吉田麻也に学ぶ8つのレジリエンス  vol. 4

Column

いよいよ初戦!「負けてたまるか」逆境をチャンスに変える吉田麻也の反発力が、日本代表に更なる力を与える

いよいよ初戦!「負けてたまるか」逆境をチャンスに変える吉田麻也の反発力が、日本代表に更なる力を与える

サッカー日本代表不動のセンターバック吉田麻也が自叙伝を刊行した。
その名も、『吉田麻也 レジリエンス――負けない力』(ハーパーコリンズ・ジャパン刊)。
長崎の片田舎に育ったサッカー少年が、世界最高峰リーグでの熾烈なレギュラー争い、怪我、フィジカルや言葉の壁、繰り返される監督の交代を経て、いかに困難を克服し、立ち上がる力を身につけてきたのか――この特集では吉田麻也の知られざる努力、そのレジリエンス(負けない力)を著書から紹介する。


~吉田麻也を構成する8つのレジリエンス~
【弟力】年長者や目上の人と過ごすことで、物怖じしない心が育まれる。
【英語力】ペラペラである必要はない。「ペラ」で勝負すればいい。
【選択力】何を選びどう生きるか、後悔しないよう決めるのは自分だ。
【アジャスト力】変化=フレッシュなリスタート。怖れることはない。
【スルー力】批判は必ず起きるもの。無駄にエネルギーを消費しない。
【反発力】前例は覆すために、固定観念は破るためにある。
【リスペクト力】相手に対する敬意が、自分に対する敬意を呼ぶ。
【バランス力】剛が生きるのは柔があるから。辛い時はいっそ笑おう。


吉田麻也に学ぶ8つのレジリエンス <最終回>

吉田麻也を構成するレジリエンスその3:反発力

◆コンプレックスがくれた「反発力」

グランパスのジュニアユースは、長崎での環境とはまったくレベルの違う世界だった。
周りの選手を見ながら、「こんなにうまい奴らがいるのか!」と度肝を抜かれた。自分とは別格。そう思えた。
自分はユースのチームでも一番下からのスタート。「こんなすごい奴らを全員、抜いていくしかないんだな」と嫌でも実感させられた。
1レベル上のプレー、1ランク上のカテゴリーを目指してステップを踏んでいくたびに新たな強敵が現れる。ライバルに勝って、ハードルをひとつクリアしたと思っても、すぐに次のハードルが迫ってくる。だから、またそれをクリアするために走り続ける。それの繰り返しだった。
グランパスのジュニアユースで、チーム内競争の厳しさを経験しはじめた当初、自分を奮い立たせていたのは、たった1年や2年でいきなり長崎に帰るわけにはいかないというプレッシャーだった。そして、そのプレッシャーをはねのけることができたのは、何よりも負けず嫌いの性格ゆえだったと思う。負けられないと思って、自分を追い込んでしまうのではなく、負けたくないからこそプレッシャーをエネルギーに変える。ずっと、そうやってハードルを飛び越え続けてきた。
 小学生の頃からJリーグ所属クラブのジュニアチームでエリート教育を受けてきたわけではなく、片田舎の少年団を出たサッカー小僧出身というコンプレックスがあったからか、名古屋に行ったときにも、周りの選手を見て感心してしまう純朴な自分がいるのと同時に、心の中で「こいつらには絶対に負けたくない」と思っている自分がいた。日本のユース代表やA代表に呼ばれるようになったときも同じ。周りのエリート選手たちに「負けてたまるか」という気持ちが常にあった。
コンプレックスを感じている人は、日本にもイギリスにも、それこそ世界中どこにでもたくさんいるだろう。でも、その対象が何であれ、コンプレックスをコンプレックスで終わらせないことはできる。劣等感に負けまいとすることが、エネルギーを生んでくれる。

◆不公平な筋肉

東洋人と西洋人では、筋肉の量と質が明らかに違う。僕の場合、コンスタントに筋トレを続けても、すぐに目に見える成果が現れるわけではなかった。
正直、西洋のDNAが羨ましかった。
体の大きさにしても、筋肉のつき方にしても、その筋力にしても、先天的な差を感じざるを得ない。
だけど、ないものねだりをしても仕方がない。
向こうにはなくて、こっちにはある特長もある。
僕であれば、プレミアリーグでも巨漢と言われるディフェンダーよりは機動力があるし、小回りも利く。強さと速さを兼ね備えているディフェンダーがいても、体のしなやかさで自分のほうが上だとも思える。ただ、そういった部分で勝負できるようになるには、フィジカルの不足分を、少なくとも平均レベルまで詰める必要がある。
そのために、やれるだけのことをやる。彼らの筋肉量が僕の3倍なのだとしたら、自分は少なくとも3倍の筋トレを積む。
僕は、そういう覚悟で肉体改造に取り組み続けた。
こうした肉体改造への取り組みの成果を少しばかりでも自分で感じられるようになるには3、4カ月かかった。誰からも「胸の厚みが増したね」などと、体の変化を指摘されるようになるまでには、その3、4倍の期間を必要とした。 マヤ・ヨシダ・2・0の筋肉の鎧は、地道な作業を繰り返した汗と涙の結晶なのだ。

◆まとめ

コンプレックスやプレッシャーは、屈しないためのエネルギーやモチベーションに変えるためにある。

『吉田麻也 レジリエンス――負けない力』(ハーパーコリンズ・ジャパン刊)より抜粋。
Photo by Colin Bell

吉田麻也 レジリエンス――負けない力

吉田麻也(著)
ハーパーコリンズ・ノンフィクション
ハーパーコリンズ・ジャパン

転んだら、起きればいい。
日本人初のキャプテン任命、チームMVP、世界最高峰リーグで結果を出し続ける男。

サッカーの母国で生き抜く“Unbeatable Mind(アンビータブルマインド)”とは――


吉田麻也

1988年8月24日生まれ。長崎県出身。12歳で名古屋グランパスのユースに入団。
2007年プロデビューを果たし、1年目からディフェンスの主軸として活躍する。
2009年、オランダ1部リーグのVVVフェンロへ移籍、同年日本A代表に初招集され、2012年のロンドン五輪ではOA枠で主将としてチームをベスト4へ牽引。
2012年にイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンへ移籍、2017年には日本人初となるプレミアリーグ通算100試合出場を達成し、チーム月間MVPにも選出される。189㎝、86㎏。


■公式サイトではファン必見の吉田麻也本人による刊行メッセージ動画が公開されている。

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