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バカリズムによる新感覚舞台開幕。佐奈宏紀、高橋健介ら「ひらがな男子」が“笑い”で熱い夏をさらに盛り上げる!?

バカリズムによる新感覚舞台開幕。佐奈宏紀、高橋健介ら「ひらがな男子」が“笑い”で熱い夏をさらに盛り上げる!?

明るく前向きな「あ」、うさんくさい占い師の「う」……そんな“ひらがな”を擬人化したキャラクターの「ひらがな男子」たちが、仲間を探して旅に出る! バカリズムが脚本を手がけた舞台「ひらがな男子」が、7月20日(金)東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。
「あ」役の佐奈宏紀、「う」役の高橋健介、「ち」役の武子直輝、「の」役の後藤 大、そして演出の川尻恵太(SUGARBOY)が登場した初日会見と、ゲネプロの模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

個性豊かな“ひらがな”たちがシュールな世界観の中で暴れ回る

日本テレビのバラエティ番組「アイキャラ」から誕生した「ひらがな男子」。バカリズム、小出祐介(Base Ball Bear)、夢眠ねむ(でんぱ組.inc)の3名が、視聴者の意見を取り入れながらつくり出した“ひらがな”の擬人化キャラクターだ。ゲームや劇場版アニメなど、メディアミックス展開も人気を博している。

今回の舞台化は、バカリズムが初めて“2.5次元作品”の脚本を手がけた。演出・作詞は川尻恵太(SUGARBOY)が担当。擬人化した個性豊かな“ひらがな”たちがシュールな世界観の中で暴れ回る、軽快なコメディ舞台が誕生した。

初日会見に登場したのは、「あ」役の佐奈宏紀、「う」役の高橋健介、「ち」役の武子直輝、「の」役の後藤 大、そして演出の川尻恵太の5名。

「あ」役の佐奈宏紀は「本当に稽古を頑張ってきました!」と開口一番に宣言。「脚本のバカリズムさんと演出の川尻さんという最強のタッグ、そしてキャストたちでつくってきた僕たちなりの笑いを信じて、本番も頑張っていきたいと思います」とコメントした。
また、佐奈は稽古の中で「“笑い”というのは、コレを言えばウケる!というような必殺技があるものだと思っていたのですが、何も言わなくても“笑い”って生まれるのだということを今回で学びました」と語り、カンパニー一同で“間合い”と“メリハリ”を重視するようにしていたことも打ち明けた。

「う」役の高橋健介は「お客さんが入ってようやく完成する作品だと思いますので、みなさん大いに笑っていただければと思います!」と、観客のリアクションに期待。

「ち」役の武子直輝は「本作はハートフルで、たくさんの方が楽しめる作品。老若男女、小さなお子様から大人まで、みなさんが楽しんで盛り上がれる舞台となっております!」とアピールした。

「の」役の後藤 大は「たくさん稽古をしてきたのですが、とにかく変わった内容でした。バカリズムさんの脚本で、川尻さんの面白い演出や独特な間が詰まったものになっていると思います。僕たちも“伸びやか”に楽しんで演じたいと思います」と笑顔でコメントした。

演出と作詞、2部のライブショーを手がける川尻恵太は、「脚本のバカリズムさんは、今までの2.5次元舞台の中では一番遠いところから来てくださった方。ある意味、“演劇”というものをひとつすっ飛ばして 2.5 次元舞台の脚本を書かれているので、“演劇”を知っている僕らからするとセオリーにないことが台本にたくさんありました」と明かし、「それをみんなで発掘しながらつくっていきました。つくる側も初めての感覚だったと思いますし、お客様にとっても初めてになるのではないかと思います」と、脚本への向き合い方とその魅力を語った。そして「2.5 次元舞台のコメディは、基本的にオンテンポのものが多いのですが、今回はジワジワとボディーブローのように効かせていく笑いが散りばめられている。もともと2.5 次元舞台が好きな方も、2.5次元舞台を初めて観てみようという方も、全員が笑いやすく、また観たいなと思える作品になったと思います」と自信をのぞかせた。

質疑応答では様々な質問が投げかけられ、「の」役の後藤が「露出が多い衣裳の人が多いので、毛の処理が大変(笑)。肌荒れを起こしています」と苦笑してみたり、みんながメロメロになっている「ぃ」と「ぁ」を演じる子役の春日レイと春日結心に対して、高橋はしっかりとプロ意識を持って接していたことで「僕は叱る役目が多かったから、あんまり寄りつかれなくなっちゃった(苦笑)」と悩んでしまったエピソードや、子役たちがいることで稽古時の打ち上げがファミリーレストランになり、ドリンクバーで乾杯したことなどが和気あいあいとした様子で語られた。

この後は、ゲネプロの模様をレポートする。


物語は原因不明の大爆発により“文字”が失われてしまった世界。 人々は情報を伝達する手段を失い、混乱に陥っていた。そんななか、各地に散らばったひらがなが人の姿となった“ひらがな男子”たちが、世の中に“文字”を取り戻すべく仲間を集めて奮闘する──!

