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『ドンキーコング トロピカルフリーズ』ファンキーコングの超絶性能が生む新しいやり込み

『ドンキーコング トロピカルフリーズ』ファンキーコングの超絶性能が生む新しいやり込み

『スーパードンキーコング』シリーズらしく、すぐに理解できるシンプルなゲーム性と、シンプルさゆえに数えきれないトライアンドエラーを生み出す難しさが魅力の『ドンキーコング トロピカルフリーズ』。

本稿では、各ステージの難しさはそのまま残しつつ、とんでもなく高性能なファンキーコングの使用でアクションが苦手でもステージを進めていける“ファンキーモード”を中心に、より広いプレイヤーに向き合った本作の魅力に追っていく。従来の『スーパードンキーコング』シリーズとは違ったやり込みを楽しむことができる“タイムアタックモード”にも注目する。

文 / 村田征二朗


とにかくファンキーコングが強すぎる! 

前回の記事でも触れたとおり、『スーパードンキーコング』シリーズ、そして本作の魅力は、難しくてもくり返し挑戦したくなる絶妙な難度にあります。10回以上もミスしてリトライすることになるステージも珍しくないという難しさがあるからこそ、苦労の末にステージをクリアしたときの達成感は格別です。しかし一方で、トライアンドエラーをくり返し、それでもなお先に進めなかったりすると、さすがに心の折れる音が聞こえてくるのも事実です。本作のWii U版、あるいは過去のシリーズ作品をプレイした人のなかには、最後までクリアできずに諦めてしまった人も少なからずいるのではないでしょうか(何を隠そう筆者もそのひとりです)。しかし、そんな人のためにNintendo Switch版で追加されたのが“ファンキーモード”です。

▲ゲームを始める際にファンキーモードとオリジナルモードを選択できますが、基本的にはファンキーモードを選ぶことをおすすめします。本作の醍醐味を満喫できます

ファンキーモード最大の特徴は、やはりファンキーコングを操作キャラクターとして使用できる点です。これまでの作品でもアイテムショップの店主として登場していたファンキーコングですが、操作可能なキャラクターとして登場するのは本作が初となります。

▲名前のとおりファンキーさに溢れたファンキーコング。そしてその実力はと言うと……?

結論から言えば、ファンキーコングは強すぎるというほどに優れた性能を誇っています。オリジナルモードではライフが2しかない(ファンキーモードでは3)ドンキーコングに比べ、ファンキーコングのライフは5もあり、ダメージを受けたあとの無敵時間を利用したゴリ押しプレイもしやすいのです。

▲敵を避けるのがより難しくなる水中のステージも、ライフが多いぶんドンキーコングに比べて精神的な余裕を持ってプレイできます

もちろん、ただライフが多くてゴリ押しができるだけのキャラクターではなく、なんと空中でのジャンプ、いわゆる2段ジャンプができるうえに、ジャンプボタンを押しっぱなしにすることでゆっくりと落下することもでき、穴に落ちてしまう事態をかなり容易に回避できてしまいます。さらに、ドンキーコングであればダメージを受けてしまうようなトゲの床に着地してもダメージを受けることがないなど、あらゆる面でドンキーコングを凌駕する超性能となっているのです。

▲トゲの上に何食わぬ顔で立つファンキーコング。つ、強すぎる……!

ジャンプやローリング攻撃などを駆使するドンキーコングでのプレイもスリルと爽快感に満ちていますが、ファンキーコングでのプレイはちょっとした異次元の体験です。ドンキーコングでのプレイでは考えられないほど……もはやサクサクという言葉では足りないほど、あっという間にステージを進めることができてしまいます。

▲2段ジャンプなどのおかげで、ステージ中のKONGレターを集めるのも楽です。もはや怖いものなし!?

歴代シリーズのなかでも最強と言えるファンキーコングですが、ここまで超性能だと逆にゲームが簡単になりすぎるのではないか、と思う人もいるかもしれません。幸いファンキーモードではドンキーコングとファンキーコングを自由に使い分けることができるので、手応えが欲しくなってきたらドンキーコングに切り替えていく、というのもアリでしょう。

しかし強調しておきたいのは、当然プレイヤーの腕前によるとは言え、ファンキーコングを使ってすらそれなりに苦労させられ、トライアンドエラーの面白さを味わえてしまうステージが点在する、ということです。それほどにステージやボス戦の難度設定が絶妙なのです。

▲調子に乗っていると、ミスするときはあっさりミスしてしまうのが本作の恐ろしさであり、面白いところです

▲トロッコなどに乗るステージでは、ドンキーコングよりライフは多いものの、落下によるミスの恐怖は変わりません

ファンキーコングでも詰まってしまったら、いよいよどうしようもない、と見せかけて、じつはさらに究極の救済措置が用意されています。同じステージで一定回数ミスをくり返すと、そのステージをクリアしたことにして、先に進むことができてしまうのです。

過保護すぎるようにも思えるこの仕様ですが、水中ステージやトロッコステージなど、操作性がステージによって大きく異なることもあり、人によってどうしても苦手なステージは出てくるものです。ひとつのステージに詰まったおかげでその先のステージが全部遊べない、というもったいない状況を回避できるこのシステムは、筆者のように下手の横好きで遊ぶ人にとっては非常にありがたいものなのです。

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