Interview

小松未可子、作詞家・畑 亜貴と解き明かすニューアルバム『Personal Terminal』 ついに“「もってけ!セーラーふく」のような曲”を歌う日がきた!?

小松未可子、作詞家・畑 亜貴と解き明かすニューアルバム『Personal Terminal』 ついに“「もってけ!セーラーふく」のような曲”を歌う日がきた!?

自分で書いといてなんだけど、こんな恋してみたいなあ(笑)(畑)

逆に畑さん的に小松さんを意識して書いた曲はありますか?

 そこはあまりないですね。意識したのは「近いけど自分でも気づかない自分」みたいな感じかな? みかこしは自分でも歌詞を書くけれど、みかこし自身では提案できないようなものを書けたらと思って。

そういう意味で私は「海辺で逢いましょう」が推しなんですよ。これは自分ではそう思わないかもしれないけど、人によっては実にみかこしらしい人物像なんじゃないかと思って。この曲は、始まってるのか始まってないのかわからない、微妙なタイミングの恋の歌なんです。みかこしも一応大人なので(笑)、あんまりうじうじはしないだろうけれど、でも、ためらってる感じっていう。この「海辺で逢いましょう」の女性は相手を誘えるんでしょうかね?

小松 どうでしょうね。たぶんこの主人公はひとりでいたとしても、もしチャンスがあれば一歩踏み出せそうな気はします。グイグイいくわけじゃないけれど、いざというときはちゃんと動く、そのときが来たらきっとチャンスは逃さないタイプというか。

 みかこしもそうなの?

小松 そうかもしれないですね(笑)。だから少し不思議なんですが、もし私がこういうシチュエーションだったらと考えると、「なんて手に取るように人の心がわかるんだろう!」という気持ちになるんですよね。相手のことが気になってるんだけど、向こうもどう思ってるのかわからない距離感で。

 向こうが会話のなかで「海でも行きたいなあ」とか言ったら、「今から行きます?」とか「そういえば来週休みあるんですよねえ」って言っちゃうぐらいの人だよね、この曲の主人公は(笑)。

小松 わかります(笑)。

 手も繋いじゃったりなんかしてね。大人の微熱感があっていいねー。自分で書いといてなんだけど、こんな恋してみたいなあ(笑)。

小松さんのなかで新しい自分を見つけられたと思う楽曲は?

小松 新鮮さという意味で言えば「おねがいフューチャー」が圧倒的です(笑)。この曲はすごくハイテンションな曲で、私も「もってけ!セーラーふく」のような曲を歌いたいと思っていたら「ついにきちゃったな」という感じです。いちばん最初に田淵P(田淵智也)が仮歌を録る用に作った仮の詞があったのですが、素人目に見ても「これは……!」となる言葉がたくさんありました(笑)。

 元の歌詞も面白かったんだけれど、いろいろ倫理的に問題があったので、女子にふさわしくないフレーズを全部はじいて(笑)。でも、あまりにも面白かったので半分ぐらいは残していますね。“銭湯に行きたいなら ちゃんとシャンプーリンス忘れないでね”とか面白すぎて削れなかった(笑)。

小松 アハハ(笑)。ちょっと口に出して歌ってみたくなりますものね。

 あとは「Pains」という泣き曲もあるしね。この曲の悲しい歌詞を、みかこしテイストのさらっとした感じで歌ってるのがすごくいいなあと思ってて。これってけっこうえぐられる内容じゃない?“どうして二人なのに さみしいって感じるの?”なんて、このふたりどう考えてももう終わりじゃない(笑)。

小松 (笑)。

 そういうところをサラッと歌って、泣かせようとしてないところが、余計にえぐられる感じでいいと思う。

自分にもこういう未来があったかもしれないと考えると楽しい(小松)

小松さんはそれぞれの曲を歌うにあたって、1曲1曲異なる女性像を意識されたりするんですか?

小松 レコーディングのときはまず何も考えず歌ってみて、そこからキャラクターを少しずつ定めていく作業はしています。これはアフレコのときと似てるんですが、家で(役を)作り込んでしまうと、その自分から逃げられなくなってしまうことがあるんですよ。まずは何も考えないで歌ったものがストレートな表現になると思うので、最初はむしろまっさらで歌いますね。

 最初に投げた球が正解だった感じはあるよね。

小松 それはありますね。

畑さんは小松さん以外にもたくさんの声優アーティストを手がけてますが、そのなかで小松さんならではの強みはどこにあると思いますか?

