Interview

鈴木勝吾&小野健斗が冒された“役者”であり続けたい“病”とは。『LADY OUT LAW!』で、大切な友達の池田純矢のこと、“役者”についてを大いに語る

鈴木勝吾&小野健斗が冒された“役者”であり続けたい“病”とは。『LADY OUT LAW!』で、大切な友達の池田純矢のこと、“役者”についてを大いに語る

9月14日(金)から品川プリンスホテル クラブeXにて、俳優であり、近年は作・演出も手がける池田純矢の脚本による完全オリジナル舞台『LADY OUT LAW!』が上演される。とある宇宙ステーションを舞台にした壮大なスペースドラマにおいてボロ 役の鈴木勝吾と修道長 役の小野健斗にインタビュー。この作品にかける意気込み、長年の付き合いのある池田純矢のこと、役者の魅力についてまで存分に語ってもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


ひたすらヒロインの矢島舞美がかっこいい舞台

舞台『LADY OUT LAW!』は、2015年から“エン*ゲキ”を立ち上げ、自ら作・演出をこなす俳優の池田純矢さんの新作で、岡村俊一さんが演出を手がけ、最新映像技術を駆使し、ステージを宇宙船に見立て、ハードなアクションを繰り広げる舞台だそうですが、今作の内容を聞かせてください。

鈴木勝吾 ひたすらヒロインの矢島舞美ちゃんがかっこいい! しかも“アウトロー”というくらいなので、女性が思わず彼女に憧れてしまう作品だと思います。その脇を固めるのは悪役の男たちばかり(笑)。ですから、作品はわかりやすくて、しかも(池田)純矢らしい、びっくりする仕掛けがある作品に仕上がっています。

鈴木勝吾

小野健斗 きっと、観劇し終わったあと、胸に爽快感が残りますよ。

小野健斗

鈴木さんは“ボロ”、小野さんは“修道長”を演じます。

鈴木 ボロは、戦争や貧困や差別さえない、何もかも揃っている夢の宇宙船“ステーション・ユートピア”とは違った別の宇宙船のスラム出身で、その日を食いつないで生きている。そのせいか、反骨精神があります。あるきっかけで“ステーション・ユートピア”に乗り込むことになるのですが、彼の目的は餌のため、いわばいかにその日を生き延びられるか。ボロという役名のとおり“ボロボロ”ですが、生きることにのみ執着した、目の輝きを失わない熱い役どころです。

小野 僕は神尾 佑くんが演じる大司教の側近ですが、二丁拳銃を操り、舞台で1、2の殺陣をこなす、クールで冷徹な役です。

今作が面白いのは、キャストのすべてが2役というところですね。鈴木さんは、ボロ以外にも、“スラムの子供”、小野さんは、“医者”を演じられます。2役を演じるうえで心がけていることはありますか。

鈴木 舞台『ジョーカー・ゲームⅡ』(2017年)に出演したときにスパイ役だったんですが、敵地に潜入するときは扮装して、それぞれ佇まいが違う見え方になるよう、演じ分けたんです。それは貴重な経験だったのですが、完全な2役となると演じ方が180度変わってくるので楽しみが増えますね。ひとつの舞台で、もちろん、ひとりの個性を深めていくのも大切なことですが、単純に上演期間に使う体のエネルギー量は2倍になりますから、2役を演じるのは、役者としてやりがいがあります。なおかつ、お客様も楽しめますよね。

小野 そうだよね。勝吾が言ったとおりで、お客様が楽しめるポイントが2つに増えるから、役どころの差をきちんと出したいです。

舞台は“品川プリンスホテル クラブeX”という円形劇場です。円形劇場で演じるうえで気をつけていることはありますか。

鈴木 円形劇場は初めてです。360度様々な角度から、お客様にいろいろな表情や体の動きを見られることになるので、全方位に神経を張りつつ、空間的には、演出の岡村さんがきっと面白くしてくださると思いますので、役者はその面白さを理解したうえで、円形ならではの演技ができたらいいですね。

