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玉城裕規&松田 凌&猪塚健太らが役者人生の限界に挑む──日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』製作発表会レポート

玉城裕規&松田 凌&猪塚健太らが役者人生の限界に挑む──日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』製作発表会レポート

10月6日より福岡県の博多座から上演される舞台『魔界転生』の製作発表会が、6月19日(火)に都内にて行われ、脚本のマキノノゾミ、演出の堤 幸彦、キャスト陣を代表して上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、村井良大、松田 凌、玉城裕規、木村達成、猪塚健太、栗山 航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、浅野ゆう子、松平 健が登壇。舞台にかける想いを語った。ここではその全貌をレポートする。

取材・文・撮影 / 竹下力

今まで観たことのない時代を突き抜けた舞台に

まずはそれぞれ意気込みからお願いします。

マキノノゾミ 原作の『魔界転生』は、山田風太郎先生の傑作時代劇小説です。なおかつ、深作欣二監督の有名な映画版があります。どちらのファンの方にも納得していただけるように、どちらもリスペクトをしつつ、脚本を書きました。それでも、プロデューサーから今まで観たことのない舞台にしてくださいと要望があり、結果、おそらくいろいろな方が読むと激怒するかもしれません(笑)。堤監督とは、舞台『真田十勇士』(2014年)から2回目の顔合わせになりますし、お互い見知っていますから、無茶苦茶な脚本を書かせていただきました。

マキノノゾミ

堤 幸彦 そんな脚本をどういう演出にしようか考えています。舞台美術の最高峰を結集して、とにかく挑戦したことのない舞台になっていると思います。大変なのは俳優のみなさんです。体調を整えて、頑張ってください!

堤 幸彦

上川隆也 これから本番を迎える今年の秋は、“平成”最後の秋です。この物語を観劇しに足を運んでくださった方がいつの日か、「平成最後の秋の『魔界転生』楽しかった」と思い返していただけるような物語をキャスト・スタッフと作っていきたいと思います。

上川隆也

溝端淳平 僕が演じる天草四郎の没後380年の命日となる4月12日に、彼が亡くなったとされる場所や記念館へ、マキノさんと堤監督と成功祈願に行きました。島原の風や空気を感じながら、役作りに臨めるのはありがたいと思います。ただ、堤監督が「とにかく大変だ」、移動中のバスの中では「飛ぶよ」とずっとおっしゃっていた(笑)。不安と期待の両方ありますが、宙吊りにされようが、地べたを這いずり回ろうが、がむしゃらに演じようと思います。

溝端淳平

高岡早紀 今作で、初めて博多座と明治座の舞台に立たせていただきます。みなさん映像や舞台で共演したことのある方ばかりで、とても心強いです。堤監督とは、私が10代の頃に、映画に出演させてもらって以来ですので、またご一緒できることを嬉しく思います。溝端さんの話を聞いて、マキノノゾミ先生や堤監督からどんな無茶ぶりをされるかと思うと楽しみです(笑)。

高岡早紀

村井良大 僕が演じる根津甚八という役は、『真田十勇士』でも演じました。彼は、物語の最後に生き残って、エンドロールになるのですが、今回は前作の続編のように根津甚八の役のまま臨んで欲しいということで非常に驚きました。それでも、僕の予想とは違った出方をするので、かなりハードルが上がっていますが楽しみです。堤さんとマキノさんの作品は、驚きの連続で、ワクワクしながら、演じさせていただける。今回もそのワクワクをお客様に体感していただきたいです。

村井良大

松田 凌 僕はまだ役者としても、ひとりの人間としても青二才ではありますが、演劇に救われ、演劇に生きてきた人間なので、このような素晴らしい作品のひとりになれることをとても光栄に思います。自分の持っている力をすべて出し切って舞台の上で生きたいと思います。

松田 凌

玉城裕規 松田 凌くんが言ったように、僕も未熟者ですが、この座組みの一員としていられることを光栄に思います。先ほど堤さんが「大変だ」とおっしゃいましたが、大変な舞台を頑張ってやるからこそ、熱量が生まれてくると思います。そうした作品の素晴らしさも伝えることができれば、僕が役者として生きた意味がありますし、一生懸命舞台で生きるために、稽古に臨みたいと思います。

玉城裕規

木村達成 日本テレビ開局65年記念舞台という素晴らしい作品に呼んでいただき光栄に思います。役者として歴史上の人物を演じられること、そして、このような豪華なメンバーと舞台を一緒に作れることを嬉しく思います。ただ、殺陣が初めてなので不安なのですが……(笑)。

木村達成

猪塚健太 『魔界転生』という作品は、魔界にいる“魔界衆”という悪役が魅力です。悪役が強いほど、対立する“柳生衆”も魅力的に映ると思いますので、“魔界衆”のひとりとして華のある強い役を演じたいと思います。

猪塚健太

栗山 航 伝説となった舞台『真田十勇士』と同じスタッフでお届けできるということで、今作も伝説になること間違いなし!

