね。もうちょっとちゃんとショーアップされたものが見たい。

清藤 確かに。今年はショーの演出にも期待したいですね。予想的には今までの話を聞いていると、1本の作品にかぶるってことはあんまりなさそう。

よしひろ ばらけますね。今年は。

清藤 少なくとも作品賞と監督賞が割れるとなるとおもしろいことになりますね。

細谷 脚本賞に入ってないのが、作品賞を獲るかどうかも含めてですよね。

渡辺 『アルゴ』(’12年公開)みたいな例があるからね。

よしひろ あと、主要賞以外のところで『マッドマックス』が多数受賞して、もしかすると最多受賞が『マッドマックス』になる可能性はある。

清藤 やはり波乱含みの第88回のアカデミー賞。それだけに授賞式は例年以上に楽しめそうですよ!

構成・文 / 油納将志(編集部) 写真 / 島田香

プロフィール

prof-watanabe

渡辺祥子●映画雑誌編集者出身、フリーライター歴40年。日本経済新聞などの新聞、VOGUE、中央公論などの雑誌に書き、ラジオ/TVへの出演も。

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清藤秀人●アパレル界出身の映画ライター。現在、TV誌、映画誌、eiga.comなどに執筆する傍ら、TV、ラジオにコメンテイターとして出演している。

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よしひろまさみち●映画ライター・編集者。『sweet』などの女性誌、Webを中心に取材・執筆。日テレ系『スッキリ!!』など、テレビ、ラジオなどでも映画紹介を担当。

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細谷美香●情報誌の編集者からフリーの映画ライターへ。女性誌や毎日新聞などを中心に映画紹介やインタビューのページを担当している。

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