全話レビュー!『幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX』リリース記念特集  vol. 1

Review

「ダテにあの世は見てねーぜ!」TVアニメ『幽☆遊☆白書』全話レビュー:霊界探偵編(第1話~第26話)

「ダテにあの世は見てねーぜ!」TVアニメ『幽☆遊☆白書』全話レビュー:霊界探偵編(第1話~第26話)

放送開始から25周年の記念イヤーを迎えた、アニメ『幽☆遊☆白書』。そのTVシリーズ全話と映像特典の数々を収録した『25th Anniversary Blu-ray BOX』が2018年7月より4か月連続でリリースされる。これを祝して、本作を今あらためて観なおして全エピソードをレビューするという(ちょっと無茶?な)連載企画がスタート! TVアニメ放送リアルタイム世代のライター陣が、小~中学生だった当時にはわからなかった演出、声の演技などにも注目しながら各話を紹介する。Blu-rayで何度も見返すファンの皆さんはもちろん、初見の方にも『幽白』を知るための手がかりとして楽しんでもらえたら幸いだ。

構成・文 / 柳 雄大(1983年生まれ)


バトルにつぐバトル、仲間たちとの出会いをテンポよく描いた「霊界探偵編」

冨樫義博(集英社「ジャンプコミックス」刊)による原作をTVアニメ化し、大ブームを巻き起こした『幽☆遊☆白書』(ゆうゆうはくしょ)。本作では、一度は命を落とすも“霊界探偵”としての使命を受けてよみがえった少年・浦飯幽助を中心に、人間界・霊界・魔界を股にかけた数多の闘いが描かれた。全112話にも及ぶエピソードには人間、妖怪ともにひと癖もふた癖もある魅力的なキャラが次々登場し、キャストたちの演技も相まって絶大な人気を獲得することになる。その放送が始まったのは1992年10月のこと。

TVシリーズ最初の2クール、第1話~第26話のパートは「霊界探偵編」と呼ばれ、第27話以降の「暗黒武術会編」に向けて仲間や宿敵との出会いが着々と積み上げられていく。当時ひとつの主流を築いていた不良たちのケンカものテイストをベースに、物語は死後の世界である霊界や人間の裏社会なども絡み合う独特な世界観の中で展開された。

『幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX』の第1弾「霊界探偵編」には、TVシリーズ第1話~第26話に加え、劇場版『幽☆遊☆白書』(1993年公開)、劇場版『幽☆遊☆白書 冥界死闘篇 炎の絆』(1994年公開)の2本も映像特典として収録されている。

〈第1話~第26話「霊界探偵編」主題歌データ〉
OPテーマ「微笑みの爆弾」 歌:馬渡松子
EDテーマ「ホームワークが終わらない」 歌:馬渡松子


「オレは死んだのか……はい?じゃ、ここにいるオレはまさか、幽霊ってやつか!?」

第1話 死んだらオドロいた
脚本:大橋志吉 絵コンテ・演出:阿部紀之(現:阿部記之)

シャレのきいた(!?)TVアニメオリジナルのサブタイトルがキャッチーだった第1話。『幽☆遊☆白書』の物語は、中学2年生で筋金入りの不良である浦飯幽助(声:佐々木望)が、子どもを助けようとして交通事故で命を落とすところから始まる。

まずは、お話が始まって早々に死んでしまう主人公という設定がなかなか斬新だ。死んだら泣いてくれる人がいた、という事実には誰もがホロッとくるはず……。特に、普段は幽助に厳しく接していた竹中先生のふるまいは胸を熱くさせるものがある。幽助は皿屋敷中学きっての不良だが、根はいいヤツであるということをしっかり描き第1話は幕を閉じる。

「エネルギーを発する人間の心次第で、霊界獣は悪魔にも天使にもなる!」

第2話 霊界のコエンマ!復活への試練
脚本:大橋志吉 絵コンテ:榎本明広 演出:うえだしげる

交通事故による死は「予定外」だった!? 霊界への案内人・ぼたん(声:深雪さなえ)に導かれ、幽助は“生き返り”のための試練を受けることを決意する。

幽助いわく「証券取引所かここは……」と言わしめる、騒々しいオフィスのような霊界の描写。そして、とってもエライのに見た目は子どもというコエンマ(声:田中真弓)の登場と、死後の世界を想像の斜め上なギャップで見せてくれるのが楽しい。この回で幽助が受け取る「霊界獣の卵」は後々の展開へとつながっていく布石に。

「平気平気、こんなもん、浦飯のパンチとケリに比べたら屁みてーなモンだよ」

第3話 追いつめられた桑原!男の誓い
脚本:大橋志吉 絵コンテ・演出:水野和則

幽助とは中学のケンカ仲間でメインキャラのひとり、桑原和真(声:千葉繁)を掘り下げた最初のエピソード。横暴な教師から仲間を守るために“1週間ケンカ禁止”、“理科のテストで50点以上取ること”という難題に立ち向かう桑原の奮闘を描いている。

もともと理科のテスト成績はたったの7点(もちろん、100点満点で)……という桑原が一念発起するわけだが、勉強に集中するあまり鉛筆2本を割り箸がわりに弁当を食べていたり、夢の中でまで幽助と一緒に勉強していたりと頑張りぬく姿がほほえましい。この時点ではサブストーリーにすぎない一本ながら、「勉強家・桑原」のストーリーとしては案外重要なターニングポイントだったりもする。

