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失禁はストレスの元!『ザンキゼロ』衝撃のゲームシステムと死を利用したサバイバル生活とは?

失禁はストレスの元!『ザンキゼロ』衝撃のゲームシステムと死を利用したサバイバル生活とは?

“ノンストップ残機サバイバルRPG”というものものしいジャンルで登場した『ザンキゼロ』。発売まえには、「なんと“便意”のパラメータが存在するらしい」、「主人公たちが急速に歳をとり、老人の姿になる!?」など、ゲーム内容についての情報が解禁されるたびにあちこちで話題になり、筆者もどんなゲームなのか気になっていました。“超高校級”の生徒たちが繰り広げる“コロシアイ”と“学級裁判”を描いた推理アドベンチャーゲーム、『ダンガンロンパ』シリーズを手掛けた寺澤善徳氏と菅原隆行氏が送りだす新規タイトルとあれば、ひと癖もふた癖もある内容に違いありません。今回は前後編にわたり、この個性的なゲームの真実と魅力に迫っていきます。今回はストーリー、基本的なゲームシステム、キャラクターなどについて紹介します。

文 / 内藤ハサミ


ストーリーは衝撃の連続! 

都会のビル群を見下ろしながら悲しげな顔をしているのは、大手出版社勤務の生真面目な編集者・日暮ハルト。彼は人生を悲観し、ビルの屋上のへりに立ち尽くす……そんなシーンから物語は始まります。

▲冒頭からかなりショッキングです

……ところが、ついに身を投げた次の瞬間、太陽が照りつける島の浜辺で目を覚ましたハルト。比良坂サチカという少女が、倒れているハルトを見つけて起こしたのです。あたりを見渡すと、先ほどまでいた都会の風景ではなく、一面が廃墟となっている小さい島。これはいったいどういうこと? あとから合流することになる他の主人公、三花締リョウ、玖保田ゼン、一葉マモル、芒野リンコ、真白ユマ、瀬戸内ミナモの6人も、“ガレキ島”と呼ばれるこの無人島で次々に目を覚まし、数日まえから身を寄せ合って生活をしていたと言います。日暮ハルトは8人のなかで、最後に目を覚ました主人公でした。

▲主人公たちが勢ぞろい。彼らはハルトの名前を知っていました。そして、仲間はこの8人だということを伝えてきます……

彼らの集合場所であるガレージに置かれている、電源がどこにも繋がっていないテレビからは“エクステンドTV”という番組が、何の前触れもなくたびたび放送されます。孤島に着いた経緯も自分で把握していないうえ所持品もなく、他に状況を知るあてがない8人は、このコミカルながらどこか不安を感じさせる番組で発表された“お題”をこなしながら、サバイバル生活を送ることに。他の7人は、ハルトやほかの仲間についての情報もこの番組から得ていたようです。この突飛な状況について話し合った主人公たちは、「過激なテレビ番組の企画によってここに連れ去られたのでは?」と、なんとか現実的な線で推理しますが、これまた信じられないような事実が明らかになります。なんと、8人は“クローン人間”だというのです。何の前触れもなく「あなたはクローン人間だよ」と言われ、納得できる人はまずいないでしょう。最後に目を覚ましたハルトは特に信じられない様子でしたが、いつの間にかヘソの部分に装着されていた、クローン人間の魂の入れ物である“ペケ字キー”を認識し、のちに、急速に老化していく自分たちの姿を実際に見て、運命を受け入れるしかなくなります。

▲気の抜けるような名前ではありますが、完全に体と一体化しているペケ字キーは、かなり不気味な代物です

島の探索を続け、事の真相を探るうち、8人にはそれぞれ“罪を犯した過去がある”という共通点を持っていることが匂わされ、クローン人間である寿命……それはたったの13日であることもわかりました。さらに、世界は滅んでしまっていて、もう8人以外に生きている人間はいないということも伝えられます。でもそれが本当なら、13日後にはここにいるクローン人間の8人も死亡し、本当に人類は全滅してしまう。しかし、魂の入れ物であるヘソのペケ字キーさえ残っていれば、“エクステンドマシン”を使い新しい体を得て蘇ることができる……エクステンドTVの進行役であるミライとショウはそのように告げます。

▲ガレキ島の中心にあるガレージには、かなり不釣り合いに見えるゲーム筐体があります。これがエクステンドマシン。こんなもので死んだ人間が本当に蘇るのでしょうか?

