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“7人の関ジャニ∞”が未来に残した前向きなベストアルバム『GR8EST』

“7人の関ジャニ∞”が未来に残した前向きなベストアルバム『GR8EST』

関ジャニ∞が2018年5月30日にリリースしたベストアルバム『GR8EST(グレイテスト)』が売れている。登場初週で約30万枚を売上げ、各種ランキングの1位を独占した後も、順調に数字を伸ばしている。その要因とは? そして、7人の関ジャニ∞が残したものとは?

文 / 田中久勝

関ジャニ∞のセンスと様々なアーティストの感性との化学反応

年内での脱退を発表している、メインボーカルの渋谷すばるの関ジャニ∞でのラストアルバムになるということで、これまでの作品を改めて聴いて、渋谷の奔放かつ強いボーカルが聴けなくなると思うと、寂寥感に襲われるファンも多いのではないだろうか。ベストアルバムは2012年10月の『8EST』以来、約5年7カ月ぶりとなるが、やはり2015年5月からスタートした、“今もっとも音楽番組らしい音楽番組”と言われている『関ジャム 完全燃SHOW』を通して、メンバーそれぞれがミュージシャンとして成長し、バンドとして進化したことを感じさせてくれる楽曲が目立つ。

CD2枚に収録されている23曲は、「あおっぱな」(2012年)から最新シングルの「応答セヨ」(2017年)までの21曲のシングル表題曲に加え、『8EST』にも収録されていた「無責任ヒーロー」を、東京スカパラダイスオーケストラがリアレンジし、彼らとバンドコラボレーションした“無責任ヒーローjam with 東京スカパラダイスオーケストラ”として収録。バンドサウンドと裏打ちのブラスなどで音が厚く、熱くなり、原曲のアレンジとは違う印象で楽しませてくれる。さらに「大阪ロマネスク」の新録バージョンでは、バイオリニストの葉加瀬太郎を迎え「大阪ロマネスクfeat.葉加瀬太郎」として収録。葉加瀬のバイオリンとストリングスアレンジが、壮大に、より情感豊かに仕上げている。

関ジャニ∞のセンスと、様々なアーティストの感性とが化学反応を起こし、生まれた楽曲はどの曲も、やはり濃厚だ。「あおっぱな」は、怒髪天のボーカル・益子直純が作詞、ギターの上原子友康が作曲を手掛け、「言ったじゃないか」(2014年)は、銀杏BOYZの峯田和伸が楽曲を提供しているが、泥臭いロックを歌う個性派バンド怒髪天、パンクバンド・銀杏BOYZ×アイドルの組み合わせを、一体誰が想像しただろうか。しかし、曲の仕上がりを聴くとメンバーの音楽に対しての貪欲さが、自分達の音楽を、進化かつ深化させている事ことがわかる。「涙の答え」(2013年)は、SEKAI NO OWARIのSaoriが作詞、Nakajinが作曲、「侍唄(さむらいソング)」(2015年)はレキシ・池田貴文が作詞・曲・プロデュースを、最新(40th)シングル「応答セヨ」はポルノグラフィティの新藤晴一が作詞を手掛け、あらゆるジャンルのアーティストとタッグを組み、音楽の高みを目指していることが伝わってくる。

2015年のアルバム『関ジャニ∞の元気が出るCD!!』では、峯田ほか、OKAMOTO’S、KANA-BOON、サンボマスター、宮藤官九郎などが楽曲を提供し、昨年発売したアルバム『ジャム』でも、ニセ明、水野良樹(いきものがかり)、岡崎体育、蔦谷好位置、菅野よう子、BEGIN、UNICORNといった人気アーティスト、プロデューサーが参加するなど、様々なアーティストから愛され、音楽を心の底から愛する関ジャニ∞の姿を、この『GR8EST』は強く映し出している。

