Interview

廣瀬友祐&三浦涼介が原作に真摯に向き合う。浪漫活劇『るろうに剣心』で見せる“役者”の覚悟とは?

廣瀬友祐&三浦涼介が原作に真摯に向き合う。浪漫活劇『るろうに剣心』で見せる“役者”の覚悟とは?

原作『るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―』は、1994年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始後、シリーズ累計発行部数6,000万部を超える大ヒットを記録。1996年にアニメ、2012年には実写映画、2016年には宝塚歌劇団が初めて舞台化し、大成功を収めた。そして2018年10月・11月に、新橋演舞場と大阪松竹座において再び今作が甦る。斎藤 一 役の廣瀬友祐と四乃森蒼紫 役の三浦涼介に舞台にかける意気込み、以前共演した舞台の裏話まで、語り尽くしてもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり


役者が出演したいと思わせる原作の魅力

和月伸宏先生の『るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―』は、1994年に連載が開始され、現在でも続いている人気作で、2016年には宝塚歌劇団が初めてミュージカルにして好評を博しました。まずは原作の印象を伺わせてください。

廣瀬友祐 “超”が付くほどの人気漫画ですが、それは登場人物が魅力的で思わず感情移入できるからですね。それぞれのキャラクターに面白味があって、苦しみながらも困難の壁を乗り越えて、明治という時代を走っていく姿がカッコよく表現されていますし、現代でも共感できる部分が多いので、今でも愛されている名作だと思います。

三浦涼介

三浦涼介 僕は2014年の映画『るろうに剣心 京都大火編』の沢下条張 役で出演したのですが、演じていて楽しかったです。それから“ヒロくん”(廣瀬友祐の愛称)が言ったように、キャラクターの絵がカッコよくて、しかもこれを舞台化するなら、映画同様、魅力の詰まった作品だと思います。

廣瀬友祐

廣瀬さんは“斎藤 一”を、三浦さんは“四乃森蒼紫”を演じます。

廣瀬 斎藤 一は、新撰組三番隊隊長でしたが、事情があって新撰組を抜け、一匹狼となっています。無骨で冷徹な性格かと思いきや、己の信念を貫き通す姿がカッコいい剣客です。なので、僕自身もですけど、ファンのみなさんも感じている、斎藤 一ならではの“カッコよさ”を表現したいと思っています。

三浦 四乃森蒼紫は、早霧せいなさんが演じる主人公・緋村剣心の巨大なライバルですが、とてもクールで飄々としている一方で、“情”があって優しい。原作ファンの方にも納得していただけるように、蒼紫らしさをわかりやすく演じたいです。稽古場や本番も、ずっと彼の人物像を追い続けたいと思っています。

今までにない“るろうに剣心”の誕生

役づくりで心がけていることはありますか。

廣瀬 これから稽古が始まり、どんどん役を詰めていくのですが、これだけの人気作の世界観を、小池修一郎先生がどう再現されるのか。きっと今までにない“るろうに剣心”が誕生します。もちろん、原作を意識しながらも、廣瀬友祐にしかできない“斎藤 一”になると思うので期待してください。セリフ、シーンによって役のつくり方も変わってくると思うので、稽古に入って、初日までに“僕なりの斎藤 一”を見つけたいです。

三浦 今日、初めて衣裳を着て、一段ずつですが役に近づいています。僕なりに考え、僕ができるすべてをこの役に注ぎ込みたいと思っています。最終的に僕が四乃森蒼紫に似合っているとお客様に思っていただければ嬉しいです。

おふたりが出演されたミュージカル『1789─バスティーユの恋人たち─』(『1789』)でご一緒した、演出の小池修一郎さんの印象を聞かせてください。

廣瀬 小池先生が演出を手がけ、今でも愛される作品が多いのは、しっかりした美学に裏打ちされた“愛”があるからだと思います。何作かご一緒させていただいていますが、「悪目立ちすることなく、みんなの目がいく役者になれ」とおっしゃっていただいて、納得した記憶があります。ありがたい言葉のひとつで、人をよく見ていらっしゃるし、人がお好きで、いろんな角度から、それこそお客様の目線さえ意識し、普通の人では考えられないものの考え方をされます。稽古場でも「その演技だと、こう思われる可能性が高い」「そう演じても、こんなふうに見えてしまうお客様もいる」「今の表現だとこういう捉え方もされてしまう」と小池先生に指摘されることもありますから。今作も先生が求める“愛”を感じさせる舞台にどこまでできるのか挑戦していきたいと思います。

三浦 厳しい方という印象です。僕は考え込んでしまうタイプで、先生がおっしゃってくださった言葉ひとつひとつを、ひとりで抱え込んで悩んでしまって。1ヵ月稽古をしたのに、稽古をしていないような焦りを抱いて本番初日を迎えたほどでした。だから、今度こそ食らいついていきたいですね。僕は先生から「手を差し伸べてもらえる役者になりなさい」と言っていただきました。水を飲みたいから自分から買いに歩くのではなく、「“水を飲みたいですか”と声をかけてもらえる役者になりなさい」という言葉は今でも心に残っています。

音楽は、『1789』でも音楽監督を務められた、宝塚歌劇団の太田 健さんで、凄腕同士のタッグがまた実現します。

廣瀬 これだけ愛されている作品をミュージカルにされるのは大変だと思います。これがストレートプレイであれば、キャラクターをそのまま想像できる方は多いと思いますが、斎藤 一が歌い、無口な四乃森蒼紫が歌う印象は、みなさんあまりお持ちでないかもしれませんよね。ですが、太田先生はュージカルに馴染みのないものとのすり合わせ方がお上手で、僕自身もいつも先生に身を任せているほど、ひとりの表現者として尊敬しています。いろんな場数をくぐり抜けた方なので、世界観、キャストをトータルで意識されて、ミュージカルとしての“るろうに剣心”の音楽を劇場に奏でてくださると思います。

三浦 『1789』でも細かくアドバイスをくださった尊敬できる方です。歌を身体に入れたら「はい、終わり」ではなくて、本番に入っても終演後に「こうしたほうがいいよ」と明日のためにアドバイスをいただける。嬉しいのですが、おふたりとも僕にはちょっと厳しいかも(笑)。

廣瀬 そんなことないよ。“りょん”(三浦涼介の愛称)は、自分に厳しいからじゃん(笑)。

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