Interview

【インタビュー】アニメ&ゲームソング界の歌姫・KOTOKO、デビュー15周年へ。高瀬一矢(I've)完全コラボによる“原点廻帰”作、その全貌を訊く!

【インタビュー】アニメ&ゲームソング界の歌姫・KOTOKO、デビュー15周年へ。高瀬一矢(I've)完全コラボによる“原点廻帰”作、その全貌を訊く!

数々のアニメ・ゲーム主題歌を手がけてきた歌姫・KOTOKOが、実に4年半ぶりとなる待望のニューアルバム『teras cyclone -廻-』をリリース。デビュー15周年に向けた二部作となるプロジェクト“tears cyclone”の第一弾として発表された本作は、彼女がかつて所属していたサウンドチーム・I’veのクリエイター・高瀬一矢との完全コラボレーションによる1枚。まさに“原点廻帰”となる本作への彼女の想いと、製作秘話に迫る。

取材 / 冨田明宏 文 / 須永兼次


今のふたりが発揮する、“昔のいいところ”が肝の1枚

今回のアルバムにはかつてないぐらい情報量が詰め込まれているように思いましたし、すごくチャレンジングな作品だというのも伝わってきました。

今回、高瀬一矢さんと完全タッグと決まったときに、普段とは違って過去の高瀬さん曲を全部例に出して、「私がこの曲たちが大好きなので、この高瀬さんのいいところをこの1枚に全部入れたいんです」っていう熱い想いを最初にドーン!とぶつけて(笑)、一曲一曲取り掛かっていったんですよ。

逆に、完全に新しいアプローチの曲もありますよね。特に「回転木馬」なんてとんでもない曲だなと思って。全体的には既存曲の流れを汲みながらも、やっぱり進化みたいなものをすごく感じる1枚になっていると思います。

その“進化”っていうのは特に意識して制作したつもりはないんですよ。まずチャレンジだと思ったのが“原点廻帰”というか、自分たちが作ってきた過去の楽曲に背を向けずに1回振り返るっていうことで。しかもその“原点廻帰”って、新しいファンの皆様に向けてはプレゼンみたいな形になるわけなんですよね。なので「これが今のKOTOKO×高瀬一矢のサウンドです」というものを作るのにあたって、「お互いのいいところをまず全部出しましょう」ということはすごく明確にありました。

そのうえで、お互いに年月や経験を経てきているので、新しいものを被せようというのは実は意識せずにできたところで。どちらかというと、“昔のいいところを発掘する”というのが肝になっていたような感じはしていますね。

そのうえで、アルバム全体の統一感も素晴らしいと思いました。描きたいものや見せたいビジョンが非常に明確なように感じたのですが。

私もそこには、すごく手応えを感じています。私はまずタイトル決めのときから「このアルバムでは何を描こうか?」というビジョンをいつも持つんですけど、今回に限って言うと“tears cyclone”が二部作だというのもあって“涙”という部分を二部に分ける難しさもあって。今回は“tears cyclone”の“廻”だからこそ、という世界観をものすごくピンポイントで描けたな、という手応えを自分でも感じています。それはもしかしたら、短期集中型で作ったからブレずに一点に向かっていけた、というのもあるかもしれないですけど。

ということは、レコーディングも含めてスケジュールはだいぶ詰まっていたんですか?

アルバム出すのが決まったのが完成の3ヵ月ぐらい前だったので、実際に作業できたのって実質2ヵ月半ぐらいだったと思うんですよ。だからレコーディングのスケジュールもびっちりで。「a-gain」と特典の「sign -KOTOKO Ver. Remix-」は2曲いっぺんに録ったりもしたんですよ(笑)。でも最後は高瀬さんも4日間ぐらい寝ずにアレンジをしてくれてたというのもありまして、最終納期には間に合いました。

それだけ頑張られると、高瀬さんご自身も相当な想いをもってトラックダウンを終えられたんじゃないかな、という感じもありますよね。

ちょっと語弊があるかもしれないんですけど、高瀬さんが「これは、僕とKOTOKOちゃんのアルバムだからね」っておっしゃったことがありまして。私も、本当にそうだなって思ったんですけど。

たしかにKOTOKO名義ではあるし、私の作曲した曲はあるんですけど、ほぼほぼ高瀬さんの作曲だしアレンジも全曲高瀬さんなので、ふたりのアルバムと言って全然おかしくないぐらい、高瀬さんのアーティストとしての部分がすごく色濃く出たアルバムなんです。それに、高瀬さんご自身も今回すごく時間のないなかで請けてくださって……たぶん、請けるときには迷われたと思うし、覚悟も必要だったと思うんですよ。だからそこにかけた想いは、高瀬さんも大きかったのかなって思いますね。

KOTOKOにしか歌えないし作れなかった、それが「回転木馬」

そんななかでお聞きしたいのが、先ほど“狂気を感じた”と言わせていただいた「回転木馬」についてなのですが。

この曲でやっている“曲の途中でまったく別の曲が始まるようなものを作る”というのが、今回のアルバムで私が絶対にやりたかったことなんですよ。それでまず思い切って、4拍子から3拍子にするのをやったら意外とうまくいって。そこに対してどんどんメロディをつけたりしていくと、やっていくうちに面白くなっちゃって(笑)。歌詞もつける段階になると、すごく怪しい世界観を描きたくなっちゃってたんです。それで書いていくうちに「回転木馬」だから、“廻る”がテーマになっている今回のアルバムじゃないとダメだ、と思って、高瀬さんにお渡ししたんです。

そのときの反応は、いかがでしたか?

思ったとおり「んー! これ俺には無理かもしれない(汗)」という反応でした。でもさっき言ったように「今回じゃないと」というお話と、「高瀬さんの音でいいんです」というお話をして言いくるめて(笑)。

ただ、1回ラフにアレンジした骨組みのようなものをいただいて聴いたら、もう既に「これこれ!」と言うものになっていたんです。「その方向でお願いします!」と言ったら、あっという間に出来てきましたね。

KOTOKOさんの作曲が、その高瀬さんのアレンジを引き出したんですね。

そうですね、結果的に。これが今回のいちばんの進化の見える部分で、私にとっても高瀬さんにとってもチャレンジだった部分ができました。歌詞も問題ですよね。怖すぎるし(笑)。

読んでるほうは「怖い怖い!」みたいなのもありましたけど(笑)。

イメージは、“本当は怖いアンデルセン”的なもので。1行目からすごい衝撃だと思います。「大っきな石めくった裏側の存在」って、想像したらみんな鳥肌しか立たないような(笑)。

でも私、小さい頃から虫が好きで。今でも生まれ変わったら虫になりたいと言ってるぐらいなんですよ。しかもほとんどの虫って嫌われものじゃないですか? 人間界に置き換えても、見た目でいじめられたりとかして、嫌な想いをして育っていく子っていっぱいいて。私もそのひとりだったから、そういういじめられた側からの目線を虫目線で代弁することによって、救われる人もいるかもしれないし、その嫌われもの目線をわかってくれるような楽曲になるかもしれないな……っていう私のメッセージもありつつ、あえて狂気の世界を書いてみました。

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