Interview

スペシャル座談会『ウマ娘 プリティーダービー』 アニメファンを驚かせ、競馬ファンをも感動させた話題作を4人のキーパーソンが語る!

スペシャル座談会『ウマ娘 プリティーダービー』 アニメファンを驚かせ、競馬ファンをも感動させた話題作を4人のキーパーソンが語る!

監督の思うつぼにハマってしまった!? “繰り返し”の妙技

これでもかと繰り返し出される「無理~」は視聴者の間で話題になりましたし、「もう食べられないよ~」という寝言ネタも面白いですよね。

及川 基本的に僕のギャグはダチョウ倶楽部さんの影響を受けているんですよ。ダチョウ倶楽部さんから勉強させていただいてます。

橋本 第9話の夏合宿の時は特に重ねましたよね(笑)

及川 そうですね(笑)。ですがさすがにちょっとやりすぎたので、これからは控えようかと思っています……(苦笑)。

石原 でも「無理~」はだいぶ僕と伊藤さんとで減らしてしまいました(笑)。この「無理~」はいらないでしょう!? とか。

及川 石原さんと伊藤さんのチェックを通って生き残った「無理~」だけがなんとか本編に登場しています。盛るだけ盛って、少しでも生き残ればいいかなと。結果的にはいいバランスで入ったのではないかと思います。

橋本 コンテで削られ、アフレコで削られ、生き残った「無理~」でしたよね。

そんな「無理~」の部分も含め(笑)レースシーンは毎回とてもドラマティックで迫力ある映像でした。レースシーンに関して制作現場で印象的だったエピソードはありますか?

橋本 ウマ娘には“勝負服”という煌びやかな衣装があるのですが、当初は最終話で着る衣装であって、他のレースは体操服にゼッケンで走らせましょうという話だったんですよ。でもティザービジュアルが勝負服になったので、さすがに最終話で勝負服が登場するのでは遅すぎるんじゃという話が出たんですね。それでじゃあGⅠ(※3)は勝負服で走らせようとなったんですが……。

※3 GⅠ(ジーワン)
レースの格付け。GはGrade(グレード)の略で、レースは下から新馬・未勝利、収得賞金500万円以下、収得賞金1,000万円以下、収得賞金1,600万円以下、オープン、GⅢ、GⅡ、GⅠにクラス分けがされている。中でもGⅠは最高峰のレースで、出場できる馬は限られている。

及川 ふと構成を確認したら、ほぼGⅠしかないことに気付き(笑)。GⅠのレースに優劣は付けられないので、すべてのGⅠで勝負服を着て走ることになりました。

橋本 そこが一番大変だったところですかね。作画スタッフの情報で、この勝負服で走りを描く場合、通常作品の3倍の作業量があると……。加えて、ティアラやイヤリングを着けて、マントを羽織って走ってますからね。普通に考えたら脱ぐでしょうと(笑)。

及川 確かに、勝負服(のデザイン)は動かすこと前提の服ではないですよね(笑)。

石原 最終的にGⅠはすべて勝負服で走ると決まったあと、橋本さんの方をあまり見られなくなりました(笑)。でもおかげでレース後の映像が締まって、とてもよい物になりました!

アニメファンにも競馬ファンにも響いた手応え

東宝の伊藤プロデューサーは大の競馬ファン。それだけに競馬を題材にした時、果たして競馬ファンが喜んでくれる面白い作品が作れるのかが怖かったという。しかし、そんな不安は第1話を観た視聴者の反応で吹き飛ばされた。

オンエアが始まってから、競馬好きな視聴者からの反応はいかがでしたか?

伊藤 僕自身競馬ファンなので、こういった題材で競馬を届けるということが、オンエアされるまでは正直怖かったです。でも世に出た物が、史実を追っている部分も含め、思いのほか好意的に受け止めていただいたのが嬉しかったですね。

この間の日本ダービーにも『ウマ娘』を観て競馬に来ましたという人がいて、僕らもモチーフとしている競馬に敬意を払っていますし、ファンの方も同じ気持ちを持ってくれたというのが嬉しかったです。第7話のサイレンススズカのエピソード(※4)があったあと、競馬情報ポータルサイトのnetkeiba.comさんで、何日間かアクセスランキングのトップがサイレンススズカになったんですよ。普段だとその週末のメインレースに出走する馬がトップになるんですけど。今のアニメファンの方は当時のサイレンススズカのエピソードは知らないと思うんですが、『ウマ娘』という形でそのエピソードを今の人たちに伝えられたというのは、一人の競馬ファンとして嬉しかったです。

※4 第7話のサイレンススズカのエピソード
第7話の秋の天皇賞で、圧倒的なスピードで他のウマ娘を圧倒していたサイレンススズカだったが、突如失速、競走中止となってしまうというエピソード。モチーフとなった実在の競走馬サイレンススズカは、骨折によって天皇賞で競走中止、同日に死没。

