黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 39

Column

今、あなたの後ろに... 背筋も凍る人気のホラーゲーム 3+1選

今、あなたの後ろに... 背筋も凍る人気のホラーゲーム 3+1選

気象庁が、災害レベルという注意喚起を促すほどの今年の夏の暑さですが、皆さんはどのようにして暑さ対策をしていますでしょうか。

日本では昔から夏になると怪談話をよくします。「肝を冷やす」という表現がありますが、真夏の暑さが続くなか、怖い話をすることで少しでも涼しくありたいという考えなのでしょう。

90年後半から2000年初頭は、『呪怨』『リング』『着信アリ』など、ビデオや映画でも数多くの和製ホラー作品が作られた時期です。劇場公開作品の大半がホラー映画だった時期もありました。そのちょうど同じ時期に、ゲームの表現力がアップしたため、少しずつですがホラーを題材としたゲームタイトルが増えていきました。

家庭用ゲーム機の8bit時代では『ファミコン探偵倶楽部』(開発プロデューサーは、故・横井軍平氏)や『スウィートホーム』(原作プロデューサーは伊丹十三氏でカプコンが開発)など、「怖い」と言われたゲームタイトルもいくつか存在しますが、数はまだまだ少なかったと思います。

90年代後半から2000年代にかけて、ハードのグラフィック性能と音響性能が向上していくと、よりリアルな表現でホラーゲームが開発されるようになりました。

そして現在でも続いている人気タイトルのシリーズ作も、この時期多く生まれたのです。今回は寝苦しい真夏の暑さを吹き飛ばすホラーゲームをお送りします。

では、どうぞ。


和風テイストのホラーが寒気を誘う『零~zero~』

2001年12月13日にPlayStation2向けタイトルとしてテクモ(現;コーエーテクモゲームス)より発売された『零~zero~』。

© TECMO,LTD.2001

12月ということで、ホラーゲームをプレイするには、ちょっと寒すぎる時期の発売でした。

ゲームは俯瞰(ふかん)視点となっており、初期の『バイオハザード』シリーズのように自分のキャラクターを見ながら操作します。フィールド上の随所に出現する霊を、このゲームの特徴となるアイテム”射影機(カメラ)”を使って撮影しながらゲームを進めます。この”射影機(カメラ)“を使うと一人称の視点になり、FPS(ファーストパーソン・シューテイング)のようなゲーム性になるのが特徴的です。

この”射影機(カメラ)”は「あり得ないものが映る」という特殊なアイテムです。一見フィールド上には見えなくても、撮影モードでカメラをのぞき込むと、その場に隠された残留思念などを映し出すことが出来るようになります。この撮影モードにより、撮影した「霊」の写真をリストとして収集したり、「霊」と戦う時にダメージを与えたりします。また、通常の視点では見つけることができないアイテムを見つけることもできます。物語を進めるのに重要なアイテムなのです。

“射影機(カメラ)”には4段階の強さのフィルムとさまざまな性能があります。使用するにはフィルムが必要で、撮影すると残りフィルム数が減ってしまう仕様です。そのため、ボスと戦う時には強力なフィルムを残しておくことが重要な攻略ポイントになります。

『零~zero~』では、序章の映像は白黒基調となっており、赤外線カメラを搭載したホームビデオで撮影をしたような画質になっています。過去の出来事を説明し、ゲームの基本的操作を覚えるチュートリアル的な章なのですが、鮮明なフルカラー映像よりも、薄暗くて、ある程度雑(ノイズ的)な演出が怖さの臨場感を醸し出します。

本編となる章の第一夜からは、フルカラー映像になりますが、ライトを当てた場所だけが明るく映し出されるシステムです。このことにより、ホームビデオで撮影したような雰囲気が演出されています。また、音響効果にも定評があり、歩くとギシギシと音を立てる床や、画面に見えない後ろの物音、霊が現れる時の音など、恐怖体験を増すにはヘッドフォンでのプレイを推奨する人もいます。

物語は、行方不明となった師匠であり作家の高峰準星を探すため、除霊能力を持つ雛咲真冬が荒れ果てた氷室邸にやって来るところから始まります。しかし、雛咲真冬も音信不通となってしまいます。
2週間後、妹の雛咲深紅が兄の残したメモを手掛かりに氷室邸へ訪れることで本編(第一夜 裂き縄)が始まります。雛咲深紅も霊能力を持っており、兄の残した”射影機(カメラ)”を見つけて氷室邸を探索することになります。

果たして、雛咲深紅は兄を見つけ出し、無事氷室邸から脱出することが出来るのでしょうか!?

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