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男劇団 青山表参道Xが初陣を迎えた──旗揚げ公演『SHIRO TORA 〜beyond the time~』で繰り広げられた熱き青春

男劇団 青山表参道Xが初陣を迎えた──旗揚げ公演『SHIRO TORA 〜beyond the time~』で繰り広げられた熱き青春

オスカープロモーション所属の若手俳優、モデル、タレントで構成された男性エンターテインメント集団「男劇団 青山表参道X」。昨年11月の結成から約半年の月日を経て、待望の旗揚げ公演『SHIRO TORA ~beyond the time~』が、AiiA 2.5 Theater Tokyoで行われた(6月14日~17日・全6公演)。幕末の混乱期に結成された会津藩少年部隊・白虎隊が時空を超えて現代にタイムスリップし、廃部寸前の演劇部の高校生たちと出会い、交流していく日々のなかで、それぞれが成長していく姿を描いたこの物語は、笑いあり涙あり、殺陣ありダンスありと、見どころ満載の青春群像劇だった。

取材・文 / 松浦靖恵

「生まれ変わったら、また共に戦おう」

6月14日の初日公演開幕直前に行われた囲み取材では、若き白虎隊員を演じる栗山 航、塩野瑛久、西銘 駿が詰襟に短めの下袴を身につけ、日本刀を白帯に挿した凛々しい姿で、現代の高校生を演じる飯島寛騎はストライプ柄のジャケットにネクタイを締めた姿で登壇し、和気藹々とした雰囲気で意気込みを語った。

意気込みを聞かせてください。

西銘 駿 伊東悌次郎 役の西銘 駿です。(劇団結成の)発表から半年で旗揚げ公演を迎えられるとは思っていなかったので、すごく光栄だなと思います。この1ヵ月間、みんなで作り上げてきた旗揚げ公演の舞台を、精一杯頑張りたいと思います。“オスカーは男なんだ!”というところを、旗揚げ公演で盛り上げていきたいです。

飯島寛騎 小野田陽斗 役の飯島寛騎です。「男劇団 青山表参道X」の旗揚げ公演ということで、僕たち全員で力を振り絞りますので、そこにぜひ注目してください。

栗山 航 足立藤三郎 役の栗山 航です。「男劇団」はオスカープロモーション初の劇団ですし、劇団を結成してからこんなに近い日に旗揚げ公演ができることがとても嬉しいです。ワクワクが止まらないです。オスカーの期待を背負って稽古をしてきましたので、たくさんの方に観に来ていただきたいです。

塩野瑛久 間瀬源七郎 役の塩野瑛久です。去年の11月に「男劇団 青山表参道X」結成会見をしてから半年経って、こうしてみんな揃って初陣を迎えるのかと思うと、ものすごく感慨深いものがあります。お客さんが来てくださって、どう楽しんでいただくかが勝負だと思っています。殺陣、歌、ダンスと盛りだくさんですし、その全部をお客さんに提示して、みなさんに楽しんでいただくというのが大前提。(初日までに)いっぱいやることはありましたけれど、それがこの舞台に全部詰め込まれたということは、お客さんに楽しんでいただけると思っています。

どういった内容の舞台ですか?

西銘 “白虎隊”がテーマになっています。白虎隊というと悲しいイメージが強いんですけど、現代風にアレンジしているので、年齢を問わず、いろんな方に楽しんでもらえる作品になっていると思います。

栗山 高校生たちの物語なので、青春ストーリーになっています。殺陣あり、ダンスあり、歌ありで盛りだくさんの素晴らしいエンターテインメント作品です。演出家の伊藤マサミさんが、舞台を見終わったあとにスッキリとする舞台を作りたいとおっしゃっていたんですが、そういう仕上がりになったと思います仕事帰りにふらっと寄っていただいて、スキッとして明日を迎えられてもらえたら。

飯島 僕は初舞台です。舞台のお芝居と映像のお芝居は違うので、稽古を通して舞台経験者のお芝居を見ながら勉強しました。僕は殺陣が初めてだったので、とても難しいなと思いました。(初舞台にして初座長でしたが)稽古ではお互いに気を遣うことなくなんでも言い合えましたし。すごくやりやすかったです。稽古はつらい面もありましたけど、楽しかったです。

西銘 みんな同じ事務所なので稽古中はお互いに支え合うことができたと思いますし、これを機に絆もより深まって、いい雰囲気で旗揚げ公演を迎えられたと思います。

栗山 オスカープロモーションの中でいつも近い存在の中でやっているので、(リーダーとして)稽古をどういうふうに進めたらいいのかというところが、一番難しかったです。近ければ近いほど悩むというか。そういったところで、稽古場での雰囲気作りが難しかったです。チームワークの秘訣は一緒にご飯に行くことかな。関係性が必要だなと思って、稽古期間中にみんなでご飯に行きました。30名もいるので、場所の予約を取るのが大変で(苦笑)。チェーン店の大きな部屋を取って、みんなでワイワイガヤガヤやってました。まるで部活のノリでしたね。

衣装の着心地は?