石原 ダビング時に、レース展開によっては伊藤さんが静かに涙ぐんでいるんですよ。だから制作中にスタッフも自分たちが作っている物がいい作品になっているんだろうという気持ちになっていきました。でも、なかなかこの作品が話題になるのかどうかがわからなくて。僕は音が付いた時に「これ面白いですよね?」と皆さんに確認してました(笑)。

伊藤 それまでは、面白いとは思いつつも全員疑心暗鬼なところがありましたよね。

及川 伊藤さんは純粋な競馬ファンとして、石原さんはアニメ作品として。そして僕は第9話の冒頭で長すぎる受話器(ウマ娘の長い耳に合わせた結果、横長のシュールなデザインになっており話題になった)を出したりして(笑)。そんな感じでみんなが違う方向を向いていたんですが、それぞれのエッセンスをこのアニメに加えることができたのかなと思います。

伊藤 例えば、「田舎の空気が美味いこと」って田舎にいる人にはわからないじゃないですか。僕も実際の競馬のエピソードをこういうかたちで提供して、それが面白いのかどうかって、競馬ファンだからこそわからなくて。誰も冷静に判断できなかったという(笑)。

石原 放送日まで本当に確信が持てなかったですからね。

及川 こっちは作り手側なので、もう麻痺しちゃっている部分もあったんですよ。第1話の放送で視聴者の方のリアクションを見るまではもうわからない状態でしたからね。それで1話のゲートから女の子たちが飛び出してくるあたりで視聴者の方が『ウマ娘』の世界観を楽しんでいただいていると感じて、ようやく面白かったんだなと実感できました(笑)。何を見ても視聴者の方が驚いてくれて。そのあとのライブシーンもみんな良い意味で戸惑ってくれてましたね(笑)。

石原 スタッフはもう『ウマ娘』の世界観が当たり前になっていたので、そこで驚くんだ! と思っていたのですが、確かに最初は自分たちも設定を考えて「これ変でしょう!」とか「面白い」とか言っていたことを思い出しました(笑)。1話、2話の視聴者の方の反応でようやく苦労が実りました。キャストの皆さんも、とても喜んでいましたよ。


『ウマ娘』のキーパーソン4名による対談からは、彼らがそれぞれの持ち味を共有したからこその面白さと、それぞれ自分流のエッセンスを作品に加えることで、ある意味一方向に偏りすぎない絶妙のバランスで成り立っているということが感じられた。間もなく放送される最終話で、果たしてどんな着地点にたどり着くのか、楽しみに待ちたいと思う。

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』

放送中

TOKYO MX、BS11:毎週日曜日24:00~
関西テレビ:毎週日曜日25:55~
サガテレビ:毎週月曜日25:25~
AT-X:毎週月曜日23:30~ リピート放送 毎週水曜日15:00~/毎週土曜日7:00~
AbemaTV:毎週火曜日23:00~

リリース情報

Blu-ray BOX

『ウマ箱』第1コーナー(アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』トレーナーズBOX)

2018年7月18日(水)発売
価格:¥12,800+税

本編約95分(各巻4話収録)+特典映像/BOX

基本仕様:
BOX【1】~【3】 本編約95分(各巻4話収録)+特典映像/BOX
【4】本編24分+完全新作アニメーション+特典映像
【Blu-ray】1080p High Definition 16:9ワイドスクリーン/2層(BD50G)/リニアPCM2.0chステレオ &5.1ch DTS HD Master Audio

仕様:
描き下ろし原作イラスト『ウマ箱』

封入特典:
イベントチケット優先販売申込券
タイトル:ウマ娘 プリティーダービー 2nd EVENT「Sound Fanfare!」
開催日:2018年10月14日(日)
場所:幕張イベントホール

『ウマ本』
<収録内容>
 ・キャラクターデザイン椛島洋介描き下ろしイラスト
 ・TVアニメ本編の中で明かされなかったエピソードを書き下ろしたオリジナル小説「ウマ話 ~セイウンスカイ編~」
 ・キャスト対談インタビュー
 ・アニメ設定資料
 ・荒川耕先生描き下ろし「ウマ娘まんが日記」や「ウマ娘血統入門」などを収録した競馬雑誌「サラブレ」コラボ記事

「グランブルーファンタジー」特典シリアルコード
ウマ娘の蹄鉄(ダマスカス鋼相当)
※全巻購入特典:ヒヒイロカネ オリジナルSSレア武器

特典映像:
ウマ旅 ~ウマ娘ゆかりの名馬を訪ねて~
吉原功兼アナウンサーによる<実況吹き替え版映像>
『ウマ娘 プリティーダービー』ヒット祈願の旅 in 佐賀
ウマ娘の細江純子の競馬電話相談室
ノンクレジットOP/ED

音声特典:
臨場感のあるライブシーンとレースシーンが楽しめる疑似5.1ch音声をDTS HD Master Audioで収録!

©2018 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」製作委員会

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』オフィシャルサイト

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