栗山 航

丸山敦史 このような舞台、そして素敵なキャストと、何ヵ月も稽古をし、本番を迎えられることを光栄に思います。堤監督は、『真田十勇士』のときにも「大変だ」とおっしゃっていたので、デジャヴ感がありますね(笑)。すでに大変さは心得ていますので、酸素ボンベを吸いながら頑張りたいと思います。

丸山敦史

山口馬木也 マキノさん、堤さんペアは、『真田十勇士』でお世話になりました。そのときの製作発表会でも「しんどいよ」とおっしゃられてトラウマになりました。今回は「もっとしんどいよ」とおっしゃっているので、もっとトラウマになりそうです(笑)。原作も映画もありますが、『魔界転生』といえば、舞台の『魔界転生』だとお客様におっしゃってもらえるように、全力で駆け抜けたいと思います。

山口馬木也

藤本隆宏 福岡公演から始まり、2ヵ月半という長い公演なので、役者人生を賭けて臨みたいと思います。僕の故郷は、奇しくも僕の演じる宮本武蔵ゆかりの巌流島が見える町でしたし、先日、九州に行く機会がありましたが、いたるところに『魔界転生』のポスターが貼ってあって盛り上がっていました。オリンピックが2020年にありますが、五輪というのは、宮本武蔵の『五輪書』から取られたと言われていますし、今回の舞台は、世界中の人に観ていただきたいと信じているので、字幕スーパーが出ているつもりでお客様に届けたいと思います。

藤本隆宏

浅野ゆう子 私はずいぶん前から、堤監督の作品なら、どんな役でも出演したいと思っていました。『真田十勇士』で淀殿のお役をいただき、念願がかないましたね。『真田十勇士』では、(村井)良大は豊臣秀頼役も演じていたので、親子共演が再び叶うと思うと嬉しいです。今回は立ち回りも大変だとお聞きしていますので、みなさんの豪快な立ち回りをひとりのお客として楽しみにしています。みなさん怪我なきように。日本テレビ開局65周年作品ですが、大阪公演であれば読売テレビが開局60周年になります。素晴らしい幸運に恵まれて嬉しいです。

浅野ゆう子

松平 健 「大変だ、大変だ」とみなさんのお話を聞いて、だんだん不安になってきた(笑)。一番、強い武将という役なので、体を鍛え直して頑張りたいと思います。

松平 健

上川さんは、山田風太郎先生の作品が好きだと聞きました。『魔界転生』の魅力を。

上川隆也 山田風太郎先生の最高傑作であり、ほかの“忍法帖シリーズ”でも異彩を放っています。幕府転覆を図った人物が、ある術を使って、過去の剣豪たちを生き返らせて戦うという一風変わった構造で成り立っています。その世界観や、戦いを見ると、アクション物語として語ってしまうには枠が狭すぎるストーリーです。ですので、この物語を舞台として構築するとうかがったときは、どんな舞台になるのか頭の中には映像が浮かばなかったんです。スケールがあまりに並はずれていて……だからこそ、堤さんの観たことのない舞台を作り上げたいという熱意に、演者として興味を掻き立てられました。

マキノさん、堤さん、溝端さん、天草四郎のゆかりの地を巡ったときの感想を聞かせてください。

マキノノゾミ 一番感動したのは、風景です。天草四郎が見ていた海や風の音を感じると、歴史はつながっているとつくづく感じました。原作は“島原の乱”から始まりますが、原作や映画よりも手厚くそのシーンを書いています。

堤 幸彦 そして、世界遺産になると聞いてびっくりしました。戦争で何万の方が亡くなり、日本のダークな歴史ですが、だからこそ小説の出発点になっただろうし、そういうことにきちんと向き合いながら、舞台で表現するために、とても頑張らなくちゃいけないと決意を新たにしましたね。島原は風光明媚で、自然の厳しさが露呈しているところで、そのような場所で荒々しい戦いがあったことを感じて感慨深かったです。

溝端淳平 2万人の方が虐殺されて、殺伐とした空気の場所だと思ったのですが、とても穏やかで、風が気持ちよく日差しが暖かくて、波が綺麗に揺らいでいました。そこで無念を抱えて亡くなっていった人たちのことを実感して役作りのきっかけになりました。天草四郎は、影を踏ませない、ミステリアスで真実がわからない人だからこそ、想像がかきたてられるカリスマ性を持って演じたいです。

演出プランを教えてください。

堤 幸彦 年齢関係なく、俳優のみなさんが身体の限界まで演技をしていただく。装置は縦横無尽に動き回る。そして、ハイテク技術を結集して、音響や照明、映像を武器として、例えばプロジェクション・マッピングであれば、その概念を打ち破るべくスタッフと相談しています。

マキノノゾミ 場数が多いですね。1幕が16場あります。普通の舞台では考えられないです。『真田十勇士』もそうだったのですが、堤さんから「場数を多くして」と言われて調子に乗って書いたのですが、僕が演出するなら絶対にしない基準を超えたものになりました。今作もキャストはみなさん実力がある方なので、芝居の熱量も高くなり、仕掛けは多くなるでしょうし、本格時代劇でありながら、娯楽作品でもあります。今まで観たことのない時代を突き抜けた舞台になると思いますよ。

日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』

福岡公演:2018年10月6日(土)~28日(日)博多座
東京公演:2018年11月3日(土・祝)~27日(火)明治座
大阪公演:2018年 12月9日(日)~14日(金)梅田芸術劇場メインホール

原作:山田風太郎(角川文庫刊)
脚本:マキノノゾミ
演出:堤 幸彦
企画・製作:日本テレビ

出演:
柳生十兵衛 役:上川隆也
天草四郎 役:溝端淳平
お品 役:高岡早紀
根津甚八 役:村井良大
北条主税 役:松田 凌
田宮坊太郎 役:玉城裕規
柳生又十郎 役:木村達成
荒木又右衛門 役:猪塚健太
小栗丈馬 役:栗山 航
戸田五太夫 役:丸山敦史
由比正雪 役:山口馬木也
宮本武蔵 役:藤本隆宏
淀殿 役:浅野ゆう子
柳生宗矩 役:松平 健
ほか

オフィシャルサイト
公式Twitter(@makaitensho2018)

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