Interview

CHEMISTRYから届いた「Heaven Only Knows/13ヶ月」は、ちょっとビターなラブソング。2人と共に歌詞の世界観をディープに紐解きます

CHEMISTRYから届いた「Heaven Only Knows/13ヶ月」は、ちょっとビターなラブソング。2人と共に歌詞の世界観をディープに紐解きます

約5年ぶりに再始動したCHEMISTRYが、再始動後としては2枚目となる、通算36枚目のシングル「Heaven Only Knows/13ヶ月」を6月20日にリリースした。プロデュースを務めるのは、前作「Windy/ユメノツヅキ」に続き、CHEMISTRYの生みの親である松尾 潔。そして、ミドルテンポのR&Bナンバー「Heaven Only Knows」の作曲には「君をさがしてた」の川口大輔を迎え、ピアノバラード「13ヶ月」は「You Go Your Way」のMaestro-Tと松尾の共作と、初期のクリエイターが集結。CHEMISTRYらしいハーモニーや掛け合いの素晴らしさはそのままに、歌詞は深みと苦味が増し、今日的なサウンドアプローチを施した、今の彼らでしか歌えない失恋ソングとなっている。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 中原幸

嘉邦も歌ってくれて。なんかそういうのも久々だなって(笑)

昨年12月から今年3月にかけて行われた全国ツアー〈CHEMISTRY LIVE TOUR 2017-18「Windy」〉の感想から聞かせてください。

堂珍嘉邦 CHEMISTRYとしては“歌を生で伝える”というところが一番の仕事というか、大切にしたいと思うところで。だから、待ってくれていたみんなへの感謝の想いも強かったですし、まだまだ歌の精度も上げていかないといけないなっていうことも感じたりしました。それと、単純に歌を届けるという部分で、もっといろんなところを回りたいとも強く思いましたね。今回は16ヵ所でしたけど、もっと数打ちたいなって。それは僕らの生命線である“歌”に手応えを感じられたからこそで。より多くの人に知ってもらうためにも、細かくいろいろと回って行きたいなと。

川畑要 再始動して出した「Windy」を掲げてツアーを回ったんですけど、“ただいま”的なツアーという感じではありましたよね。“帰ってきました”っていう想いでみんなが知っている曲を並べながら、自分たちが今やりたいと思っているブラックミュージックのコーナーも作らせてもらって。久しぶりな中でしたけど、代表曲と、コアファンにも届くような曲と、新しいものと、幅広くやれたライヴになったかなと思っています。今回は16ヵ所でしたけど、CHEMISTRYの時間が止まっていたなかで5年ぶりにこれだけやれたというのは、まずは良かったなっていうのが率直な感想ですね。でも、嘉邦も言ったように、やっぱり“行かないと届かない”っていうのは僕も思ったところなので、この先どんどんやっていきたいですね。まだ行けてない場所に届けに行くなかでアルバムなんかも作れたらいいなとか、いろいろ考えています。

再始動ライヴとなった国際フォーラムに来れなかった地方のお客さんの待っていた感はすごかったんじゃないですか?

堂珍 そうですね。「ユメノツヅキ」からのスタートだったんですけど、幕開けの瞬間に、みなさんが待っていてくれたんだなっていう想いはすごく伝わってきましたし、アコースティックコーナーでも聴きごたえを感じてくれているっていうのも感じました。

川畑 地方はそれぞれで反応が全然違って面白いですよね。個人的には、仙台公演で誕生日を迎えたんですけど、ステージ上で嘉邦も歌ってくれて。なんかそういうのも久々だなって(笑)。毎年ツアーをやっていたときは、お互いに祝っていたよなって思い出しました。あとは、みんなが一緒に歌ってくれたり、むちゃくちゃ泣いてる子とかもいて。本当に待ってくれてたんだっていう想いがすごく実感できたツアーだったなって思います。距離の近い会場も多かったので、みんなの顔をできるかぎり多く見たいって思いながら歌ってましたね。

最終公演では「Heaven Only Knows」を披露しました。

堂珍 ツアー中にレコーディングをして。やっぱり、“ただいま、プラス、次”というか、先のことを伝えたかったんですよね。「懐かしかった。良かった」で終わるつもりはないし、現役なんだからっていう想いがあるので、ツアー中に新作を届けたいなって思ってて。

川畑 「ユメノツヅキ」みたいにグルーヴィーな感じではない曲なので、反応としては、ちょっと遅れてワーッて湧いてくる感じではありましたけど(笑)、聴き入ってくれてる表情は感じてました。

「Heaven Only Knows」の作曲を初期を支えた川口大輔さんにお願いしています。

川畑 思い入れとしては、やっぱり「君をさがしてた」からの流れがあるので強いですよね。松尾さんをはじめ、今関わってくれているチームのみんなは初期に一緒にやっていた人たちなので、そういう部分はすごく嬉しいですよね。

堂珍 いまだに「君をさがしてた」は僕らの代表曲になってますし、歌えば歌うほど、時間とともに味わい深いものにもなっているので、そういう意味でも川口さんの楽曲は心強いですよね。この曲は、キャッチーな歌謡曲っぽいメロディにR&Bのサウンドがうまく乗っかっていて、その上で僕らが歌うことですごくCHEMISTRYっぽくなるっていう図式の曲だと思うんですよね。

川畑 本当に仮歌のときからすごくキャッチーだなって思っていて。「アニメの主題歌っぽい!」って思うくらい、耳に残るサビの部分のキャッチーさがあって。今、嘉邦も言った「R&Bサウンド」っていうのは「Windy」からの流れとしてあるもので、そこで僕らのスタイルとしての“ヴォーカルをちゃんと届ける、言葉を届ける”っていう歌が乗る。自分たちらしい曲かなと思いますね。

歌詞はどう捉えましたか? 失恋ソングということでいいんでしょうか。

川畑 2曲とも歌詞は松尾さんに書いていただいたんですけど、並べて見返してみると、ストーリーとしては似てるなって思いますね。ただ、主人公の感情は違う。「Heaven Only Knows」は“戻りたい”っていう後悔が強いし、まだその恋に酔いしれているような感じがする。でも、それがすごくエモーショナルな部分になっていいなと思っていて。「13ヶ月」のほうは時間が経過したなかで見えてきた、相手の素晴らしさとか自分の弱さとかダメさとか……そういったものに気づけてからの“もう一度チャンスがあるなら”的な感じなのかな。「Heaven Only Knows」の主人公とは違う、真逆のやさしさというか、これからをちゃんと冷静に考えられている人なのかなと思います。

堂珍 「Heaven Only Knows」のほうはまだホットな、別れたてって感じで。「13ヶ月」のほうは、結論はもう出てるんだけど、ある意味達観しているというか、許せるようになっていたりしてるのかなって感じですよね。

1 2 >