いったい誰が、何の目的でこんなことを? 8人もの人間を拉致し、こっそり廃墟の無人島に連れてくるだけでも相当な手間とコストがかかりますし、テレビ番組の企画で行われたことだったとしたら、倫理的にかなり問題があるでしょう。それに、冒頭でハルトはビルから落ちていたはず。そこを考えると、なおさらテレビ番組説に繋げるのは不自然な感じがします。ですが、番組企画でないとすればコストをかけてこんなことをする意図がまるでわかりません。どう推理しても断定する決め手に欠け、わけがわからなさ過ぎて混乱してきます。本当に世界は滅んだのでしょうか? 今までは顔も知らない他人同士だった8人が残ったことに、何か意味はあるのでしょうか? 状況は謎だらけなうえ、誰を信用したらいいかもわからない状態で、久しぶりに頭と心を掻きまわされるプレイ感覚に痺れました。ともかく、クローン人間8人のサバイバル生活が始まりました。

サバイバルの基礎 

皆さん、ここまでの情報の多さは大丈夫ですか? 気を確かに持っていますか? 筆者がもし彼らと同じ目に遭ったらと考えると、頭がショートして倒れてしまいそうですが、受け入れたくない現実に直面しながらも彼らはお腹が空くし、この不便な廃墟で生きていくためには、頭と体を使わなければなりません。まずは8人で力を合わせ、エクステンドTVからのお題をこなしながら暮らしていくしか道はないのです。

▲番組司会者のミライとショウ。彼らが言っていることが嘘か本当かはわからないけれど、ひとまず言うことを聞くしか……

ハルトが他の7人と合流してからすぐ、エクステンドTVから“トイレを作る”お題を出されました。実行しましょう。島中を歩き回り、使えそうなものを探します。ここで基本的な操作や探索の流れを掴めます。まずは、移動とアイテムの持ち運び方法から。本作は、マップを埋めながら探索を進めるタイプのRPG。移動した場所は、どんどんマップに書き込まれていきます。コンプリートしたマップを見るのは充実感がありますね~。最近はあまり見ないタイプの移動方法かと思います。

▲ハルトの視点でストーリーが進行。別の章では、ストーリーでフィーチャーされる他の主人公の視点で進みます。移動は方向キーで行い、“R1ボタン”と“L1ボタン”で平行移動ができます

▲道に落ちているアイテムを拾うときは、ポインタをアナログスティックで合わせるか、“○ボタン”を押して掴んだのち、次の動作を選びます

▲8人全員にそれぞれの体力に応じた値の所持重量設定があり、重いアイテムを持ちすぎて重量オーバーすると移動ができなくなります。重量制限の影響を受けるのは戦闘パーティに加えている最大4名のメンバーのみ。同行している非戦闘メンバーは輸送に専念するため、所持重量に影響されずアイテムを持ち運ぶことができます

ガレキ島周辺では、ほとんど生物を見ることはありませんが、フィールドやダンジョンには、ヤギやブタなどの動物、“クリーチャ”と呼ばれる化け物が徘徊しており、ときには襲われることがあります。戦闘は画面が切り替わることなく、そのまま移行します。ターン制ではなくリアルタイムで時間が流れるしくみ。敵と対峙しているのに何もしていないと、どんどんダメージを受けることになります。無駄なく動いてスマートな戦闘を心がければ生存率が上がるので、敵に攻撃を与えたら、移動して攻撃を回避しましょう。ヒットアンドアウェイは有効な戦術です。戦闘パーティには前列2名、後列2名の計4名を設定できます。8人の主人公には固有の職業などの設定はなく、育てかたにある程度の自由度はあるものの、キャラクターによって得意な武器が違ったり、持っているスキルが違ったりするので、基本的には適性に合わせた配置をするのがベター。戦況によっては理想どおりにはいかない難度ですが、状況からどう攻略していくか、とやりくりする面白さがあります。中盤からは“クリオネ”というものを体に移植することで特殊能力を使えるようになるのですが、こちらは次回説明します。

