LIVE SHUTTLE  vol. 273

Report

miwa、47都道府県制覇。8年をかけて大切に紡いだ“彼女とアコギの物語”=“acoguissimo”第1章完結。フィナーレは、横浜アリーナ

miwa、47都道府県制覇。8年をかけて大切に紡いだ“彼女とアコギの物語”=“acoguissimo”第1章完結。フィナーレは、横浜アリーナ

miwaが、アコギ弾き語りによる単独のツアー“acoguissimo(読み方:アコギッシモ)”を始めたのは、デビュー2年目の2011年の秋だった。「通常のツアーではなかなか行けない土地に最小人数で行く」というコンセプトのもと、「47都道府県制覇」を目指し、石川公演からスタートした。当時は数百人規模の小さいライヴハウスが中心で、ステージからフロアの最後尾まで8歩しかない場所もあったし、天井に頭がつくほど狭い空間もあった。その後、“acoguissimo”は、シリーズ2、3と約2年おきに開催され、今年の3月から最終章となる第4弾“acoguissimo 4”が始まり、33県目から46県目に到達。そして、6月10日。約8年かけて、自身の出身地でもある神奈川県の横浜アリーナで記念すべき47都道府県目を迎え、10,000人のファンを前に有終の美を飾った。ちなみに、横浜アリーナでの女性アーティストによる弾き語りライヴは史上初の快挙であることも記しておきたい。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / KAORU SATO

「弾き語りは私の原点であり、ずっと大切にしていきたい」

miwaの“acoguissimo”シリーズは、ギター一本の弾き語りライヴではあるが、決してしっとりしたバラードを歌うだけではない。スタンディングのライヴハウスが主な舞台だったことも関係しているかもしれないが、観客はタオルを回し、一緒に歌い、通常のライヴと変わりない盛り上がりをみせる。違いといえば、やはりmiwaと観客の距離が近い点が挙げられるだろう。それは、会場の規模が大きくなっても変わらなかった。初期の頃に作られた「miwaの言いたいこと・聞きたいこと」を募るアンケートボックスは最後まで設置されていた。

47都道府県を巡った弾き語りツアーのファイナル公演は、2010年に発表したデビューシングル「don’t cry anymore」で幕を開けた。アコギを弾くmiwaの代わりに観客がお馴染みのフリを踊り、タオルを回した「君に出会えたから」から、大切な場所=ライヴをテーマにした最新シングル「アップデート」と続けた。

本ツアーではお馴染みの質問コーナーも経て、“acoguissimo”シリーズの全都道府県で歌ってきたという「441」のパフォーマンス後には、10歳でヴォイトレを始め、15歳でシェリル・クロウやアヴリル・ラヴィーンに憧れてギターを始めたルーツを振り返りながら、「8年かかって、47都道府県制覇という夢が叶って本当に嬉しいです。小さなライヴハウスからスタートしましたが、今ではこんなに大きなステージに立たせていただいて、こんなにたくさんのお客さんが集まってくれて、本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。

さらに、アコギ一本のアレンジによって重みと力強さが増した「Super Heroine」、伸びやかな歌声を響かせた「つよくなりたい」と、どんなときでも涙を流さずに前を向いて歩き続けるんだという心の強さを希求する楽曲を並べた。 横浜アリーナだけに、ステージには巨大な門のようなセットが作られていたが、キービジュアルとなっていたのは、スクリーンに映し出せないとわからないくらい小さな花瓶に活られた一輪の花だった。第1幕の花はピンクのゼラニウム。のちのMCで、花言葉が“決意”であることが告げられた。

“希望”を意味する白いトルコキキョウに変わった第2幕では、9歳の女の子をステージに上げ、「夜空。」をデュエット。続いて、この日のお客さんのリクエストの中から「デビュー前に路上ライヴで歌っていた曲で、“acogussimo 1”の1曲目だった」という「Wake Up, Break Out!」をチョイスし、ラブソング「泣恋」「Chasing hearts」を指弾きのアルペジオで演奏。アコギからエレキへという意味を持っていた「chAngE」と同じくエレキ曲「Faith」は弾き語りアレンジになっても熱さはそのままで、「オイオイ」というコールとタオル回しで大いに盛り上がり、EDM系のアンセムとなっていた「We are the light」はヴォーカルにエコーがかかり、深遠なる響きをたたえていた。と同時に、miwaのギターのテクニックに感心した人も多かったのではないかと思う。「We are the light」は1番は指弾き、2番はピックで演奏。ほかの曲でも言えることだが、彼女はストロークやアルペジオを駆使しながら、時にパワフルにかき鳴らし、時に優しく爪引き、アコギ一本のみの演奏とは思えないほどの多彩なサウンドスケープと豊かなグルーブをみせてくれた。

そして、「We are the light」を歌い終えた彼女は、「誰もが誰かの光になれるというメッセージを込めた曲です。みなさんが私にとっての光です。いつもライヴにきてくれてありがとうございます。みんなのおかげひとつひとつ夢を叶えることができて、いつも本当に感謝しています。私の歌がみんなを照らす光になれるように、心を込めて歌います」と涙をこらえながら語り、代表曲「ヒカリへ」で本編を締めくくった。

