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スペシャル座談会『ウマ娘 プリティーダービー』 アニメファンを驚かせ、競馬ファンをも感動させた話題作を4人のキーパーソンが語る!

スペシャル座談会『ウマ娘 プリティーダービー』 アニメファンを驚かせ、競馬ファンをも感動させた話題作を4人のキーパーソンが語る!

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』をご存じだろうか。“ウマ娘”と呼ばれるかわいらしい女の子たちが尻尾をたなびかせ、煌びやかな衣装を身に纏い、競馬場のようなコースを舞台に一着を目指して全力で走る──。“ウマ娘”たちは実在した競走馬の名前を冠し、かつて実際に起こったレース展開を元にしたドラマが繰り広げられるなど、競馬ファンをも感動させる内容となっている。今回はそんなアニメ作品を作ったキーパーソン4人に、企画の立ち上げから制作に至るまでについて聞いた。

取材・文 / 加藤和弘(クリエンタ)
構成 / 柳 雄大


ゲームもアニメも、原作なしでイチから同時展開!

『ウマ娘』はTVアニメ以外にも様々なメディアで展開されている作品である。今回集まっていただいたキーパーソンたちは、本作の監督である及川啓、『ウマ娘』プロジェクトすべてに携わるCygamesの石原コンテンツプロデューサー、TVアニメ版に関わり、競馬ファンの指針という役割も担った東宝の伊藤プロデューサー、アニメ制作を担当するスタジオP.A.WORKSの橋本プロデューサーという4人だ。


及川啓(監督)
監督、演出家。代表作はTVアニメ『この美術部には問題がある!』(監督)ほか。

石原章弘(シリーズ構成)
Cygames所属。代表作はゲーム『アイドルマスター』シリーズ(ディレクター)ほか。

伊藤隼之介(プロデューサー)
東宝所属。代表作はTVアニメ『刀剣乱舞 -花丸-(第一期)』(プロデューサー)ほか。

橋本真英(アニメーションプロデューサー)
P.A.WORKS所属。


『ウマ娘 プリティーダービー』は、異世界から受け継いだ輝かしい名前と競走能力を持った“ウマ娘”が遠い昔から人類と共存してきた世界の物語。実在した競走馬が“ウマ娘”というかわいらしい女の子として登場する作品である。そのウマ娘たちが、実際の競馬さながらに様々なグレードのレースに挑み、最終的には“日本一のウマ娘”の称号をかけて<トゥインクル・シリーズ>での勝利を目指して仲間たちと切磋琢磨する。厳しいトレーニングやレースを続ける中で芽生える絆、時にはライバルのウマ娘がケガで休養したり、など、熱く泣ける感動のスポ根物語なのである。

そんな『ウマ娘』というコンテンツの中で、TVアニメは、どんな狙いで制作されたのかを聞いた。

『ウマ娘 プリティーダービー』はゲーム、コミック、CDと様々なメディアで同時展開されていますが、TVアニメに関してはどのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?

石原 『ウマ娘』の間口を広げたいという狙いもあり、様々なメディアで並行して展開させていきました。ただ同時に同じ物語を展開しても意味はないので、TVアニメ、コミックそれぞれで異なる物語になっています。その中でもTVアニメは、アニメの最大の特徴である「動き」を生かすために、レースをきちんと見せようというのがコンセプトです。第1話の冒頭でいきなりレースを見せたのも、それによって『ウマ娘』の世界観を感じてもらえればという狙いからなんです。

伊藤 TVアニメの設定は、コミックやドラマCDなどの『ウマ娘』から要素を組みながら創作したという感じです。という感じです。

石原 ゲームではトレーナーとウマ娘の、一対一のコミュニケーションを描くと決めていたので、アニメでもトレーナーは出そうと最初から決めていました。ただ、今発表している60人のウマ娘をアニメですべて平等に扱うと、物語としては破綻して、軸がなくなってしまいます。なので、最初から軸となるキャラを絞ることも決めていました。

原作サイドは普通「たくさんキャラを出して」と言うのが正しいのかもしれませんが、アニメはアニメ、漫画は漫画、ゲームはゲームで、尺も表現できるものも異なります。今回はアニメ1クールで表現できる物語を重視して、絞りました。

伊藤 僕は以前に『刀剣乱舞-花丸-』の企画をやらせてもらって、こういった史実に基づいた擬人化物は経験していたんですが。2016年の「AnimeJapan」で『ウマ娘』のゲームのプロモーション映像を拝見して、僕自身、競馬が好きなので、ぜひTVアニメをやらせて欲しいとお願いしたんです。自分のこれまでの経験と知識を試しつつ、なおかつ競馬ファンの方々にも楽しんでもらえたらなと。

P.A.WORKSさんはそのプロモーション映像を制作されていたので、TVアニメ版でも引き続きお願いすることになりました。そのプロモーション映像がギャグっぽい内容だったので、監督は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』や『この美術部には問題がある!』ラブコメディを描いてきた及川監督ならと思い、オファーさせていただきました。

及川 1年半ほど前に、伊藤さんからオファーの電話で内容を伺いました。でも僕は競馬のことをあまり知らないし、関わるのがCygamesさん、東宝さん、P.A.WORKSさんと、かなり大きな規模だという話を聞いて、保守的な僕は一瞬ひるんでしまったんです(笑)。でもやっぱりそのメンバーで作るという魅力が勝って、チャレンジしたいと思って受けさせていただきました。今では参加して本当に良かったと思っています。

伊藤 確かに僕も、その時は競馬うんぬんの話はあまりしないで、「CygamesさんやP.A.WORKSさんが参加するんですよ」という、周辺が凄いぞということを口説き文句にしていましたね(笑)。

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