栗山 白虎隊のいでたちが忠実に再現されていて、かつ動きやすいので、殺陣がしやすい仕様になっています。

塩野 衣装合わせの段階から話し合いながら作っていったので、めちゃくちゃ動きやすいです。

西銘 殺陣のときに袴がふわっとするところとか、形がカッコいい!

栗山 稽古中の西銘くんは(結んだ)後ろの髪が長かったから、殺陣中の髪がすごかったよね?

西銘 そうなんですよ。稽古中は今の長さの2倍くらい長かったので、殺陣中にバサッと顔にかぶさっちゃって(笑)。すごく大変だったので、初日前に切って今の長さにしてもらって、準備万端にしてきました!

飯島 僕、代謝が良くて汗かきなので、(ジャケットに)汗パットが付いているのがすごく嬉しいです。

塩野 わき汗パット?

飯島 ううん。肩パット(と、ジャケットの肩の部分を見せる)。

栗山 寛騎、肩に汗かくの?

西銘 肩じゃなくて、脇にパットを付けてもらったほうがいいんじゃない!?

塩野 肩じゃなくて脇パットでしょ~(笑)。

飯島 (笑)。

この劇団の売りは?

西銘 多種多様なところ。俳優やモデル、歌手を目指している人もいて、個性溢れるメンバーがたくさんいるので、今後は舞台だけではなく、いろいろな活動で「男劇団」がマルチに浸透していくんじゃないかと思っているので、そこが武器なんじゃないかと思います。

塩野 僕たちの演目を、ほかの劇団さんたちが真似をするような劇団になれたら。「男劇団」の名前が世に広まって、来てくださるお客様が楽しかったと言っていただくことが一番の目標です。

栗山 オスカーの期待を背負って、一生懸命稽古をしてきたので、たくさんの方に見ていただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

和気藹々とした囲み取材と全キャストが集結したフォトコールが終了したあと、公開ゲネプロがスタートした。

詰襟に短い丈の下袴姿の少年剣士たちが繰り広げる勇ましい戦闘シーンから、この物語は始まった。会津藩少年部隊・白虎隊の若き剣士・安達藤三郎(栗山 航)、間瀬源七郎(塩野瑛久)、伊東悌次郎(西銘 駿)は敗戦濃厚の戦況下で次第に追い詰められ、敵(新政府軍)に殺されるよりも「最後の最後まで武士らしく生きる」ことを望み、「生まれ変わったら、また共に戦おう」と約束を交わして、その後自決した──。

若き白虎隊剣士の凛々しくも悲しい最期の姿を印象に強く残した場面から、時は150年後の“現代”へと一気に飛ぶ。物語の中心となるのは、福島県の名門男子高校・私立白山高校。翌月に開催される文化祭に向けて盛り上がっている生徒たちを演じるキャスト陣が、華やか&パワフルに『SHIRO TORA~beyond the time~』のテーマソングを歌い上げる。白山高校の生徒たちは自決した白虎隊の剣士たちと同じ年齢だが、この華やかなダンスシーンや生徒たちのハツラツとした表情に触れると、いくら時代や環境が違うとはいえ、白虎隊が生きた時代と現代の違いを大いに感じずにはいられなかった。

学園祭に向けて盛り上がっている生徒たちではあったが、小野田陽斗(飯島寛騎)、小日向真希(定本楓馬)、蓮沼吉貞(中村嘉惟人)が所属している演劇部は、生徒会の徳川和宣(小沼将太)、佐々木(水江健太)から、部員不足を理由に廃部を宣告され、最大の危機に直面中。演劇部部長の小野田は部活存続のため、様々な部活や同好会がパフォーマンスを披露する「白山祭」のイベントで、最も輝いた部活に贈られる「シロトラ賞」を獲得し、廃部撤回をしてもらうという打開策を思いつき、読書研究会の斉藤良一(宇野結也)のアドバイスで、“白虎隊”を題材にした舞台をやることに。

そして、小野田たちが白虎隊の最期の地・飯盛山で稽古を始めようとしていると、突然雷鳴が鳴り響き、彼らの前に白虎隊の3人のゴーストが現れるのだった──。時空を超えて現代にやってきた風変わりな男たちを、演劇部員の3人は生徒の誰かが文化祭の出し物で白虎隊のコスプレをしていると勘違いしたり、いきなり現代にタイムスリップした白虎隊の3人も自分たちの時代にはなかった単語がまったく理解できなかったり。服装や言葉遣い、立ち振る舞いの違いを、軽妙なテンポで繋げていく台詞のやりとりが楽しいシーンは、生きている時代が異なるために生じるギャップや勘違いがあっても、それがお互いに興味を持つきっかけとなり、現代の高校生たちと白虎隊の距離が少しずつ近づいていくことを感じることができた。

同い年の演劇部員・蓮沼(中村嘉惟人)と一緒に動画を見たり、スマホゲームに夢中になったりと、現代にどんどん馴染んでいく伊東悌次郎を演じた西銘 駿は、持ち前の人懐こい笑顔と純粋さを役柄にプラスして、とても愛らしい伊東悌次郎像を作り上げた。