小野 僕は2回ほど経験があります。今回の劇場だけでなく、今は閉館してしまった青山円形劇場にも上がったことがあります。クラブeXは2階席まであるので、お客様は役者の動きをかなりの広範囲で観ることができます。それだけではなく、役者と客席の距離も近いので、動きだけではなく目の使い方まで重要になってくるんです。円形劇場でびっくりしたことは、青山円形劇場のミュージカル『でも未来には君がいる』(2013年)に出演したときに、スタッフやキャストの方に「迷子になるよ」と注意されていたのに、本当に迷子になったこと(笑)。舞台裏に導線があるんですけど、どこを歩いているのかわからなくなるので気をつけたいですね。

鈴木 そうなんだ! 野球観戦で東京ドームに行ったら、どこのゲートに自分の席があるのかわからなくなって迷子になる気持ちだ(笑)。

小野 あっ、そうそう。気をつけないと、出ハケでどの出入り口に行けばいいのか混乱するの(笑)。

作家・池田純矢&演出・岡村俊一の魅力とは?

(笑)。今回は脚本のみですが、俳優・池田純矢さんの印象を。

鈴木 友達なんです。けど、しかもここでは書けないことばかりなので(笑)。

(たまたま通りかかった)池田 おい!(苦笑)

鈴木 あはは(笑)。付き合いが長いからわかるのですが、純矢は行動力の“塊”ですね。彼の立ち上げた“エン*ゲキ”シリーズは、『スターピープルズ!!︎』(2017年)、『ザ・池田屋!』(2018年)と出演していて、ヤツの熱い“魂”が本当にわかります。オリジナル作品が少ない時代に、朗読劇からストレートプレイまで、自ら企画を立ち上げ、「みんな、やろうぜ」と自らキャスティングし、作・演もこなし、宣伝して集客をしてお金も集める。そんなこと、僕らにはなかなか……。

小野 できないよね。ほんとにすごいと思う。

鈴木 そんな彼に力を貸せるので嬉しいですね。

小野 僕が純矢と初めて共演したのは、ミュージカル『薄桜鬼』(2012年)で、僕も長い付き合いですが、一緒に出演してみると、彼の役者としての爆発力に驚かされます。勝吾が言った“行動力”に似ていますが、僕らにはできないことをしていて尊敬します。

演出の岡村俊一さんの印象を聞かせてください。

鈴木 演出をして頂くのは初めてで、緊張しています。テレビや映画に出演される様々なスタイルを持つ役者さんが出ていらっしゃった舞台『あずみ 戦国編』(2016年)を拝見したときに、自分も岡村さんに舞台役者として自分がこの演出家さん(岡村さん)に提供できるものは何だろうかと考えていたのを覚えています。そして今回初めてご一緒するわけで、稽古場で色々なものをやることができたら、と思っています。

小野 僕も初めてですが、仲良くさせてもらっている俳優の馬場 徹さんが、つかこうへいさんの作品で演出が岡村さんの『広島に原爆を落とす日』(2013年)に出演しているときに、岡村さんのお話も聞いたし、台本も拝見させていただきました。ものすごい熱量のこもった台本で、「こんなすごい舞台をよく演出されたな」と岡村さんの演出力に圧倒されました。

今作で共演される方でこれまでにご一緒されている方はいますか。

鈴木 味方(良介)です。あいつはホントにお酒が大好き(笑)。『薄桜鬼』で一緒になって、殺陣や歌や踊りもある大変な舞台でしたが、稽古だろうが本番だろうが終われば役者を集めてお酒を飲み、あるときの座では「俺は例え酒を飲んでも絶対声を枯らさねぇ」と名言を残して(笑)。年下ですが、勝吾と気軽に声をかけてくるし、その気概が大好きな役者です。でも本音を言えば、最初は「すげえヤツがきたな」と思っていて(笑)。その舞台が終わったお酒の席で、味方に正直に「稽古の最初の1週間は嫌いだったぞ」と伝えたら、「俺も嫌いだったぞ」と言い返されてお互い笑ってしまって(笑)。腹を割って話せるし、役者として仲良くなって、今回は久しぶりの共演なので、また一緒にお酒を飲んで、舞台で切磋琢磨したくてウズウズしています。

小野 僕も味方とは『薄桜鬼』で一緒でした。純矢と似ているイメージがありますね。陽気で、芝居に対する姿勢が尊敬できる。

鈴木 2人とも舞台が大好きだから。

小野 そう。お酒も飲みますが、根本が真面目だし。本番中にもかかわらず、舞台袖にはけたときに台本を改めて確認しているような男ですよ、味方は!(笑)その芝居に対する真摯さを見ているから好きです。

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