Interview

花澤香菜主演映画『君がいなくちゃだめなんだ』 主演&原作者インタビュー

花澤香菜主演映画『君がいなくちゃだめなんだ』 主演&原作者インタビュー

アンちゃんは映画版より、 性格の悪いところが出てますよね(笑) 。 ── 花澤
©君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

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花澤さんの写真と声から、 楓アンのキャラクターをつくっていきました。 ── 倉田

倉田 映画のシナリオづくりのときは、花澤さんの写真と声から、楓アンのキャラクターをつくっていきました。小説のアンは、そのイメージから立ち戻り、どんな内面を持った女の子で、何を思い、どう生き、どう行動するかまでを書こうと。そのなかでやっぱり花澤さんの存在は大きくて。小説のアンは半分は僕がつくったキャラクターですけど、もう半分は映画版の花澤さんがいることで完成したと言えます。映画版に引きずられたということではありません。映画で描いてなかったことを描いているうちに、必然的に花澤さんの要素が入ってきた、という感じですね。

花澤 嬉しい、ありがとうございます。小説版のラストでは、アンちゃんと一緒に、お母さんも妖精の丘に向かいますよね。

倉田 最初の設定では、映画版でもトモエさん、お母さんとも丘に行く予定でした。撮影の事情で、アンだけになりましたが。

花澤 私はやっぱり、お母さんにも妖精の丘に来て欲しかったんですね。映画版では、アンちゃんとお母さんはぶつかる感じで終わっているから、切なくて。でも小説の方のラストで、本当に救われました。

倉田 光平は、奥さんとのことも決着させないといけなかったんですね。ひどい形で離婚したと思う。あのままスルーしておいたらダメでしょう。  ただ、彼女も実は亡くなっているという設定なので、安易に登場させるのは危険なんですよね。枠組が、いろいろ崩れてしまいかねない。でも区切りをつけないと、アンの決着もつかないん。ラストで妖精の丘について来て、アンとちゃんと話しあい、光平に託していくという流れをつくれたことで、お母さんの存在意義がまとまりました。僕も好きな場面です。  ちなみにシナリオの初校をつくる段階で、アンに自我を持たせようと言ったのは、ムラカミ監督です。僕は最初、彼女は物語の中の存在で、自分が何者か気づかないままのキャラクターを考えていました。監督と話しあい、アンの設定をつくりあげていったんですが、ファンタジーな要素が広がっていく一方、光平のリアルな父親像が膨らんでいきました。 『君だめ』はアンの物語であると同時に、苦しんだひとり父親の決着の物語でもあると思います。小説版では、その側面を丁寧に描けたかなと。

©君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

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何か、こう、あの妖精の丘には、 清々しく居たいと思っていたのを覚えています。 ── 花澤 残された人間が、大事な人の死を前向きにとらえていくには、 どうしたらいいのか ── 倉田

倉田 アンちゃんは映画版より、性格の悪いところが出てますよね(笑) 。

花澤 若干、自由すぎる感はあります。

倉田 あはは。彼女の心の誠実さがぶれないよう、毒の部分も描いていこうと思いました。創作をする人が、生真面目すぎてはいけない。毒があり、身勝手なところがないと、作家にはなれないでしょう。アンはわがままで、ときにひどいこともトモエさんに言いますよね。あれは作家のリアル。小説では、アンの作家の部分がより出せたかなと。今回、小説を書き上げて、また少しシナリオとの違いをつかめたような気がします。  いまは次の題材を、どうしようかと考えています。個人的には3. 11以降、人の死が重要なテーマになっている。  残された人間が、大事な人の死を前向きにとらえていくには、どうしたらいいのか。哀しむ以外にも、何かあるんじゃないかと。その個人的な模索が、『君だめ』にもこめられています。

花澤 あらためて、すごく深い話なんだ。

倉田 映画のラスト、話の構図としてアンは死者であるわけですよね。物語の中では生きているんだけど、この世にはいない。とても特殊な立ち位置でしたが、花澤さんはどんな気持ちで演じられたんですか?

花澤 うーん……。ムラカミ監督からは、こうしてほしいという細かい指示はありませんでした。ただ「生身で生きているように演じてください」と。でも倉田さんのおっしゃる通り、生きているとも死んでいるとも言えない立ち位置ですよね。  そうだなぁ……何か、こう、あの妖精の丘には、清々しく居たいと思っていたのを覚えています。最後に、アンちゃんがお父さんの背中を押してあげる、というところも含めて。いい顔で、立っていたいなと。怖いとか、迷いみたいなものは感じていませんでした。

倉田 僕は『君だめ』の小説を花澤さんに読んでもらうのは、怖かったですよ。

花澤 えっ!? どうしてですか?

倉田 今回の小説版を読んでもらったのは、映画が完成しただいぶ後ですよね。さっきも言ったけど、もし映画より先に読まれていたら、芝居は変わってた可能性がある。

花澤 そうですね。

倉田 原作者としては、ちょっと申し訳ない気持ちがあります。「こんな設定があるなら早く言ってよ」と怒られたかもしれないと。

花澤 あはは。

倉田 あと、「自分のつくったアンちゃんのイメージと違います」と言われたらどうしようかと。それは怖くて仕方なかった。もし面と向かって否定されたら、何か僕のなかで終わっちゃう。

花澤 へー、そんな心配があるんですね。

倉田 あります、あります。逆に他人の原作だったら、平気で腹をくくれますけど、僕が原作だから余計にね。判断はぜんぶ僕がしないといけないぶん、これでよかったのかと、不安はつきまといます。一応、演じる側に疑問を持たれないよう、細部までつくりこむ努力はしましたが、『君だめ』は一度、映画で完成していますよね。アンという女の子の正解は、楓アンになりきった花澤さんの方にあるとも言えるんですよ。それは光平を演じられた小木茂光さんや、役者さん皆さんも同様。もし花澤さんや彼らに、正解はそうではありませんと言われたら、原作者として大変なミスを犯してしまったと、後悔しますよ。

花澤 なるほど。怖いですね。

倉田 でしょう。

花澤 だけど本当に、小説は楽しく読めました。違う! とは、ちっとも思いませんでした。

※スペシャル対談の完全版は電子書籍「君がいなくちゃだめなんだ-Waltz for Life Will Born-」に収録しています。

※電子書籍「君がいなくちゃだめなんだ-Waltz for Life Will Born-」各電子書籍ストアで発売中

©qurata kenji/君がいなくちゃだめなんだプロジェクト

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花澤香菜/hanazawa kana

【誕生日】 2月25日  【出身地】 東京都
声優として2004年に声優活動を開始。アニメ・ゲームなどを含む100を超える作品に出演し、その演技力の高さと声質の良さでファンから絶大な支持を受けている花澤香菜。音楽活動は、2012年4月にシングル『星空☆デスティネーション』でソロデビュー、オリコン4位を記録。以降のシングルも上位にランクインし、声優としては史上初となるソロデビュー以来4作連続でのオリコンTop10入りを果たした。2013年2月リリースの1stフルアルバム『claire』は同6位を獲得。2013年12月には音楽活動の2ndシーズンを始動し、5thシングル『恋する惑星』をリリース。2014年2月に25曲入りの2ndアルバム『25』を発売し、オリコン8位、さらにmora総合アルバムウィークリーチャートでは初登場1位を獲得した。各アルバムリリース後にはツアーを行い各地大成功を収め、それぞれBlu-rayとしてもリリースされヒットを記録している。
今年10月1日に、音楽活動3rdシーズンの幕明けとしてSTUDIO APARTMENTをサウンドプロデュースに迎え、6thシングル『ほほ笑みモード』をリリース。新機軸となるクラブミュージックを取り入れたサウンドが注目を浴びた。そして、 12月24日にはやくしまるえつこ作詞作曲トータルプロデュースによる7thシングル『こきゅうとす』をリリースし大きな話題に。
そして、この度、3月下旬よりテアトル新宿にて公開される実写映画『君がいなくちゃだめなんだ』に主役として出演、さらに同映画の主題歌も担当。主題歌である8thシングル『君がいなくちゃだめなんだ』は26歳の誕生日でもある2015年2月25日に発売。4月22日には3rdアルバム「Blue Avenue」をリリース。
http://www.hanazawakana-music.net/

倉田健次 / qurata kenji

岐阜県高山市出身。映画監督、脚本家、映像作家。全世界から次世代作家を選出するサンダンス・NHK国際映像作家賞にて『彼女のSpeed 』グランプリ受賞。『風に逆らう魂のはな』京都アニメーション大賞脚本部門奨励賞。長編監督作『リトルウィング-3月の子供たち-』『藍色少年少女~Indigo Children~』など。

映画 『君がいなくちゃだめなんだ』

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あなたがいたから、私は今ここにいる― 再生したい父と娘を中心に想いと人がつながる、少し不思議で入り組んだ、でも真っ直ぐな物語。

花澤香菜、第一回主演作品。
花澤香菜のミュージックビデオを手掛けてきたムラカミタツヤを監督に起用し、脚本は「サンダンス・NHK 国際映像作家賞2009」にてグランプリを受賞した倉田健次が本作のために書きおろし。花澤香菜の音楽活動のプロデュースを手掛ける北川勝利(ROUND TABLE)が本作でも音楽を担当。そして父親役には一世風靡セピアのリーダーとして活動し、現在は俳優として映画やテレビで活躍する小木茂光を迎え、ムラカミ監督ならではの映像美溢れるフィルムに花澤香菜の熱演が詰まった中篇作品。

CAST
花澤香菜 渡辺奈緒子 浅森夕紀子 志村美空 中村さん 兎本有紀/小木茂光

STAFF
監督:ムラカミタツヤ
脚本:倉田健次
音楽:北川勝利(ROUND TABLE)
制作プロダクション:SEP / KURUWA
制作・配給:アニプレックス

オフィシャルサイトhttp://www.kimigainakucha.net/


原作本(電子書籍)『君がいなくちゃだめなんだ-Waltz for Life Will Born-』
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君がいなくちゃだめなんだ-Waltz for Life Will Born-
倉田健次 (著)
ソニー・ミュージックエンタテインメント

【花澤香菜(映画版主演)×倉田健次(原作・脚本)スペシャル対談(完全版)特別収録】
花澤香菜主演で話題となった映画「君がいなくちゃだめなんだ」の原作。
あなたがいたから、私は今ここにいる―
再生したい父と娘を中心に想いと人がつながる、少し不思議で入り組んだ、でも真っ直ぐな物語。
映画をより楽しむためにも必読の一冊。

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