また「白虎隊の精神を教えてやろう!」と、演劇部員の小日向(定本楓馬)を“ドS”に特訓した間瀬源七郎を演じた塩野瑛久は、実は間瀬が仲間思いの優しい男であることを立ち振る舞いの微妙な変化で観る者にしっかりと伝えていた。

「男劇団」のリーダーでもある栗山 航は、白虎隊の2人や演劇部員たちをことあるごとに引っ張っていくリーダーという立ち位置にいる安達藤三郎の凛とした姿や年長者として発する頼もしい言葉(台詞)を、落ち着きのある振る舞いで印象づけた。私たちが教科書の中にいる歴史上の人物としてその存在を知るしかなかった白虎隊剣士たちが、この舞台ではとても身近に感じられる場面がいくつもあった。

演劇部の部長・小野田陽斗を演じた飯島寛騎は、舞台ならではの発声や動き、また殺陣においても、今作が初舞台とは思えないほどの実力と身体能力の高さを見せつけた。1ヵ月間という限られた稽古期間中で、彼はどれだけ多くのことを学び、その学びを自分の身体にしっかりと沁み込ませて、この初舞台に臨んだのだのかということが充分にわかった。

演劇部の最大のライバルであるダンス部の部員やアイドル研究会のメンバーたちは濃いキャラ揃い。中でもアイドル研究会会長・大村昌也を演じた山本 学は、特徴的なメガネをかけた姿でキレキレの“ヲタ芸”を披露。山本自身がオタクモードを全開にしたキャラを思う存分に楽しんでいることが、自然に伝わってきた。

冒頭のシーンで白虎隊剣士は「生まれ変わったら、また共に戦おう」と言っていた。「自分たちがこの時代に来たのには何か理由がある」とも言っていた。白虎隊剣士たちは、自分たちが生きていた時代、生きていたときにはできなかったことがあるからこそ、「敗戦濃厚でも、自分の居場所は自分で守る」「下を向いたらダメだ。前を向こう」と、演劇部員たちに伝えることができたのだろう。また、「今は平和なのか?」という安達の問いに、小野田が「そんなこと、考えたことないよ」と答えると、「考えないということは、平和なのだ。友は死なないだろう?」と、安達が言葉を続けたシーンは、今この時代の日本に生きる私たちに刺さるはずだ。

男劇団 青山表参道X 旗揚げ公演『SHIRO TORA~beyond the time~』は、時代がどんなに変わっても、思いを共有できる仲間がいること、そして大切な人と平和な日々を過ごせることが、どんなに貴重で、どんなに幸せなことなのかを、観る者の心に深く残す舞台だった。

男劇団 青山表参道X 旗揚げ公演『SHIRO TORA~beyond the time~』

2018年6月14日(木)~6月17日(日)AiiA 2.5 Theater Tokyo(渋谷)

STORY
福島県の名門男子校・私立白山高校では、来月に開かれる学園祭・白山祭に向けて盛り上がりを見せていた。様々な部活や同好会がパフォーマンスを披露するが、生徒たちが目指すものはただひとつ、最も輝いた部活に送られる白虎賞だった。そんななか、演劇部は部員不足から廃部の危機にさらされていた。部長の小野田陽斗は、この危機を脱するために白虎賞を獲得するしかないと意気込む。白虎隊を題材にした舞台を演じるということで、部員たちは白虎隊最後の地・飯盛山で稽古をすることにしたのだが、すると突然空が暗くなり、彼らの目の前に白虎隊の隊士たちが現れる──。

演出:伊藤マサミ
脚本:亀田真二郎(東京パチプロデュース)

出演:
〈白虎隊〉
安藤藤三郎 役:栗山 航
間瀬源七郎 役:塩野瑛久
伊東悌次郎 役:西銘 駿
〈演劇部〉
小野田陽斗 役:飯島寛騎
小日向真希 役:定本楓馬
蓮沼吉貞 役:中村嘉惟人/岡宮来夢
〈帰宅部〉
佐川寛一 役:村上由歩
梶原雄馬 役:湯本健一/沖津海友
〈読書愛好会〉
斉藤良一 役:宇野結也
〈生徒会〉
徳川和宣 役:小沼将太
佐々木 役:水江建太
〈ダンス部〉
板垣泰二 役:仲田博喜
伊地知正平 役:辻 憲斗/守谷 駿
〈アイドル研究会〉
大村昌也 役:山本学/立花裕大

岡宮来夢、田中ジョシュア、池上翔、春口尚人、依田啓嗣、西脇大河、長田翔恩、明珍隼人、沢柳 健、佐々木駿、土居秀士、沖津海友

オフィシャルサイト

『SHIRO TORA~beyond the time~』ニコ生 最速ディレイ放送

【放送日時】2018年6月24日(日)20:00~
※本番組を視聴するにはネット視聴チケットが必要です。
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