Interview

良知真次&永田崇人、舞台『宝塚BOYS』で見つめ直した“青春”は宝塚“男子部”の夢のように熱かった

良知真次&永田崇人、舞台『宝塚BOYS』で見つめ直した“青春”は宝塚“男子部”の夢のように熱かった

8月4日から、東京芸術劇場 プレイハウスにて、舞台『宝塚BOYS』が上演される。初演は2007年、今回で5演目にあたる歴史ある作品だ。男子禁制の宝塚歌劇団に戦後すぐに結成された、“男子部”。そこに在籍した男性たちの9年間の青春ストーリーを描く。そんな舞台に出演する良知真次と永田崇人にインタビュー。歴史ある舞台にかける彼らの意気込み、そして自身の青春時代について語ってもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 友澤綾乃


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ハッピーエンドではないからこそ、作品のメッセージを真摯に伝えたい

『宝塚BOYS』は、2007年が初演、今作で5演目を迎えます。歴史ある作品になりますね。まず、出演が決まった感想を教えてください。

良知真次 僕は2013年の前作にも出演しました。稽古や本番が大変で当時の記憶はほとんどないのですが、あえて思い出さずに、新鮮な気持ちで演じようと思っています。100年以上続く宝塚歌劇団の歴史の中で、本当にあった話が基になった題材で、戦後すぐの宝塚の“男子部”に入った男たちの夢が儚く砕けてしまうお話ではあるのですが、ハッピーエンドではないからこそ、作品のメッセージを真摯に伝えなければいけないと思うので、責任感を持って臨みたいです。

良知真次

永田崇人 決まったときは素直に嬉しかったですし、5演目まで続く作品というのもなかなかないので、正直プレッシャーがありました。ただ、稽古が始まれば、プレッシャーを感じている余裕はなく、がむしゃらに走って気づくのは、自分に足りないものだらけ。それを空いた時間で埋める毎日を送っていて、すごく充実しています。

永田崇人

チームによって90度ぐらい違う作品になる

今作は仕掛けとしても面白く、「team SEA」「team SKY」と2つのチームに分かれて同じ演目を行うわけですが、「team SEA」の良知さん、「team SKY」の永田さん、チームでどのように演じ分けようと思っていますか。

良知 まず、同じように演じようとしてもなかなかできませんよね。今、何歳だっけ?

永田 25歳です。

良知 若い(笑)。ちょうど10歳ほど違うんですね。稽古での「team SKY」の振付を見て、みんなで「違うね」と愕然としてしまって(笑)。「team SEA」に足りないのはフレッシュさですかね。ですが、逆にどんなに近づけようとしても、同じものにはならないし、それぞれで舞台は大きく変わってくると思います。演じ分けるというよりは、答えが一緒なだけで、演出の(鈴木)裕美さんも通り道は異なる演出をされて、違った色合いに仕上げてくださると思うので、僕らは何も考えずに体当たりする気持ちでつくっていきたいです。

永田 良知さんがおっしゃったように、演じ分けていくという意識は、このカンパニーにはないと思います。というのも、人が変われば自ずと関係性も変わりますし、そもそも声や見た目が変わるので、180度ではないですが90度ぐらい違う作品になる気がします。「team SEA」、「team SKY」の合同で脚本の読み合わせをしたのですが、とても楽しかったのです。「team SEA」のみなさんは表現豊かで細かな芸も面白くて、思わず良知さんがやっていらした、台本にメモする技を盗んでしまいました(笑)。(鈴木)裕美さんからも「先輩からいろいろ盗んでいいから」とおっしゃっていただいたので、「いいな」と思ったことは本読みで試したりもして。でも、頑張っても良知さんのようにはできないし、きっとお客様にも違う見え方になると思いますよ。

脚本は、5演目とも、元・劇団ホンキートンクシアターの中島淳彦さんですね。どうして中島さんの脚本がここまで愛されると思いますか。

良知 “男子部”の男の子たちの9年間がぎゅっと濃縮して描かれて、彼らの人生が詰まっているんです。この舞台は誰もが主役ですし、宝塚用語でいえば“トップスター”。彼らそれぞれの目指した憧れの場所が丁寧に描かれていて、ひとりずつのモノローグや会話も生き生きしていますし、もし夢が叶っていたら、彼らの“ショー”が今でも続いているのではないかと思えてしまう。“男子部”の未来までも垣間見える戯曲だからですね。もちろんそこには、役者のパワーもあるからこそ、5演目まで続くわけですが、役者と脚本のパワーがリンクしやすい脚本というのも魅力だと思います。

永田 魅力はたくさんありますよね。誰もが経験したことがある悔しい気持ち、夢に向かって頑張る姿。そんなひたむきさに、お客様自身の人生に重なる部分があって、だからこそ、5演目まで繋がっていると思います。

演出の鈴木裕美による“愛”あるダメ出し

演出も、中島さんと同じく初演から鈴木裕美さんです。

良知 僕は前回の『宝塚BOYS』で初めて裕美さんとご一緒させていただいて、そこから4作品ほど演出を当てていただいたのですが……ひと言でいえば怖い(笑)。

永田 え!? 言っちゃっていいんですか(笑)。

良知 フフフ。裕美さんの前でも言う。いつもストップウォッチを持っていらして、立ち稽古のときに、6、7分の間に何かが起こらないと「この芝居はつまらない」とよくおっしゃいます。芝居の中で何か事件がないかどうかとキラキラした少女の目でご覧になられている。だから、純粋にお芝居が大好きなんだと思います。けど、そんな純粋な方かと思いきや、僕らがこの芝居に間違いはないと思っていても、裕美さんの中に違いがあると、公開処刑されますね(笑)。

永田 (笑)。

良知 自分も経験したひとりですけど、前回で言えば全員されましたから(笑)。僕は“宇宙人”と呼ばれ、「おひとりさまでお芝居をされてどこへ旅立って行かれましたか?」とダメ出しをされました(笑)。ただ、最後の最後まで僕らを見捨てない愛情深さがあります。大好きな演出家で、いつも「次もご一緒させてください」とお伝えすると、「はい」としかおっしゃらない。僕は、どう思われてるんだろう?(笑)

永田 僕は初めての経験でした。僕自身、いろいろな服を着たいタイプなので、スタイルに目がいくのかもしれないですが、こだわりが強い方だというのがファッションから感じとれます。読み合わせのときに、いつも白のTシャツに、デニムのオーバーオール、首にストールを巻いていらっしゃって、それが素敵でした。お芝居も、ブレることなく引っ張ってくださるので、信頼できます。演出されるときは、例えを用いて丁寧に説明してくださって、その人にとってわかりにくかったら、もう一度さらに分解して、理解ができるまで時間を当ててくださる。僕も初日の本読みのときに怒られたので、“怖い”というイメージはありますが、お芝居を真摯に見てくださるから、その心意気に答えたくて頑張ってついて行っています。

良知 そう思わせてくれるのは、頭の回転が早くて、脚本の1行の意図を何通りも考えることができる人だからですね。

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