Review

超破天荒RPG!最大レベル9999の突き抜けたやりこみ要素と面白さ

超破天荒RPG!最大レベル9999の突き抜けたやりこみ要素と面白さ

キャラクターのレベルは最大9999、ダメージの数値が1億を超えることも珍しくない、常識を超えた超絶やり込み型シミュレーションRPG『魔界戦記ディスガイア』(以下、『ディスガイア』)シリーズ。その第1作がグラフィックを高解像度化し、『魔界戦記ディスガイア Refine』(以下、『ディスガイア Refine』)として帰ってきた。

本稿では、超絶やり込みを根底から支える、純粋なシミュレーションRPGとして奥行きのある戦闘の面白さ、やりたい放題でぶっ飛んだキャラクターが織りなす痛快なストーリーなど、『ディスガイア』シリーズに長きに渡って受け継がれる要素の源流である『ディスガイア Refine』の魅力を追っていく。

文 / 村田征二朗


基本はシミュレーションRPGとしての面白さ 

タイトルに“魔界戦記”とあるとおり、魔界を舞台に多くの悪魔や魔王、天界からやってきた天使たちが好き放題に暴れまわるシミュレーションRPG『ディスガイア』シリーズ。2003年のシリーズ誕生から15年、満を持して第1作『魔界戦記ディスガイア』がPlayStation®4、Nintendo Switch™向けにリファインされて帰ってきました。第1作のPlayStation®2版が発売した当時からどハマりしただけあって、筆者としても思い入れの深いタイトルです。

間違いなく日本一ソフトウェアを代表する作品のひとつとなった『ディスガイア』シリーズは、敵も味方もレベルの上限が9999という、常識を突き抜けた強化と育成の幅広さで知られています。しかしまずは、純粋にシミュレーションRPGとして見た『ディスガイア Refine』の面白さを紹介していきましょう。

▲通常時の戦闘では、常識的な数字が出てきます。大きな特徴である、突き抜けたやり込みを抜きにしても面白いのが『ディスガイア』シリーズなのです

『ディスガイア Refine』では、魔界の王子・ラハールが自分の野望と欲望のままに暴れまわりつつ、多くのハプニングや争いに巻き込まれていきます。ゲームとしては、のちほど触れるやりたい放題で破天荒なキャラクターたちがドタバタ騒ぎを起こすストーリーパートと、敵と戦う戦闘パートを交互に進めていくことになります。

多くのシミュレーションRPGがそうであるように、『ディスガイア』シリーズの戦闘は、マス目状に区切られたマップでキャラクターたちを動かして戦っていくスタイルとなっています。“ベースパネル”という拠点から最大10体のキャラクターを出撃させ、マップ内の敵を全滅させればステージクリア。バトル自体はシンプルそのもので、あまり難しいことは考えずに楽しめます。

▲特殊技の演出はエフェクトも動きもド派手で、ビジュアル面でもプレイヤーを楽しませてくれます。設定を変更すれば演出をカットして超スピーディにプレイを進められる点もナイスです

バトルはターン制となっていますが、順番にキャラクターを動かすだけではない独特のシステムが、本シリーズならではの戦略性を生んでいます。通常攻撃や特殊攻撃の対象を選択すると、その場ですぐ攻撃が発動するのではなく、メニューボタンから“攻撃開始”または“ターン終了”を選択することで、選択した攻撃が順番に発動するのです。

このシステムと組み合わさることで戦略性を増しているのが、同じ敵に対して連続して攻撃を行うことで威力が上昇する“コンボ”や、通常攻撃を行う際に隣接している味方がいっしょに攻撃を行う“連携”といった要素です。

▲隣接する敵に攻撃を行う際に、攻撃するキャラクターに味方が隣接していると、一定確率でカットインとともに連携が発動します

攻撃を行っていないキャラクターは、1ターン中に移動とキャンセルをくり返すことができ、同じターンでひとりのキャラクターを複数回攻撃に参加させることもできます。これがまたほかの作品にはない戦略性を生み出しているのですが、こちらについては文よりも画像で見たほうがわかりやすいでしょう。

▲たとえば敵を左右から囲んだこの配置で左右のキャラクターが同時に攻撃を行った場合、2コンボが成立しますが、連携は1回しか発動しません

▲しかし、片方のキャラクターと連携を行ったあと、連携させるキャラクターを移動させてからもうひとりが攻撃を行えば、コンボは発生しないものの、再び連携を狙うことができます

