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『DARK SOULS REMASTERED』心を折られても虜になる魅力の正体とは

『DARK SOULS REMASTERED』心を折られても虜になる魅力の正体とは

絶望と恐怖がはびこるダークファンタジーの世界で、容赦ない高難度アクションRPGをプレイできる『DARK SOULS REMASTERED』(以下、本作とも呼称)。世界中に熱狂的なファンを持つシリーズ第1作目『DARK SOULS (ダークソウル)』(以下、オリジナル版とも呼称)のリマスター版となる本作は、さらに遊びやすく調整されたシステムにより、ファンでなくとも体験してほしい仕上がりです。前回はゲームの概要やその独自性について書きましたが、今回は独特のオンライン要素と世界設定について紹介します。ゲームシステムとも深くリンクし、説得力がありつつも未だ謎が多い世界には、多くのファンの心を捉えて離さない魅力があるのです。

文 / 内藤ハサミ


他人の世界に緩く関わるマルチプレイとオンライン要素 

マルチプレイには大きく分けて“協力プレイ”と“敵対プレイ”の2種類があり、ゲストとして攻略に力を貸したり、侵入した世界のプレイヤーを倒したりできるのです。いずれも、オンラインに接続 (PlayStation®Plus/Xbox Liveへの加入が必要) し、ホストである不死人(プレイヤー)が“人間性”を使って生者に戻った状態であり、ホストがボスをまだ倒していないエリアにいるときに行うことができます。召喚される側(ゲスト)であれば、生者に戻る必要はありません。前作では最大4人までだったマルチプレイの人数が、本作では最大6人に増員されました。そのほか、変更・追加点は下記のような内容です。 

  • 召喚された霊体も、体力回復アイテム“エスト瓶”を使えるようになった(ただし他の回復アイテムには制限あり)
  • 合言葉を設定して友人や知人とマッチング可能になった
  • 地域外マッチングのオンオフが選べるようになった
  • オンライン対人戦専用エリア“試練の戦い”に共闘(3対3のチーム戦)と乱闘(全員敵同士のバトルロワイアル)のルールが追加された

前作の内容からさらに遊びやすい仕様にアップデートされたかたちですね。さて次に、対人戦の仕組みを理解するため、重要な報酬である人間性と、他のプレイヤーと戦う動機でもある“誓約”についても初めに説明しておかなければなりません。

○人間性とは

篝火のメニューでひとつ消費することにより、亡者状態から生き返ることができるほか、大幅な体力の回復、篝火の強化、後述する誓約のランクを高めるなどの用途があるアイテムです。人間性を使うと、体力バー左側のカウンターに使用した数が加算されます。また、対人戦で得られる人間性はアイテムとして手に入るのではなく、ステータスカウンターに直接加算されます。一度ステータスに加えられた人間性は、アイテムの状態に戻すことができません。ステータスとしての人間性を多く所持していると、防御力アップやアイテム発見力アップなどの良い効果がありますが、死んでしまうとそれまで所持していたソウルと共にその場にドロップし、再び回収できなければすべて永遠に失われます。

▲アイテムの人間性は、死んでも失われません

▲人間性をひとつ使用して、左上の丸枠カウンターの数がひとつ増えました。ちなみに、人間性は無造作に掌でつぶして使います……

対人戦以外にも、ドロップアイテムやマップに落ちている宝などから手に入ることはありますが、特に死にやすいこのゲームにおいて常に生者であろうとするならば、積極的に貯めていかないとどうしても数が心もとなくなる人間性。欲しい不死人は多いはずです。

あるときはわが身を振り返ることなく見ず知らずの他人をサポートして人間性を得て、またあるときは名前も知らぬ誰かを殺めて人間性を奪い取る……。深い業を背負いながら、同時に清廉な心も持ち合わせている不死人たち。私たち不死人がこぞって求める人間性の正体とは、いったいどういうものなのでしょうね。 

○誓約とは

特定のNPCが所属している派閥に誓いを立てることです。それぞれの誓約に指定されたアイテムを捧げると“誓約レベル”が上昇し、他では手に入らないアイテムなどが報酬として貰えたり、誓約を結んでいるとき限定の奇跡(魔法のようなもの)が使用できたり、特定の誓約同士がマッチングしやすくなったりなど、このほかにもさまざまなメリットがあります。

