Interview

花澤香菜主演映画『君がいなくちゃだめなんだ』 主演&原作者インタビュー

花澤香菜主演映画『君がいなくちゃだめなんだ』 主演&原作者インタビュー

花澤香菜主演映画「君がいなくちゃだめなんだ」原作本(電子書籍)発売&映画配信記念
花澤香菜(主演)×倉田健次(原作・脚本)スペシャル対談

『君がいなくちゃだめなんだ』の原作・脚本を手がけた倉田健次さんと、映画版に主演した花澤香菜さんが初対談。小説版を、いち読者として楽しんだという花澤さんと、自身の体験に根づいた思いを原作にこめた倉田さんが、映画の裏話などをからめて、終始和やかに語り合った。どのようにして主人公・楓アンがつくられていったか。花澤さんが、何を感じてアンを演じたか。切ない父娘の物語の解釈がより深まる、『君だめ』ファン必読の対談だ。

interview & text:浅野智哉


アンちゃんはこういう風に生きている女の子だったんだなぁと、感じることができました。――花澤
書いている側の気持としては、完全に楓アンの父親でした。――倉田

©qurata kenji/君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

©qurata kenji/君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

花澤 倉田さん、お久しぶりです。

倉田 ご無沙汰してます。『君がいなくちゃだめなんだ』の試写会のときに、ご挨拶して以来ですね。

倉田 書いている側の気持としては、完全に楓アンの父親でした。この物語は、父親の光平の、頭の中の出来事。僕自身のいろんな実感と強く重なっています。今回、小説版を読まれてみて、どうでした?

花澤 面白く読ませさていただきました!

倉田 ありがとうございます。

花澤 私は演じる側なので、シナリオから物語に入っているんですが、「こんな細かい背景があったんだ」と、感心しました。楓のお父さんとお母さんの出会いとか、すごく素敵。映画版のアンちゃんは、ファンタジーな存在ですが、原作では現実味のある、生身の女の子ですね。トモエさんとのやりとりとか、かなりリアル。

倉田 あそこは映画にはないよね。

花澤 ですよね。アンちゃんはこういう風に生きている女の子だったんだなぁと、感じることができました。何だか不思議な感覚です。

倉田 花澤さんは彼女本人でもありましたからね。小説の読者としては、特殊な体験をされているかも。

花澤 一番ぐっときたのは、ラストの妖精の丘で、アンちゃんが自分のあったかもしれない人生を、語るところ。あれはもう……うるってきました。

倉田 いいシーンですよね。

©君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

©君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

私は素直に、面白くて。全編、読みやすかったです。――花澤
小説で書き足したエピソードや設定は初期の段階から、用意していたもの。――倉田

©qurata kenji/君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

©qurata kenji/君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

花澤 無理なことですけど。映画の内容を知らないで、もう1回読んでみたいです。

倉田 ありがとう。僕も似たような気持ちがありますよ。映画に出てもらう前に、もし小説版を読んでもらっていたら、どうなっていたかね。

花澤 あー、なるほど。

倉田 演じる側の気持ちも変わったでしょうね。

花澤 はい、だと思います。小説版は、映画の後に書かれたのですか?

倉田 そう。ただ、小説で書き足したエピソードや設定は初期の段階から、用意していたもの。アンの両親の話とかも、最初から構想にはありました。

花澤 うわー、そうなんですね。ニューヨークの場面もですか?

倉田 はい。細かい描写は、現地で撮影していたムラカミ監督などから逐一、報告を受けて、膨らませています。映画の完成版から、フィードバックしたところもありますね。ストランド・ブック・ ストアのシーンとか。五番街のベーグル屋さんとか。

花澤 そう! 書いてもらってるって、嬉しくなりました。

倉田 ストランド・ブック・ストアって、調べると本当に雰囲気のいい老舗の本屋なんですよ。天井まで本棚があって、品揃えがすごい。ニューヨークはせっかく花澤さんたちに行ってもらっているので、読者の方にも背景や街の雰囲気が伝わるように、小説で書きこみました。

花澤 ニューヨークは、いつ行かれたんですか?

倉田 いや、実は行っていません。行ったフリで書いてる。

花澤 えっ!? 何度も行かれているような詳しさですよね。

倉田 そういう意味ではアンと一緒。現実には行ってません。

花澤 あはは。なるほど。

倉田 でもこの小説版、映画を見た人はどんな気持ちで読んでくれるでしょう。ちゃんと楽しんでもらえてますかね?

花澤 楽しんでくれると思いますよ。私は素直に、面白くて。全編、読みやすかったです。

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