「あいつが死んだら、生き返る意味なんかあるかよ!」

第4話  熱き炎!恋人のきずな
脚本:富田祐弘 絵コンテ:高橋資祐 演出:新房昭之

生き返るための試練を待つために、幽助の肉体は自宅で大事に保管されている。これを献身的に見守っているのが、幼なじみの雪村螢子(声:天野由梨)だった。ある日、アパートの火災に巻き込まれてしまった幽助の体を、螢子は決死の覚悟で助けに向かう……。

幽助の死後、その案内役であるぼたんにヒロイン的な存在感があるだけに、序盤はちょっと影が薄い印象もある螢子。しかしこの第4話により、彼女の大切さがあらためてクローズアップされる形となった。ちなみにこの回にはゲストキャラとして、コエンマが送ってきた調査官・さやか(声:白鳥由里)が登場。さやかは原作漫画にも出てくるキャラクターだが、TVアニメ版ではストーリーの流れ上、まったく異なる形で現れる。ここは原作を読みつくしたというファンも改めて注目!

「これからが本当の“試練”になるのだぞ……大変になるぞ、あいつは」

第5話 幽助復活!新たなる使命
脚本:隅沢克之 絵コンテ・演出:小柴純弥

試練を乗り越えて、ついに幽助が生き返れる日がやってきた。しかし、このタイミングを逃すと次は50年後を待たなければいけないという。復活の方法は、幽助にとって身近な3人のうち誰かが口移しで生命エネルギーを送ること。

幽助が復活するまでのAパート、復活した幽助のその後を見せるBパートという濃い内容。話はかなりテンポよく進むも、幽助が息を吹き返し起き上がるその瞬間の描写にはとても丁寧さを感じる(しかし「夜12時までにキスしないと生き返れない」という展開のロマンチックさたるや……!)。Bパートでは、飼い猫を守るために悪党と対峙する桑原が見どころだ。あの強面でいて、かわいい猫には目がない桑原。そして飼い猫の“永吉”というネーミングもなんともいい味。

「聞いて驚けよ!霊界探偵、浦飯幽助様だ!」

第6話 三匹の妖怪!飛影・蔵馬・剛鬼
脚本:橋本裕志 絵コンテ・演出:松井仁之

復活した幽助には、次なる試練として“霊界探偵”としての任務が。その初仕事は、人間界に入り込んだ3匹の妖怪を倒し、霊界より盗まれた三大秘宝を取り返すというものだった。

なくした物を発見できる「霊透眼鏡」(レイトウレンズ)を筆頭に、ぼたんが幽助に渡す“探偵七つ道具”とその設定の数々がなんとも懐かしい……! そして幽助最大の必殺技・霊丸(レイガン)の初登場。Bパートでは初の本格的妖怪バトルへと突入し、「霊界探偵編」のパートはいよいよここから本題へ入っていく。

「秀一っていうのは人間界でのオレの仮の名前さ。あの人はオレの仮の母親……」

第7話 蔵馬の秘密?! 母と子のきずな
脚本:大橋志吉 絵コンテ・演出:新房昭之

秘宝を盗んだ妖怪のひとり・剛鬼を倒した幽助の前に、もうひとりの妖怪・蔵馬(声:緒方恵美)が姿を現す。「あと3日だけ待ってくれ」と頼みを告げた蔵馬。幽助には、彼が悪党であるようには見えなかった。

後に幽助たちの重要な仲間となる蔵馬を、「南野秀一」としての人間界での生い立ちとともに描いたエピソード。蔵馬役の緒方恵美は『幽白』が声優としてのデビュー作で、メインキャストとしては当時大抜擢だったが、この第6話~7話で初登場にして安定感も感じさせる絶妙な演技をみせている。また物語としても、クライマックスでは幽助の(TVアニメ次回予告のお約束である)「ダテにあの世は見てねーぜ!」というセリフを回収するようなシーンもあり、序盤ではもっとも“泣ける”一話だ。ラスト、幽助の身を案じて駆けつけたぼたんの「バカ……」とつぶやく表情がかわいい。

「オレのスピードについてこれるか!貴様にはオレの残像すらとらえることもできまい!」

第8話 螢子あやうし!邪眼師・飛影
脚本:富田祐弘 絵コンテ:もりたけし 演出:小柴純弥

幽助が取り返したふたつの秘宝を奪うため、邪眼師の飛影(声:檜山修之)が螢子を人質にとった。救出に向かう幽助だったが、飛影は3匹の盗賊妖怪の中でも最も手ごわい相手なのだった。

後に幽助たちの仲間に加わるとはなかなか思えない、当初の極悪キャラとしての活躍を見せる飛影に注目。その上で、螢子とぼたんというふたりの女性キャラがカギとなる第8話。すっかり霊界探偵の助手としてなじんでいるぼたん、いっぽう幽助の幼なじみとして、そんなぼたんの存在が気にかかる(というより、まだ何も事情を知らない)螢子。実は前回(第7話)でぼたんが幽助の家ですっかりくつろいでいたりもして、これは螢子に見られたら怒られないかな……!? なんて思いながら観ていた矢先に事件が起きる。作品初期ならではのラブコメ的な良さも楽しめるエピソード。

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