黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 17

Interview

ミクシィ代表・木村こうき氏(下)『モンスト』誕生!そのブレイクの真相

ミクシィ代表・木村こうき氏(下)『モンスト』誕生!そのブレイクの真相

仕事上で譲れないのは「ユーザーサプライズファースト」

ハハハハ。岡本さんとのお仕事はどうでしたか? 一時的にはいろいろな部分で大変な思いもされましたが、ゲームで言えばその道の権威みたいな方じゃないですか。その岡本さんに木村さんはどんなスタンスで臨まれたんですか?

木村 尊敬はしつつ、とはいえ絶対負けないとも思っていました。やっぱり意見がぶつかるときもあるんですよね。でも、僕らは「ユーザーサプライズファースト」っていうのを掲げていて、こっちの方がユーザーにとっていいんだ、ユーザーに対して驚きがあるんだと思ったときには、いかに相手が経験豊富だろうと、そこは折れずに戦っていくみたいな。

会社としてはユーザー同士、ユーザーとのコミュニケーションを優先するということですね。

木村 そうですね。でも、不思議な徒弟関係だった気がします。僕は勝手にそう思ってますけど、お互い好きだったんじゃないかなと。ケンカというか、仕様をめぐっての口論は散々しましたけど、常に議論した数分後にはギャグを言ってるっていう。とにかく笑いの絶えない現場だったと思います。

開発当初のブレスト風景

でも、ここまでの成功というのは想定されていましたか? 岡本さんは想定していた、3年分想定していたと、よくおっしゃっていますが。

木村 ゲーム単体だけだと想像していた部分はありましたね。ただ、アニメとか玩具とかイベント、そういったところまで広がっていくっていうのは、ちょっと想像していなかったです。

ミクシィ勝ちパターンの時代の生き証人みたいなもの

代表取締役になることについてのお気持ちはいかがですか?

木村 そうですねえ……。

つまり、木村さんが手がけられた『モンスト』はミクシィ再生……再生というと失礼かもしれませんが、その大きな牽引力になったと思っています。そうした結果としての今回の人事なんじゃないかと思うのですが、そこは今どのようなお気持ちでいらっしゃいますか?

木村 僕はSNSの『mixi』がバアーっと成長するところや『モンスト』での急成長っていうのを見てきました。ウチの勝ちパターンの時代の生き証人みたいなものではあると思うんですよね。

そうですよね。

木村 だからこそ、その戦略……ウチはSNSの『mixi』もしくは『モンスト』のような、いわゆるバイラルでエクスポネンシャルな伸びをするようなものを再度やっていこうっていう風に振り切っているんですけど、それがどういう形の事業になるのか。ウェルネスとかスポーツとか、さまざまな領域で仕掛けていますが、そこでウチの戦略をどう再現するのか、みたいなところを期待されているのかなと思います。

なるほど。

木村 ウチの会社ってこういう強いところがあるんだっていうのを見てきましたし、そこを信じて再現するというか。SNSの『mixi』っていうのもそうで、これを伸ばしてきたのは先人たちの力だと思うので、そこをなんとかまた再現して、今の子たちに見せていってあげる。市場に対しても「また起こったでしょ」っていうヤツを作っていきたいなと。

そうですね。僕も『mixi』は毎日見て、更新していましたからね。今は『モンスト』のようなゲームのほうが前に出ているから、そこがうまく連動すれば「SNSの『mixi』」っていう部分も再認識されるような気がしますし、そうあって欲しいなと思いますね。

木村 そうですね。

でも、大きな山がたくさんある人生ですね。今回もすごい大きな山、木村さんにとってチャレンジしがいのあるステージだと思うんですけど。

木村 ただ、そんなに気負いはないですね。やるべきことをきちんと淡々とやっていくしかないなあっていうぐらいですかね。

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