移動のキャンセルを活かした戦略性は、本編攻略中、とくにプレイ序盤では重要になり、キャラクターをどう動かし、どの順番で攻撃させるかを考えるのが楽しいのです。

シリーズのイメージとしてやり込み要素の存在が大きいため、そこまで注目されていない印象ではありますが、『ディスガイア』シリーズは本編攻略中の難度バランスが絶妙なのも評価ポイントです。足早にストーリーを進めていこうとすると、1話ごとの最終マップに登場するボスキャラクター相手に苦戦することは珍しくなく、少し痛い目を見ることもあります。

やり込み要素が非常に充実した作品ではありますが、まずは駆け足でストーリーを追って本編を遊ぶだけでも、純粋にシミュレーションRPGの本質を楽しめる作品である、というのは強調しておきたいポイントです。

破天荒な戦いかたが生む独自性

『ディスガイア Refine』の戦闘は、攻撃のタイミングや順番を利用した戦略性だけでなく、個性的なシステムがもたらす独特な戦いかたも魅力的です。

まずひとつは、“持ち上げる”と“投げる”の行動です。文字どおり味方や敵を持ち上げて投げることができるこのアクションは、1ターン中に移動できる距離を伸ばすことができるだけでなく、敵を別の敵に投げつけて合体させ敵のレベルを上げたり、敵をベースパネルに投げ込んで味方にしてしまったりと、かなり破天荒な戦いかたができてしまいます。

▲シリーズのマスコットにしてサンドバッグ的な存在である、ペンギンチックな外見の“プリニー”は投げると爆発するなど、持ち上げの使い道はさまざまです

▲基本的に前後左右の直線方向にしか投げられないのですが、向きを前から右、右から前などに切り替えるタイミングで投げると斜めに飛ばすことができるという、細かいテクも存在します。これがさりげなく便利……!

▲敵を敵に投げてレベルアップさせれば、その敵を倒した際に得られる経験値を増やすことができます。が、調子に乗って敵を強くしすぎないように注意が必要です

持ち上げと並んで、『ディスガイア Refine』の戦闘を個性的なものにしているのは“ジオパネル”と“ジオシンボル”の存在です。ステージによってマップに赤、青、緑、黄色などの色で表示されるジオパネルがあり、そこにピラミッド型のオブジェクト・ジオシンボルが乗ることで、敵味方どちらにも影響がある効果“ジオエフェクト”が発生します。

▲ダメージの発生やパラメータの増減、パネル上のキャラクターが無敵になる効果や攻撃回数が増加するものなど、ジオエフェクトは有利不利を大きく左右する要素となります。新マップに挑む際に「どうやって攻略すればいいんだ!?」と悩むのも本作の面白さです

▲“アイテム界”(こちらについては次回の記事で触れます)ではジオパネルがランダムに配置されており、予期せぬ効果にワクワクすることも

単純なマップの高低差だけでも、いかに地の利を得るかといった戦略性が発生しますが、そこにジオパネルの要素が加わることで、戦略性はより大きなものとなります。マップによっては全域に味方の弱体化効果や敵の強化効果があるなど、不利な状況も用意されていますが、そこからジオシンボルを移動させ、あるいは破壊することで有利な状況に変えていくのがとても面白い!

また、ジオパネルの上にあるジオシンボルを破壊すると、ジオパネルの色を変更することができ、色が変わったジオパネルの上にいるキャラクターには、敵味方関係なくダメージが発生します。味方の位置を考えずにジオシンボルを破壊すると思いのほか痛手になることもありますが、ジオパネルの色変化を発生させれば、ステージクリア時に得られる報酬に関わるボーナスゲージも大幅に増加します。

▲ジオパネルの色が変わる際のダメージでほかのジオシンボルを破壊すると連続して色の変化が発生し、ダメージとボーナスゲージの増加量もより大きくなります。ジオパネルの変化をどれだけ連鎖させるか、というパズル的な要素としても楽しめます

味方の移動距離を伸ばすだけでなく、敵を強制的に遠ざけることや、敵と敵を合体させて敵のレベルアップができる“持ち上げ”と“投げ”は、戦闘中の選択肢を広げてくれます。さらに、キャラクター間の単純なパラメータの高低を超えた有利不利を生み出すジオエフェクトは、各マップに独自の戦略性をもたらしてくれます。

上手に活用すれば敵の動きを封じたまま一方的に攻撃したり、逆に間違えて敵をレベルアップさせて大ピンチに陥ったりと、戦況を有利にも不利にも動かすこれらの要素は、のちの『ディスガイア』シリーズでも変化しながら受け継がれているように、本シリーズには欠かせない、シミュレーションRPGの面白さである戦略性を膨らませる要素です。

1 2 >