アンコールでは、アリーナの東、南、西と3箇所に移動しながら、観客の目前で「春になったら」「ミラクル」「360°」を明るい笑顔で熱唱。さらに、“acoguissimo”を象徴する曲としてツアー中に書き下ろし、1コーラスずつ歌ってきた新曲「アコースティックストーリー」のフルバージョンを初披露した。「私とアコギの物語を詰め込んだ、アコギを弾いているからこそ、みんなと出会えたという想いを込めた曲です。初めてパーソナルなことを歌いました」という感動を誘う楽曲に、満員の会場からは大きな拍手が沸き起こった。

アコギ一本で全19曲、2時間半のパフォーマンスを終えた彼女は、「弾き語りは私の原点であり、ずっと大切にしていきたいものです。これからも私とアコギの物語を続けたいと思います」と新たな決意を語り、最後は観客全員での「結–ゆい-」の大合唱で“acoguissimo”の第1周目の幕は閉じた。

なお、この日初披露された「アコースティックストーリー」は、miwa初となるベストアルバム『miwa THE BEST』に収録される。収録楽曲は、これまで発表したすべてのシングル表題曲28曲と、新曲2曲(ドラマ挿入歌「Unchained Love」、アンコールで披露した「アコースティックストーリー」)、さらにファンからの根強い人気がある初期の名曲「めぐろ川」を加えた全31曲のCD2枚組。

終演後には、ジャケット写真と新ビジュアルも公開された。ジャケット写真は、miwaの代名詞ともいえる黒髪・前髪パッツンが全面にレイアウトされた、まさにベストアルバムのアートワークにふさわしい一枚になっている。新たなアーティストビジュアルとして公開されたのは、生花を一本一本活けた豪華な特注ギターを持つmiwaが印象的な一枚。この日、花瓶に挿されていた花々を思わせつつ、miwaがこれまで発表してきた色とりどりの楽曲群を想起させるビジュアルに仕上がっている。

miwa live at 横浜アリーナ “acoguissimo 47都道府県 ~完~ 2018.6.10@横浜アリーナ SET LIST

M01. don’t cry anymore
M02. 君に出会えたから
M03. アップデート
M04. 441
M05. Super Heroine
M06. つよくなりたい
M07. 夜空。feat.お客さん
M08. Wake Up,Break Out!【リクエスト】
M09. 泣恋
M10. Chasing hearts
M11. chAngE
M12. Faith
M13. We are the light
M14. ヒカリへ

En01. 春になったら
En02. ミラクル
En03. 360°
En04. アコースティックストーリー(新曲・フルバージョン初披露)
En05. 結-ゆい-

miwa concert tour 2018-2019“miwa THE BEST”

2018年
9月22日(土)東京都 オリンパスホール八王子
9月23日(日)東京都 オリンパスホール八王子
9月29日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
9月30日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
10月6日(土)岐阜県 長良川国際会議場
10月8日(月・祝)静岡県 アクトシティ浜松 大ホール
10月13日(土)新潟県 新潟県民会館 大ホール
10月14日(日)長野県 長野市芸術館 メインホール
10月19日(金)京都府 ロームシアター京都 メインホール
10月21日(日)香川県 レグザムホール 大ホール
10月27日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター・劇場
11月3日(土・祝)岩手県 盛岡市民文化ホール 大ホール
11月4日(日)秋田県 秋田市文化会館 大ホール
11月11日(日)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
11月16日(金)東京都 NHKホール
11月23日(金・祝)奈良県 なら100年会館 大ホール
11月24日(土)岡山県 岡山市民会館
11月30日(金)滋賀県 守山市民ホール 大ホール
12月2日(日)石川県 本多の森ホール
12月8日(土)広島県 アステールプラザ 大ホール
12月9日(日)広島県 アステールプラザ 大ホール
12月15日(土)千葉県 市川市文化会館 大ホール
2019年
2月11日(月・祝)大阪府 大阪城ホール
2月23日(土)愛知県 名古屋国際会議場 センチュリーホール
2月24日(日)愛知県 名古屋国際会議場 センチュリーホール
3月3日(日)東京都 Shibuya eggman
3月8日(金)福岡県 福岡サンパレスホテル&ホール
3月9日(土)福岡県 福岡サンパレスホテル&ホール
3月15日(金)東京都 日本武道館
3月16日(土)東京都 日本武道館

miwa(ミワ)

1990年6月15日生まれ。15歳の頃よりオリジナル曲を作り始める。2010年3月にシングル「don’t cry anymore」でデビュー。2012年には初の日本武道館公演を、2015年には女性アーティストでは史上初となる“ギター1本弾き語り・日本武道館公演2DAYS”を実現している。2018年3月7日には2タイトルの映像商品「miwa concert tour 2015“ONENESS” ~完全版~」「miwa live at 武道館 卒業式/acoguissimo」を発売。5月に『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第3期のエンディングテーマ「アップデート」をシングルリリースしている。

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