2018年春アニメ主題歌特集  vol. 22

Interview

リスの脳味噌が食べてみたい!? 戦いあり食あり笑いあり…『ゴールデンカムイ』EDで初のアニメタイアップに挑む THE SIXTH LIEインタビュー

リスの脳味噌が食べてみたい!? 戦いあり食あり笑いあり…『ゴールデンカムイ』EDで初のアニメタイアップに挑む THE SIXTH LIEインタビュー

「週刊ヤングジャンプ」(集英社)に連載中、累計発行部数500万部強を突破している大人気漫画「ゴールデンカムイ」。4月から放送されているTVアニメ『ゴールデンカムイ』のEDテーマ「Hibana」を担当しているのが、海外でも高い評価を得ているエレクトロロックバンド、THE SIXTH LIE。彼ら初のアニメタイアップ曲となる「Hibana」に込めた思いを聞いた。

取材・文 / 長澤智典


初めてのアニメタイアップ。楽曲も歌い方も作品に寄り添って

THE SIXTH LIEにとって、アニメとのタイアップは今回が初めての経験になるんですよね。

3人 初めてです。

作品に寄り添って作るのは、いつもとは異なる制作スタイルだったのでは?

Reiji そうでしたね。いつもは自分たちでテーマを決めて曲を作り、歌詞を書いてと進めていくんですけど、今回は、最初から『ゴールデンカムイ』と寄り添うことが見えていたぶん、表現はしやすかったです。

Ray 描く内容がはっきりしていたからね。みんな作品のタイトルは知ってたけど、原作を読んだことはない状態だったので、話が来たときに3人ともひと通り原作を読み、そのうえでReijiが曲を作り、僕が歌詞を乗せたんです。もちろんふたりとも、それぞれに作品の内容に沿って楽曲を作っています。

Reijiさんは、どんなイメージを持って楽曲を作ったのでしょうか?

Reiji 『ゴールデンカムイ』を読んだときに、ギャグのシーン、自然がきれいなシーン、食事のシーン、メチャクチャ激しい戦闘シーンが混じり合って描かれている印象を受けました。自分の作る曲へはつねに緩急を付けているように、今回の「Hibana」でもAメロを透き通った表情にしながら、サビでバーンとぶつかってなど、いろんな要素を取り混ぜたうえでの激しいロックサウンドに仕上げています。

そんな楽曲を受け取ったArataさん、「Hibana」を歌っての印象も聞かせてください。

Arata いちばん最後のサビまで荒々しく歌いあげたところが、特徴的です。

Ray 普段はあまりそういう歌い方をしないように、新しいチャレンジだったよね。

Arata そこは、作品の世界観に合わせました。楽曲を聴いた瞬間に「これだろう」という歌い方が頭の中へ思い浮かんだので、実践しています。それは、カップリングに収録した「Flash of a Spear」でも同じで、結果、シングルとして1枚きれいにまとまった歌唱スタイルになった気がします。

アニメファンがどんな角度から読んでも絶対に大丈夫な歌詞にしようと

歌詞は、Rayさんが担当されています。『ゴールデンカムイ』の世界観をどう歌詞に落とし込むか、そこは大変だったんじゃないですか?

Ray 原作を読んだときに、最後のページに取材協力の名前がたくさん書いてあって、かなりアイヌ文化を調べたうえで、この物語を描かれているんだなとわかったので、自分も原作をしっかり読みながら、「アイヌの文化や考え方って面白いな」という発見があるたびにメモをとっていきました。

歌詞の中に“いつかまた、ここに来るんだ”と書いたんですけど、それは、アイヌ文化の輪廻転生的な考え方で。「身の回りのものすべてをカムイ(神)として敬い、感謝の儀礼を通して盛大に送り返せば、何度でも私たちの世界を訪れてくれる」という考え方を反映させようと思ったんです。

歌詞には、『ゴールデンカムイ』に登場する人たちのいろんな感情や物語の展開を、比喩的な言葉を用いて表現してますね。

Ray 自分が歌詞を書く際には、いつも直接的ではなく、わりと比喩的に書いてるんですけど、今回の歌詞もそうですね。『ゴールデンカムイ』には、雪の中に血や火などの赤が入ってくるイメージがあって、雪原での戦いの様も描き出されています。それらを可視化する表現として「火花」という言葉を用いました。世の中には「火花を散らす」という言葉があるように、火花は戦いの象徴にもなることから、その「火花」をテーマに歌詞を書いてます。

歌詞と作品のいろんな要素を、巧みにリンクさせた歌詞には、アニメ好きな人なら、「あっ、これはこういう意味だ」と想いを重ね合わせていく表現があちこちに散りばめていて。

Ray 歌詞は『ゴールデンカムイ』のことだけを考えて書いていますからね。たとえばAメロの最初の歌詞で、“夜を刺す無数の遠吠えが天を貫いた”と書いたんですけど、そこには、自分のライバルたちの声がどこからか聞こえてくる様を描写していたり、“僕らみんなたった一つの満月にそうやって手を伸ばして”という歌詞では、みんなでひとつの満月をめざして戦っているという意味を投影して、その満月に金塊をリンクさせたり。そういう心理や情景描写すべてが、『ゴールデンカムイ』の世界観と重なりあっています。

原作やアニメ好きな方は、いろんな発見の多い楽曲になりましたね。

Ray アニメが好きな人って、すごい歌詞を読み込むじゃないですか。そういう人に、どんな角度から読まれても絶対に大丈夫な歌詞にしたくて書きましたね。

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