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『ファークライ5』狂気のオープンワールドで楽しむ危険で自由な生活

『ファークライ5』狂気のオープンワールドで楽しむ危険で自由な生活

2004年3月に発売されたシリーズ第1作目となる『ファークライ』は、架空の島を舞台にしたオープンワールドのFPS(一人称視点のシューティング)。広大なマップをロード時間なしで駆け回ることができるのに加え、ステルスを重視して隠密プレイで進む、あるいは正面突破で敵をなぎ倒しながら進むなど、プレイヤーの望む遊びかたで楽しめるという自由度の高い攻略方法が、当時多くの人を驚かせ夢中にさせました。そしてそのシリーズは、アフリカ、東南アジアなど舞台と物語を変え進化し、2018年3月、最新作である『ファークライ5』に引き継がれています……。

と、ここまでしたり顔で紹介しましたが、実は筆者、『ファークライ』シリーズのプレイは今作が初めて。オープンワールドでしかもFPSとあれば、かなり筆者の好きな要素が詰まっているゲームであるはずなのですが、長く続いているシリーズの続編からプレイを始めることに躊躇してしまって、今まで手が出せずにいたのです。ですから、今日が私のファークライ記念日。FPSとしての面白さについてはもちろんですが、“世界の終末を予言するカルト教団との戦い”というシリアスなテーマが、ゲーム中でどのように展開されていくのか、実に興味深いところです。この記事では本作の基本的な内容のほか、数あるユニークな要素から、特に筆者の心に残ったポイントを紹介していきます。

文 / 内藤ハサミ


 新米保安官の基礎知識

“信じよ。崇めよ。服従せよ。” ここはアメリカの片田舎にある小さな町、ホープカウンティ。一見のどかな風景が広がるこの町には、ある“カルト教団”が巣くっていました。その名は“エデンズ・ゲート”。「世界の崩壊が訪れる」と教団の指導者であるジョセフ・シードは予言し、人々の魂の救済のため、略奪や洗脳などの有無を言わさぬやりかたで崩壊に備える“ミッション”を実行しようとしています。そんなカルト教団を野放しにはできない、とプレイヤーこと新米の連邦保安官は、仲間と一緒にジョセフの逮捕に乗りだす……。オープニングは、そんなムービから始まります。

本作での目的は、カルト教団エデンズ・ゲートの教祖ジョセフ・シードを逮捕し、カルトの脅威から町を救うことです。信者(通称・ペギー)たちからは“ファーザー”と呼ばれ、恐ろしいまでのカリスマ性でエデンズ・ゲートを操るジョセフ。彼にたどり着くには、ホープカウンティの3つの地域をそれぞれ守る“使者”、 ジェイコブ、ジョン、フェイスの3兄妹を倒さなければなりません。しかし彼らは、長兄である教祖ジョセフのプロジェクトになくてはならない存在。使者たちの容赦のないやりかたを見れば、容易でない相手とわかります。

▲教祖ジョセフ・シード

▲“審問官”ジョン・シード。目的のためなら暴力を使うことを厭わず、ホープカウンティの住人からあらゆるものを奪います。あまりの蛮行に、ジョセフから窘められるシーンも

▲“セイレーン”フェイス・シード。“祝福”と呼ばれる薬を使い、信者たちを操っています。イノセントな外見は彼女の一途さの表れでしょうか、それとも……

▲“兵士”ジェイコブ・シード。元陸軍の射撃手で、そのスキルを利用し信者を次々に勧誘……いえ“洗脳”しています

序盤は、ジョセフの教義を妄信する狂信者にしか見えない3人。ストーリーを進めていくと、それぞれの思惑や個性が見えてきます。彼らは、忠実な教団幹部であっても、やはりそれぞれに違った考えを持ち、違った生き方をしてきた“人間”でした。カルト教団という異端の組織の一員として見ていた彼らの人間らしい個性が垣間見えると、悲しさと恐ろしさがドッと襲ってくるのですが……とにかく、3人を追い詰めるために保安官である自分がしていることは、教団に救いを求めるペギーたちを殺し、彼らのすべてを奪うこと。教団がしていることと何が違うのでしょう、お互いが大義のために殺し合っているのです。“正しいこと”とは何だろう……。これは、この作品が投げかけている重要なテーマだと思います。はたしてエンディングまでに、自分は何らかの答えを見つけることができるのでしょうか。 

3人の使者に出会うには、各地域でペギーに襲われている民間人を救出したり、カルトの巣食う基地を破壊したり、敵のトラックやビークルを襲って破壊したりなど行い、“レジスタンスポイント”を貯めることが必要です。

▲レジスタンスポイントを得る方法は、どれでも構いません。ポイントゲージがチェックポイントまで貯まるとストーリーミッションが順番に解放され、物語を進めることができます。ポイントが最大値となる紋章の位置まで貯まると、各エリアの使者にコンタクトできるストーリーミッションも解放されます

▲右下の紋章が付いた黄色いラインが“レジスタンスメーター”

“レジスタンス”とは、カルト教団に抵抗している勢力のこと。ストーリーの冒頭、ヘリコプターに乗って共にジョセフ逮捕へと乗りだした他の保安官たちは全員行方知れずとなり、主人公は他に頼れる仲間もいない状態。レジスタンスと協力して戦いを有利に導きましょう。ポイントをゲージの途中にあるチェックポイントまで貯めると、レジスタンスメーターが上昇しレベルが上がります。すると、レジスタンス内部からの信頼も強固なものとなり、その力もアップしますが、それだけカルト教団に目をつけられやすくもなります。すべてが有利になることばかりではありません。プレイヤーに捕獲部隊が派遣されたり、マップ上にバリケードを張るなどして待ち伏せされたり、と危険な目に遭いやすくなります。カルト教団の捕獲部隊は非常に強力で、十分な装備なしでは太刀打ちできません。空からはヘリコプターや飛行機からの狙撃、陸からはペギーの大群。森林や建物などに身を隠し移動しながら、テンポよく迫りくる敵を沈めていくスリルは最高に楽しいのです。しかし、ときには敵に捕まってしまうこともあります。敵拠点から脱出する際はほとんどの装備が奪われてしまうので、プレイヤーの腕が頼り。近くを見渡し、使える武器を拾ってこっそりと、ときには大胆に窮地を切り抜けます。その場の状況によって立ち回りや戦略を変えて進むのも、本作ならではの面白さ。レジスタンスレベルを上げ、自勢力を拡大しながら充分な装備を整え、徐々に激しくなっていく戦いを乗り切っていくというのが基本的な戦いかたですが、このようにたびたび起こるアクシデントが、プレイにおけるひとつのスパイスとなっています。

▲マップは大きく3つの地域に分かれており、ジェイコブ、ジョン、フェイスがそれぞれ治めています。どこから攻略するかもプレイヤー次第という自由度の高さ

▲ジョンに拉致されてしまいました。何としても生きて脱出しなければ……

▲カルト教団の拠点を制圧していくと、レジスタンスがそこに陣を構えるようになります。ファストトラベルができるようになったり、武器屋を利用できるようになったりと便利なことも多いので、まずは拠点制圧を中心に進める、というのも攻略法のひとつ

どんな手を使ってもいいのでレジスタンスレベルを上げて教団にとっての脅威となり、3人の使者に出会って倒すこと。これが主な目的ではありますが、じつはサイドミッションや宝探し、釣りなど、寄り道で楽しめることもたくさんあるのです。サイドミッションについてはのちほど、釣りなどのお楽しみ要素については次回の記事で触れていきますね。 

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