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ピクサー30年の軌跡。CGがアニメの主流になった秘密がここに。スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

ピクサー30年の軌跡。CGがアニメの主流になった秘密がここに。スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

ピクサー展がひさしぶりに東京に帰ってきた

アニメーションの新時代を切り開いてきたピクサー・アニメーション・スタジオ。2016年は、1986年にアメリカのカリフォルニアで、ジョン・ラセター、エド・キャットマル、スティーブ・ジョブズらの奇跡的な出会いによって設立されたピクサー・アニメーション・スタジオの設立30周年にあたります。これを記念した展覧会『スタジオ設立30周年記念 ピクサー展』が3月5日(土)から東京都現代美術館ではじまりました。

本展は『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』、『ファインディング・ニモ』など、数々のヒット作品を、魅力的なストーリーとコンピュータ・グラフィックスを駆使したクオリティの高い映像表現で描き、人気を博してきたピクサー・アニメーション・スタジオのさまざまなアートワークで構成された展覧会です。

ジョー・ランフト、バド・ラッキー[ストーリーボード:グリーンアーミーメン](左)『トイ・ストーリー』(1995年)インク、鉛筆/紙 ?Disney/Pixar

ジョー・ランフト、バド・ラッキー[ストーリーボード:グリーンアーミーメン](左)『トイ・ストーリー』(1995年)インク、鉛筆/紙 (c)Disney/Pixar

東京で2006年に開催された「ピクサー展 〜『トイ・ストーリー』から最新作『カーズ』まで〜」、そして2013年にパリのアール・リュディック美術館で開催された「ピクサー・アニメーション25周年の歩み」展での展示内容に、この10年で公開された『レミーのおいしいレストラン』や『WALL・E/ウォーリー』、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『トイ・ストーリー3』、『インサイド・ヘッド』など数々の傑作作品の資料、さらに3月12日より公開される最新作『アーロと少年』の資料を加えた、ピクサー・アニメーション・スタジオの最新のクリエーションが公開されています。

「トイ・ストーリー」制作の秘密を立体構成で

本展ではコンピュータ・グラフィックスを用いたアニメーションを制作する過程で生み出される、豊富なスケッチやペインティングなどのドローイング、マケット、ストーリー・ボード、カラースクリプトなど、約500点ものアートワークを展示しています。世界初のフルCG長編アニメーションとなった『「トイ・ストーリー」3部作」のコーナーは、作品の構想段階で制作されたドローイングやマケットなどの貴重な資料で構成し、「ストーリー」「キャラクター」「世界観」に沿って振り返る特集展示です。

ジェームズ・ロバートソン:(炎のエフェクト処理:アンドリュー・ヒメネス)ストーリーボード:ごみ処理場、『トイ・ストーリー3』(2010年)、デジタルペインティング ?Disney/Pixar

ジェームズ・ロバートソン:(炎のエフェクト処理:アンドリュー・ヒメネス)ストーリーボード:ごみ処理場、『トイ・ストーリー3』(2010年)、デジタルペインティング (c)Disney/Pixar

ラルフ・エッグルストン:カラースクリプト、『トイ・ストーリー』(1995年)、複製(原画:パステル/紙)?Disney/Pixar

ラルフ・エッグルストン:カラースクリプト、『トイ・ストーリー』(1995年)、複製(原画:パステル/紙)(c)Disney/Pixar

最新作「アーロと少年」まで貴重なアートワークが続々と

「ピクサー映画ができるまで」ではピクサーのアニメーション制作のプロセスを、さまざまな資料やアーティストたちへの貴重なインタビューを収めた映像とともに詳しく紹介しています。「長編映画のマスターピース」では、「バグズ・ライフ」や「モンスターズ・インク」、そして最新作「アーロと少年」までの長編作品のアートワークを一挙に公開しています。

ジェローム・ランフト《サリー》『モンスターズ・インク』(2001年)ウレタン樹脂鋳造 (c)Disney/Pixar

ジェローム・ランフト《サリー》『モンスターズ・インク』(2001年)ウレタン樹脂鋳造 ?Disney/Pixar

ハーレイ・ジェサップ(レイアウト:エンリコ・カサローザ)《カラースクリプトの習作:ラタトゥイユを作るレミー》『レミーのおいしいレストラン』(2007年)デジタルペインティング ?Disney/Pixar

ハーレイ・ジェサップ(レイアウト:エンリコ・カサローザ)《カラースクリプトの習作:ラタトゥイユを作るレミー》『レミーのおいしいレストラン』(2007年)デジタルペインティング (c)Disney/Pixar

ピーター・ソーン《スポットとアーロ》、『アーロと少年』(2015年)複製(鉛筆/紙) (c)Disney/Pixar

ピーター・ソーン《スポットとアーロ》、『アーロと少年』(2015年)複製(鉛筆/紙) ?Disney/Pixar

シャロン・キャラハン:カラースクリプト、「アーロと少年」(2015年)デジタルペインティング (c)Disney/Pixar

シャロン・キャラハン:カラースクリプト、「アーロと少年」(2015年)デジタルペインティング ?Disney/Pixar

シャロン・キャラハン:カラースクリプト、「アーロと少年」(2015年)デジタルペインティング ?Disney/Pixar

シャロン・キャラハン:カラースクリプト、「アーロと少年」(2015年)デジタルペインティング (c)Disney/Pixar

本展の目玉、「トイ・ストーリー」のインスタレーション

この世界巡回展のために開発された「トイ・ストーリー ゾートロープ」と「アートスケープ」の2つのインスタレーションも本展の目玉と言えます。

「トイ・ストーリー ゾートロープ」はアニメーションの原理を体感できるインスタレーションです。円盤の上にウッディやバズといった『トイ・ストーリー』のキャラクターたちの立体フィギュアが配置され、円盤が暗闇の中で高速回転し、それらをストロボライトで照らすことでキャラクターたちがあたかも生きて動いているように見せるものです。真っ暗コーナーで見落としがちですが、必見の作品です。

