モリコメンド 一本釣り  vol. 69

Column

Roys 3人の個性とセンスが有機的に混ざり合い生み出される、美しい色合いを帯びた音楽

Roys 3人の個性とセンスが有機的に混ざり合い生み出される、美しい色合いを帯びた音楽

ボーカル能力の高さ、ハーモニーの美しさ、ルックスの良さ、アニメとの親和性。ブレイクする条件を兼ね備えたフィーメイル・コーラス・グループが支持を集めはじめている。彼女たちの名前はRoys。数々のミュージカルに出演経験があるSayuri、モデル・シンガーの両輪で活躍しているArin、ミュージカルの世界を目指していたRisaによる3人組だ。

これまでの3人のキャリアは多種多様だ。小学生の頃からミュージカル女優を目指していたというRisaのルーツはずばりミュージカル音楽。オペラ歌手を思わせるハイトーンボイスは、彼女自身が志向してきた音楽世界に根差していると言えるだろう。モデルとしてのキャリアを持つArinは洋楽、邦楽のヒットチャートを聴きながら育ってきたという。Roysでは中音域のパートを歌うことが多く、柔軟性のある歌声はどんなジャンルの楽曲にも合いそうだ。幼少の頃は画家を目指していたというSayuriは教会のゴスペル隊に所属していたことをきっかけに歌に目覚め、バンドを結成。チャカ・カーン、スティービー・ワンダーなどをカバーすることで、ボーカリストとしてのパワーを身に付けた。その豊かな低音はRoysの音楽の要だ。音域、声質が異なる3人によるハーモニーはまさに唯一無二。一方ソロパートではそれぞれの特徴を活かしたボーカルを披露している。3人の個性とセンスが有機的に混ざり合い、美しい色合いを帯びた音楽を生み出すーーそれこそがRoysの最大の魅力と言えるだろう。

彼女たちのもう一つの武器は、全員が作詞・作曲を手がけていること。3人で話し合い、メロディ、歌詞のアイデアを出しながら生み出される楽曲には、ボーカル/ハーモニーとまったく同じように、3人の音楽性、キャラクター、美意識などがナチュラルに織り込まれているのだ。

5月にリリースされた1stシングル「I’ll be there」(作詞・作曲/Roys 編曲/koshin)にも、彼女たちのメロディセンス、ボーカリストとしての才能がふんだんに取り入れられている。中心になっているのは、Arinが生み出した旋律。この楽曲の制作に関して彼女は「トラックを聴いて、ちょっと哀愁漂う感じの印象を受けたんです。“素直になれればこうしたかったけど、そんなふうにできなかった”っていうイメージのままに、歌詞もメロディも膨らませていきました。会えるなら本当は会いたい、そんな気持ちが溢れ出ている曲です」とコメント。ヒップホップ、R&Bのテイストを反映したトラックにインスパイアされた切なくも美しい旋律、そして、もう会えなくなってしまった“君”に対する思いを描き出したリリックがひとつになったこの曲は、この先、Roysの最初の代表曲として知られることになりそうだ。

「I’ll be there」はTVアニメ「SPIRITPACT -黄泉の契り-」エンディングテーマに起用された。天脈地流のバランスを保つ祭司をつとめる“陽冥司”と彼の“影霊”の関係を軸にしたこのアニメの原作は、アジア最大のインターネット企業「騰訊(テンセント)」の騰訊漫画で連載中のWEBコミックで、累計PV33億超えのビッグコンテンツ。この作品と関わることでRoysは、中国を中心としたアジアのアニメファンにリーチするきっかけを掴んだと言えるだろう。

さらにシングルには高揚感に溢れたビートと華やかなメロディ、短い夏を背景にした切ない恋愛感情を映し出す歌詞が共存する「Can’t You Say」(TVアニメ「恋と嘘」エンディングテーマ)、そして、グループ名をタイトルに冠した「ROYS」を収録。ラテンのフレイバーを注ぎ込んだこの曲は、既にライブでも強い支持を集めている。楽曲のテイストによってガラリと表情を変えるボーカル、歌詞の世界観を感情豊かに描き出す表現力も素晴らしい。

約2年前の結成当初から定期的にライブを重ねてきたRoysは、5月15日に初のワンマンライブを東京・TSUTAYA O-nestでワンマンライブを開催。「I’ll be there」「I Can’t You Say」「ROYS」のほか、15曲すべてをオリジナル曲で構成。R&B、ジャズ、ラテン、ソウルなどを自由に横断する音楽性、メンバー自身の思いを反映させたリリック、そして、3人のスキルとエモーションが濃密に感じられるボーカル。このライブで彼女たちはアーティストとしてのポテンシャルを改めて証明したと言っていいだろう。

シングルリリース時にSayuriは「こんなに色の違う3人が揃っていて、本当に面白いグループだと思います。他にもデジタルな曲もあれば、バンドサウンドのカッコいい曲もあって、楽曲によって全然印象が変わると思うので、ぜひいろんなRoysを体感してみてください」とコメント。多彩な魅力を備えたRoysは今後、さらに大きな注目を集めることになりそうだ。

文 / 森朋之

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オフィシャルサイト
https://www.universal-music.co.jp/roys/

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