▲あまりの神々しさに、以前に結んでた誓約のことなどすっかり忘れてしまいそう……

9つある誓約は、オリジナル版ではNPCに直接会わないと変えられませんでしたが、本作では一度発見した誓約はどこの篝火からでも変更が可能になりました。いろいろな誓約を体験するもよし、ひとつの誓約をずっと結んでNPCに尽くすもよし。ここでは上記を踏まえながら、“協力プレイ・敵対プレイ”の具体的な内容について説明します。

○協力プレイ

とあるNPCから貰える“白いサインろう石”を使うと、 別世界のプレイヤーに向けて“召喚サイン”を書くことができます。ホストとなるプレイヤーに呼ばれたゲストのプレイヤーは霊体(白霊と呼ばれたりもします)となり、ホストの攻略を手伝うことができます。目的は、呼ばれたエリアのボスを共闘して倒すこと。達成すると、人間性が得られ、元の世界に帰ります。ホストか自分が死ぬことでも帰されてしまいますが、これによるゲストへのペナルティはありません。

▲ボス部屋の前には、たくさんの召喚サインが見られます。これに触れるとサインを書いたプレイヤーの情報が表示され、召喚ができます

▲ホストとして2人の霊体を召喚し、いざ、アイアンゴーレム戦! 右側のゴールドに輝く霊体は、“太陽の戦士”という誓約を交わしているプレイヤー。太陽の戦士は、体だけでなく召喚サインも金色になります

ゲストとなるプレイヤーがサインを出す場所は一部の場所を除きどこでもOKですが、だいたいの場合はボス直前の篝火の手前、ボス部屋の白い霧手前などに出すことが喜ばれるのではないでしょうか。サインを出しているプレイヤーが全て表示されるわけではないので、友人と確実に出会って一緒にプレイしたいのであれば、本作で追加された“合言葉マッチング”を使いましょう。筆者は、なんでまたこんなへんぴなところにサインを? というプレイヤーを好奇心から召喚することもあります。先日、巨人墓場のさびれた部屋にポツリとサインを出していたTさん、あのときは手伝ってくれてありがとう……。まあ、行きずりの霊体にお礼を言いたくても狙って出会うことはできませんから、受けた親切は他人に返していこうという考えのもと、今日も筆者は元気にお助け白サインを書くのです。

○敵対プレイ

他のプレイヤー(ホスト)の世界に侵入し、その命を奪うのが目的。倒すと人間性が得られ、元の世界に帰ります(ホストが勝利すれば、ホストが人間性を得ます)。侵入には複数の形式があるので、簡単に種類を説明しましょう。まずは協力プレイと同じく召喚サインを書いて、ホストの世界に呼ばれ対戦するというもの。侵入には、とあるエリアで手に入る“赤いサインろう石”を使います。これは、ホスト同意のもと行われる対人戦です。

▲闇霊となって侵入してきたプレイヤー。決闘の前に一礼をし、筆者がエスト瓶で体力回復するまで待ってくれる紳士でした。彼はとても強く、戦闘開始から20秒くらいで負けました!

特定のNPCと交わす誓約の種類によっても、ルールや報酬の違う対人戦を楽しむことができます。各誓約ごとに指定されているアイテムを使うと自動的にマッチングされるので、種類は多いですが特に難しいことはありません。誓約による侵入の目的は、侵入先にいるプレイヤーの人間性を奪うことや、それぞれの誓約によって設定されている目的を遂げるため。ちなみに筆者は、オリジナル版では“森の狩猟者”の誓約を結んでいましたが、本作ではとりあえず“白教”にしたまま、どこに身を落ち着けるか考えているところです。侵入者は生者の世界に入り込むので、「霊体を呼んでエリアを攻略しよう」というときには、常に侵入されるリスクと隣り合わせということも覚えておいたほうがいいでしょう。ボスを撃破済みのエリアであれば侵入されることはないので、生者の状態でも安心して探索ができます。

▲異なる誓約のプレイヤーが侵入してくると、このような三つ巴状態にも……

ガッツリと交流するタイプのオンラインシステムではないという点は、世界設定ともうまくマッチしています。時の流れや世界の境界が乱れ、たまに別の世界と混じり合う物語の舞台、ロードラン。呪いにより死にきれず長い時を絶望のなかで過ごし、次第に人間性を失っていくのを待つだけの孤独な不死人は、プレイ中幾度となく死んでは蘇り、ソウルも失い心が折れそうになっていく。直接チャットなどで交流することはできないけれど、別の世界からの不死人と関わることもある……。それらの情緒と仕掛けの微妙な距離感が見事ですね。 

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