“完全限定豪華盤”には31曲分のミュージッククリップ集が、“201∞限定盤”には201∞(エイトイヤー)を象徴する、度肝を抜くコンセプトの映像「HELLO! GR8EST BABY!!」が収録され、話題を集めている。同じく人気DJ、DJ和の手による、60分を超える「関ジャニ∞ GR8EST non-stop mix」も好評だ。代表曲から、隠れた名曲、ライヴでの鉄板曲まで38曲をつなぎ、あらゆる人のツボをくすぐる。「ズッコケ男道」で始まり、新たな音楽性を追求する姿が色濃く出ている「今」(ニセ明・提供曲)で締めている。

ジャニーズ勢として初のデジタル戦略を採用した功績

『GR8EST』に収録されている楽曲と、改めて対峙してみると、関ジャニ∞の音楽は「キング オブ 男!」、「強く 強く 強く」、「前向きスクリーム!」、「なぐりガキBEAT」など、やんちゃで男っぽく、何事に対してもガムシャラで、全員面白くて、ポジティブ、そんなグループとしてのキャラクターをしっかり主張しているものが多いことがわかる。恋愛について、そしてメロウな曲も歌うけど、とにかく一緒に頑張ろう、生きようと、聴き手の心を鼓舞する応援歌が多い。だから男女関係なく、幅広い層のファンから愛されている。

この作品が好調の理由は、ジャニーズ勢として特筆すべき初のデジタル戦略をとっていることも大きな要因だ。まずは、このアルバム専用の「GR8EST アプリ」が配信されていることだ。このアプリをダウンロードし、購入したCDの中にあるシリアルコードを入力すれば、いつでも、どこでも音源、映像、ブックレットを、スマホやタブレットで楽しめる。スマホで、歌詞カードやクレジットを見ながら音楽を堪能できる。現在音楽配信サービスに楽曲を解禁していないジャニーズでありながら、関ジャニ∞の楽曲をアプリによって手軽に楽しめるというのが最大の魅力だ。フィジカルとして持っていたい、でもいつでも、どこでも、関ジャニ∞を楽しみたいというファンの思いを形にしたものだ。ボリューミーでGREATな内容の『GR8EST』が、まさに“持ち運べる”。

さらに、“最高の関ジャニ∞プレイリスト”と題し、ファンが考える最高のプレイリストを「3曲で」創ってみようという企画を走らせ、大きな注目を集めている。期間にリリースされた全楽曲を対象に、「3曲で最高の関ジャニ∞プレイリスト」を作成し、ユーザ同士が共有できるというもの。盛り上げソング、泣けるバラード、クールサウンドなど、無限にある組み合わせの中で、自分の好みでジャンルを設定。いかに「ええやん!」なプレイリストを創ることができるか、すでにファンの間で拡散され、まもなくスタートする全国ドームツアー、台湾公演を控え、ますます盛り上がりをみせそうだ。

『GR8EST』は、ファンにとっては7人での最後のアルバムということで、忘れらない一枚になりそうだが、これからの関ジャニ∞の音楽、進んでいく道を提示してくれている非常に前向きなベスト盤ともいえるのではないだろうか。これまで彼らを支えてきたエイター、そしてこのアルバムから新たにエイターになる人、すべての人が心から楽しめる一枚だ。

出演情報

※7人での生出演

7月6日(金) テレビ朝日系『ミュージックステーション 2時間スペシャル』
7月7日(土) 日本テレビ系『THE MUSIC DAY 伝えたい歌』
7月8日(日) テレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』

ライブ情報

関ジャニ’sエイターテインメントGR8EST

7月15日(日) 札幌ドーム
7月21日(土) ナゴヤドーム
7月22日(日) ナゴヤドーム
7月23日(月) ナゴヤドーム
8月23日(木) 京セラドーム大阪
8月24日(金) 京セラドーム大阪
8月25日(土) 京セラドーム大阪
8月26日(日) 京セラドーム大阪
9月6日(木) 東京ドーム
9月7日(金) 東京ドーム
9月8日(土) 東京ドーム
9月9日(日) 東京ドーム
9月15日(土) 福岡ヤフオク!ドーム
9月16日(日) 福岡ヤフオク!ドーム

関ジャニ’sエイターテインメントGR8EST in Taipei

9月22日(土) 台湾・台北アリーナ
9月23日(日) 台湾・台北アリーナ

オフィシャルサイト
https://www.infinity-r.jp/