冒頭から観客の心を掴むのが、子役の春日レイと春日結心が演じる、小さい「ぁ」と「ぃ」。物語の世界観を交互に説明する愛くるしい姿に心がなごむ。

続いて登場するのが高橋健介演じる「う」。「う」だけに、占いの館的なところで占い師をしている、ちょっとうさんくさいキャラクターだ。そこに佐奈宏紀が演じる「あ」が仲間探しにやってくる。時を同じくして、武子直輝が演じる「ち」も占いの館的なところを訪れ、さっそく3人の“ひらがな男子”が集まる。

しかしニセモノ疑惑が生じてしまい、すぐに結託することができない3人。本物であることを証明するため、「ち」は、とある装置を呼び込む……。

序盤から独特のギャグが満載。高橋の堂々たるボケっぷりに始まり、佐奈の鋭いツッコミと素早い切り返し、武子の絶妙な間合いによって、観客はグイグイと物語に惹きつけられていく。

擬人化したひらがなである“ひらがな男子”たちは、世界に“文字”を取り戻す使命を帯びているが、まったく殺伐としていない、なんとも“ゆるい”ムード。壮大なファンタジーともいえる世界観だが、気になるところも気にならなくなるような、絶妙なシュール感が全体に漂っている。

一度聞いたら忘れられなくなるようなキャッチーな曲に乗って、のんびりと彼らの旅は進んでいく。“仲間探し”から始まり、困難が立ちはだかり、それらを乗り越えて最終局面へ対峙する王道ストーリーだが、注目ポイントは登場するキャラクターたちの濃さとバリエーションの豊かさ。

始まりの3人に続き、探検家の「た」(演:稲垣成弥)、妖狐の「よ」(演:星乃勇太)、農民の「の」(演:後藤 大)、不幸体質の「ふ」(演:中村太郎)……個性の塊のような“ひらがな男子”たちが続々と登場する。

各キャラクターが自己紹介するたび、舞台後ろのスクリーンにプロフィール文が表示され、インパクトを残す。盛大にツッコミを入れたくなるようなプロフィールもしれっと入ってくるので、一瞬たりとも見逃せない。

そして、なんやかんやと仲間を集めていく“ひらがな男子”たちだが、「え」(演:坂垣怜次)、「し」(演:和泉宗兵)、「ぬ」(演:宇野結也)、「ひ」(演:定本楓馬)が登場すると、物々しいオーラが一気に会場を包む。そして話は急展開。「あ」たちに最大の試練が待ち受ける……!

この先は劇場でのお楽しみ。ハイペースな展開だが、決して置いていかれることなく最後まで“ひらがな男子”を見守っていけるだろう。

2.5次元のみならず、演劇における不文律や“あるある”に容赦なく切り込み、それを笑いに昇華させる方法は、バカリズムのコントを彷彿とさせる。急激な客観視による“笑い”を若手俳優たちがイキイキと巻き起こしているところも、この作品ならではの見どころだ。

さらに1部の芝居に続き、2部は芝居仕立てのライブショー。

「こ」役のゆうたろうと「し」役の和泉宗兵によるデュエット、「よ」役の星乃、「に」役の二葉 要、「ね」役の長江崚行、そして「ば」役の福島海太によるアップテンポのダンスをはじめ、それぞれのパフォーマンス力が存分に発揮される。

2部ではペンライトも振ってOK。この猛暑をショーの盛り上がりで乗り越えたい。

上演は7月29日(日)まで、AiiA 2.5 Theater Tokyoにて。期間中は、お見送りや前説、抽選会などの“おたのしみきかく”も実施中だ。

舞台『ひらがな男子』

2018年7月20日(金)~7月29日(日)AiiA 2.5 Theater Tokyo

【第1部】
[脚本]バカリズム
[演出・作詞]川尻恵太(SUGARBOY)

【第2部】
[脚本・演出・作詞]川尻恵太(SUGARBOY)

[出演]
あ:佐奈宏紀
う:高橋健介
え:坂垣怜次
こ:ゆうたろう
し:和泉宗兵
た:稲垣成弥
ち:武子直輝
に:二葉 要
ぬ:宇野結也
ね:長江崚行
の:後藤 大
ひ:定本楓馬
ふ:中村太郎
よ:星乃勇太
ぁ:春日レイ
ぃ:春日結心
ば:福島海太

©舞台「ひらがな男子」製作委員会

オフィシャルサイト
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