 それは素直なところだと思います。みかこしは「私はこう思う」の“私は”のところをわりとあっさりと手放してくれるんですよ。その部分にこだわることで見えてくる景色と、こだわらないことで見えてくる景色というのがあって、それは人の個性によって違うんだけれど、みかこしはサラッと手放してくれるところが持ち味なのかなと思います。

それはご自身の声優のお仕事にも繋がる部分?

小松 そうですね。声優さんのなかにも、役を自分で引き寄せる人と、自分から役に向かっていく人がいると思っていて。自分自身のキャラを主体にされていて、この人じゃないとこの役はできないっていう個性がある人と、自分を消すまではいかないまでもその役に引っ張られる人の違いというか。私は、もちろん個はありますけど、どちらかと言うと役に寄せていくタイプなんです。

声優をやりながら個人でアーティスト活動をされている方って、自分の本来持っている個を武器にされている方が多いと思うんですよ。元々音楽の趣味が合ったり、自分のキャラクター性を活かしたり、「自分はこういう世界観が好き!」とか「自分を見て!」というタイプの方もいたり。私はそのどこにも当てはまらないと思っていて。別に自分が迷子というわけじゃないんですが、私は役で言えば性別を超えたり、いろんなものになれる醍醐味が好きなので、普通ならできない体験を味わえることが好きなんですよね。

 そういう意味で、今回のアルバムはみかこしのいい部分が出てるんじゃないかと思いますね。気が早いんだけど今は「この発展形はどうなるんだろう?」っていう考えが頭の中に渦巻いてて。今はわりと感情移入しやすい女性像を作ってますけど、もっと極端で激しい女性像とか、逆に中性的な方に寄せてみる曲とか、振り切ったことをやってみたいかも。「あれ?自分の中にはないよ!」と思いながらも、歌ってみたら1パーセントぐらいはあったりとかして(笑)。

小松 それ面白そうですね!自分だけでは到底思いつかないものをいただけると刺激にもなりますし、それを楽しいと思えるということは、そこに可能性もあるのかなって思ったりして(笑)。「if」じゃないですけれど、自分にもこういう未来があったかもしれないと考えると楽しいじゃないですか。

 そうやって受け入れてくれるところが好きだなあ。

逆に小松さんは畑さんにどんな歌詞を書いてほしいですか?

小松 そうですね……自分が人間的にダメということはわかってるんだけれどもやめられない、ダメな人がいいいかも(笑)。

 まぬけな人の次はダメな人がいいんだね(笑)。

小松 たまに、本当にどうしようもないけれど面倒をみたくなってしまう、なぜか惹き付けられるものを持ってる魔性の人っているじゃないですか(笑)。そういう人はどんなことを考えてるのかなって思っちゃうんですよね。自分自身が人に甘えるのが苦手で、家族にも甘えたりできないので、自分の苦手なものをやってみたい気持ちはありますね。

 人の好意に付け込んで甘えるみかこしっていいかもね(笑)。

小松 あー! それは絶対できないやつなので、イイですね(笑)。

 歌ったあと、できるようになっちゃうかも。「あれ?みかこし、急にお願い事が増えた?」って(笑)。

そうやっていろいろな女性像を歌うことで、人生の幅も広がるかもしれませんし。

小松 広げたいですね。自分で一歩を踏み出す勇気がないので(笑)

 でも人生の先輩から言わせていただくと、広げなくてもいいことがいっぱいあるから。

小松 アハハ(笑)。酸いも甘いもですね。

 苦いも辛いも苦いも辛いも苦いも辛いも……。

小松 甘いが全然ないですよ(笑)。

 甘いはたまにしかないから(笑)。

フォトギャラリー

ライブ情報

小松未可子TOUR 2018 “Personal Terminal”

2018年9月8日(土)大阪府 BIGCAT
OPEN 16:15 / START 17:00

2018年9月16日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST
OPEN 16:00 / START 17:00

2018年9月24 日(月・振休)宮城県 仙台darwin
OPEN 16:30 / START 17:00

2018年9月29 日(土)愛知県 Electric Lady Land
OPEN 16:30 / START 17:00

2018年9月30 日(日)静岡県 Live House浜松窓枠
OPEN 16:30 / START 17:00

料金:6,480円(税込、入場時1ドリンク代別途要、未就学児入場不可)
チケット一般発売:2018年8月4日(土)

関連リンク

小松未可子オフィシャルサイト

小松未可子|TOY’S FACTORY

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