《トイ・ストーリー ゾートロープ》 クリエイティブ・リーダー:J・ウォーレン・トレゼヴァン、テクニカルリーダー:ローレン・カーペンター、マケットリーダー:マイク・クラムホーフェナー、グイド・クアローニ、ダン・メイソン、ネフタリ・アルヴァレス、ゲイリー・シュルツ、マシュー・マーティン、デヴィッド・ディフランチェスコ、クレイグ・ペイン、アレックス・スタール、マーク・アダムス、ポール・マカフィー、デヴィッド・アール・スミス 木、アルミニウム、真鍮、スチール、ガラス、プラスチック、石膏、2005年 ?Disney/Pixar

《トイ・ストーリー ゾートロープ》
クリエイティブ・リーダー:J・ウォーレン・トレゼヴァン、テクニカルリーダー:ローレン・カーペンター、マケットリーダー:マイク・クラムホーフェナー、グイド・クアローニ、ダン・メイソン、ネフタリ・アルヴァレス、ゲイリー・シュルツ、マシュー・マーティン、デヴィッド・ディフランチェスコ、クレイグ・ペイン、アレックス・スタール、マーク・アダムス、ポール・マカフィー、デヴィッド・アール・スミス
木、アルミニウム、真鍮、スチール、ガラス、プラスチック、石膏、2005年 (c)Disney/Pixar

「アートスケープ」はアートとテクノロジーの融合によって生みだされたインスタレーションです。平面に描かれたアートワークを、デジタル技術で臨場感溢れる動画に変換し、幅10メートルを超える特殊な大型スクリーンに投影するもので、スクリーンの中に描かれたアートワークの中に、誘い込まれるように入って行くと、まるでピクサーの世界に紛れ込んだかのような空間が眼前に広がります。

《アートスケープ》  監督:アンドリュー・ヒメネズ、音響デザイン:ゲイリー・ライドストロム、E・J・ホロウィッキー、テクニカルシステム再設計:スチュワート・バーナム、テクニカルシステム設計 (オリジナル):アレックス・スタール、プロデューサー:オスナット・シューラー、エリーズ・クレイドマン、クリエイティブ・テクニカルサポート:ジョシュア・クアルティエリ、ディアン・コブ、M・T・シルヴィア、ベッキー・ニーマン、5000?1080ピクセル 60FPS RGBA 4:4:4:4 ファイバーオプティクス非圧縮DVI、6.1チャンネルサラウンド、シンクロナイズドマルチホストCPUメディア&ライ、ディングプレイバック(メディア・サーバー) 2014年、15分ループ

《アートスケープ》 
監督:アンドリュー・ヒメネズ、音響デザイン:ゲイリー・ライドストロム、E・J・ホロウィッキー、テクニカルシステム再設計:スチュワート・バーナム、テクニカルシステム設計
(オリジナル):アレックス・スタール、プロデューサー:オスナット・シューラー、エリーズ・クレイドマン、クリエイティブ・テクニカルサポート:ジョシュア・クアルティエリ、ディアン・コブ、M・T・シルヴィア、ベッキー・ニーマン、5000?1080ピクセル 60FPS RGBA 4:4:4:4 ファイバーオプティクス非圧縮DVI、6.1チャンネルサラウンド、シンクロナイズドマルチホストCPUメディア&ライ、ディングプレイバック(メディア・サーバー) 2014年、15分ループ

本展をご覧になる上で、素晴らしいアートワークとともに、各所に散りばめられたピクサーのアーティストたちの言葉をぜひ見逃さないでください。そこにはクリエーションのヒントになる珠玉の言葉があります。

ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ジョン・ラセターの言葉

ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ジョン・ラセターの言葉

取材・撮影・文 / チバヒデトシ

スタジオ設立30周年記念 ピクサー展

開催期間:2016年3月5日(土)〜5月29日(日)

(C) 2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

(C) 2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『アーロと少年』

2016年3月12日(土)全国ロードショー
オフィシャルサイト http://www.disney.co.jp/movie/arlo.html

あなたの、初めての友だちは誰ですか?
はるか何千万年の昔、隕石が地球にぶつかり恐竜は絶滅したはずだった…。でも、もしも隕石が衝突しなかったとしたら? ――そこは、絶滅をまぬがれ文明と言葉をもつ恐竜たちが、言葉をもたない人間たちと共存する地球。そこで、体は大きいが臆病で甘えん坊の恐竜アーロと、言葉を持たない人間の少年、スポットが出会う。壮大な自然を舞台に、見た目も性格も正反対なひとりぼっちの同士の2人の出会いから始まるアドベンチャーが、世界中をいまだかつてない感動と興奮で包み込む。

原題:The Good Dinosaur
監督:ピーター・ソーン
製作:デニス・リーム
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン