黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 17

Interview

ミクシィ代表・木村こうき氏(上)iモード黎明期に起きた、mixiとの必然の出会いとは

ミクシィ代表・木村こうき氏(上)iモード黎明期に起きた、mixiとの必然の出会いとは

iモードビジネスがすごく伸びてきていて。これは絶対くるなと思った…

僕が木村さんと初めてお会いしたのはインデックスにおられたときでしたが、そこにいたるまで、どのような経緯があったのでしょうか。

木村 ちょうど僕が27歳ぐらいのとき……まだ親の会社で働いていたんですが、iモード(注1)の黎明期というか、iモードビジネスがすごい伸びてきていて。これは絶対くるなって思ったのがきっかけでした。携帯電話ってメールはもちろん、Webブラウザで掲示板とかが見られて、当時はまだ少なかったですがアプリケーションも動くと。当然、通話もできるし、コミュニケーションの宝箱みたいに見えたんですね。それで、まったくの未経験だったんですけど、いわゆる携帯ビジネスの本を読み倒して、企画書をいっぱい書いたんです。

注1:NTTドコモが提供している携帯電話向けのインターネットサービス。メールの送受信やWebの閲覧など、さまざまなサービスが利用可能で、モバイルインターネットの先駆けとなったが、2017年6月をもってiモード対応携帯は販売終了となった。

ご自分で企画書を書かれたんですか?

木村 はい。それで、モバイルプロダクションっていう、当時コミュニケーション系のネットのサイト制作などをやっていた会社の門戸を叩いたんですね。で、そこにいたとき、部下のバイトの子が「木村さん、これ知ってる?」って言って、見せてきたのがSNSの『mixi』だったんです。

なるほど、なるほど。

木村 そのときにもう衝撃を受けまして。ちょうどインデックスが『GOCCO(ゴッコ)』(注2)っていう携帯向けSNSを立ち上げるっていうところで、これはもう絶対に「携帯でSNS」という時代が来ると思ってインデックスに入ったんです。

注2:株式会社インデックスが提供していたモバイル向けSNS。2004年12月にサービスが開始され、最盛時には40万人以上の会員数を誇った。

最初はモバイルプロダクションという会社に入られて、モバイル向けの企画などを作られていたと。それで、インデックスが『GOCCO』を作ったタイミングで、この会社は面白そうだということで移られたわけですか。

木村 はい。

前職:株式会社インデックスでの仕事内容

なるほど。インデックスでのお仕事というのはどうでしたか?

木村 う~ん……。難しいですね。基本的にユーザー獲得って口コミで、バイラルで広げていくっていうのがソーシャルネットワークのあるべき姿だと思うんですけど、インデックスは社内向けに数字をキレイに整えたいから広告を使ってみたいなね。

今でいうブースト広告(注3)みたいなことをやっていたのでしょうか。その当時からあったんですね。

注3:アプリのダウンロードを促すリワード広告(ダウンロードと引き換えにポイントなどの報酬を配布する広告のこと)を集中的に出稿することで、App Storeなどのランキングを一時的に上昇させる手法。

木村 なんていうか……そうですね。エンドユーザーの方ではなく、中に向けて数字を作るといいますか。

つまり、投資家に向けての数字を作るというか、キレイに見えるようにしていたという感じですか。

木村 と、いうようなところがあったんだろうなって。でも、開発現場はエンドユーザーに向けてサービスを作っていましたから。

現場はそうですよね。ただ、『GOCCO』は新しい携帯でのサービスということで、僕も興味があって一時登録したんですけど、使い勝手があまり良くなかったといいますか。PCベースじゃなかったので、ちょっと更新しづらいというのがあって、割と早期に離脱しちゃったんですけど、作り手というか運営側としては、どのような感触だったんでしょうか。

木村 『mixi』がまだPC版しかなかった時代に始めたんですけど、『GOCCO』をやり始めたら、すぐに『mixi』もモバイル版を出してきたんですね。やっぱりPCとモバイルで相互にコミュニケーションできたほうが、ネットワーク外部性にしても双方の利便性は上がっていくんです。ですから、こちらもPC版を後追いで作ったりしたんですけど、なかなか追いつけないなあっていう印象が強かったですね。


続きは第2回インタビューへ
6月18日(月)公開

ミクシィ代表・木村こうき氏(中)モンスト誕生の前提となる、岡本吉起氏との出会い

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2018.06.18

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。DMMオンラインサロンにて「オンラインサロン黒川塾」を展開中。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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