▲“□ボタン”で攻撃、長押しでチャージ攻撃。チャージ攻撃では敵の部位破壊もでき、複数人で発動すると連携もできるので、状況に応じて活用しましょう

敵を倒して既定の経験値を貯めるとレベルアップし、さまざまなスキルを修得できる“SP(スキルポイント)”が得られます。戦闘・探索・製作の3つに分類されるスキルは、修得することで劇的にサバイバル生活が快適になるものです。例えば、特定の武器の攻撃力が上がったり、拠点の改造ができるようになったり、釣りや狩猟が可能になったりなど。キャラクターによって修得できるスキルには微妙に違いがあります。修得の傾向を決めるとSPを効率的に使うことができ、運用が楽になるはずです。

▲パーティでの役割を決めて育てるといいですね。スキル取得のやり直しは、エクステンドする際に“スキルポインふりなおし”の項目から可能です

なぜ、エクステンドTVのお題でトイレを作ったかというと、記事の冒頭でもチラリと書きましたが、主人公たちには“便意”のパラメータが存在していて、お手洗いにずっと行かないといずれ漏らしてしまい、各種のデメリットを招きます。また、彼らには“スタミナ”と“ストレス”のパラメータも設定されており、何か食べないとスタミナが無くなるが食べればそれだけ便意が溜まる、汚いトイレでの排泄や失禁ではストレスが溜まるなど、これらは密接に関係しています。適切なタイミングで綺麗なトイレに行く、好きな食べ物を食べるなどして、主人公たちの状態を常に管理していくことが重要です。漏らしてしまうと、ストレスのメーターがグンと上がりやすくなり、敵に攻撃をしたあと、再度攻撃ができるまでのクールタイムが伸びたりと、いいことはありません。実は、アイテムとしてフィールド上に落ちている空のペットボトルを使うことでも便意を解消できるのですが、どうやって使うかを想像すると……うう、できるだけ使いたくないですね。便意、ストレス、スタミナのことを常に頭に入れながらのダンジョン探索。このような3要素が影響するゲームというと、あまり例がないのではないでしょうか。ダンジョンでお手洗いを見つけ、「念のためトイレに行っておこう」なんて考えるゲームに、筆者は今まで出会ったことがありません。ダンジョン攻略のやりくりだけでなく、妙にリアルな感覚になるのが面白いです。

▲最初に作れる仮設トイレは、便意は解消されるものの不潔なのでストレスが溜まります。トイレを改築できるようになるまでは、ストレス管理に注意が必要です。ダンジョン内の清潔なトイレを利用するのがいいかもしれません

食事は、ヤギやブタなどの生物を倒して生肉を得たり、木の実などを採集して調達します。そのままで食べられるものもありますが、調理スキルがあれば拠点やダンジョン内の調理室を使って料理が作れます。もっと腹持ちが良くスタミナの回復量も増え、キャラの好物であれば特別な効果を得られる料理は習得し、ぜひ有効活用したいところです。キャラクターにはそれぞれ好き・嫌いな食材が設定されていて、好きなものを食べるとストレスが減り、嫌いなものを食べればストレスが増えます。ここで最も気をつけるべきなのは、個別に設定されている“アレルギー食材”です。これを食べてしまうと、キャラクターはなんと即死してしまいます。特にエクステンドマシンが近くにない探索時には、新しい食材を試すのはやめたほうが無難でしょう。

▲ヤギ肉も、そのままで食べるより焼いたほうが断然得ですが、ロクな設備もない探索中はそうもいっていられず、生肉をムシャムシャ食べざるを得ないこともままあります。生のヤギ肉……筆者はできれば食べたくありません……

ひとまず、最低限ガレキ島で暮らしていけるだけの知識を紹介しましたが、まだまだ生活の為にやらなければいけないこと、生き抜くための知恵はたくさんあります。拠点を便利に改造する“ベース拡張”や“スキルの習得”などについては、次回の記事で触れていきましょう。

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