松本孝弘、入魂のソロアルバム『enigma』  vol. 2

Interview

B'z、松本孝弘。6本の弦が紡ぐ、至高のギターミュージック 【後編】

B'z、松本孝弘。6本の弦が紡ぐ、至高のギターミュージック 【後編】

 

松本孝弘、入魂のソロアルバム特集、第2回は本人から全ての楽曲についてコメントを貰った。 B’zとは違うスタンスで制作したTAKのギターインストゥルメンタル。音楽家、松本の揺るぎない信念をお届けする。

インタビュー・文 / 佐伯明

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――「enigma」はタイトル・トラックですけど、今回サントラみたいな感じがあるじゃないですか。

ああ、そうですねえ。

――テーマ曲がいきなり出てきて、あとは各場面場面を彩る楽曲が並ぶ、みたいなね。だから、この「enigma」はやっぱりメイン・テーマじゃないですかね。

そうですね。まあこれは、アルバムのホント、メイン・テーマですよね。うん。

――では「Vermillion Palace」。これは変拍子なんだ。

そうですね、変拍子ですね。でも、あんまり変拍子に聞こえないっていうか、わりとすんなり乗れる変拍子だと思いますけどね。っていうか、変拍子というか、フレーズを創ったらそれがたまたま変拍子だったっていう(笑)。

――ははは! フレーズに寄っていってしまうリズムっていうのはありますからね。

うん。

――「世界遺産」のメイン・テーマになるっていうことは意識しましたか?

お話をいただいてから創った曲ではあるので「世界遺産」っていうのはあったんだけども、バーミリオンっていうのはホント日本独特の色なので、敢えてそういう……曲ができてから自分でそういうイメージがあったので付けました。

――これもでは、イメージがキチッとあったってことですね。では「Step to Heaven」

これはですねえ、現実の世界と、そうじゃない…… “天国”って死んでからの世界のことじゃなくて、もうちょっと“いい世の中”みたいなことで。

――“いい世の中”。

ええ。だといいな、っていう(笑)。

――当然ギター・ソロじゃない曲もあって、この曲なんかはハモンドのソロだし、サキソフォンのソロが入る曲もありますけど、ああいう選択っていうのは松本さんはどうしてるんですか?

感覚的なものですよね。あんまり考えてないっていうか、「ここはオルガンがいいだろう」っていうか……自分のイメージですよね。

――でも、インスト曲ってイメージがとても大事だと思うので、色とかイメージとかそういうものを大切にしてる松本さんの話っていうのはもっと世の中に出していきたいですよね。

ああ、そうですか、ありがとうございます。

――では「Ups and Downs」

これはもう、世の中の浮き沈みですよね。

――浮世絵展のテーマ曲ですね。

そうですね。これはレコーディングがほとんど終わって、曲も全部出揃ってたんですけども、浮世絵展のお話をいただいて、それで「これは面白いな」と思って、もう、すぐできました。

――松本さん自身、浮世絵とかは好きですか?

好きですよ。だから日本に戻ったらその浮世絵展を見に行きたい。

――今すごい、広告が出てますけどね。

あ、そうなんだ。

――では「Rock The Rock」。これはリフものですけど、リフから作っていったんですか?

そうですね。これはもう、「Rock The Rock」って、深い意味はありません(笑)。

――ははは! このサキソフォン・ソロもイメージ?

そうですね、これはもうグレッグ・ベイルさん、僕は前回の『New Horizon』から彼のサキソフォンの大ファンなので、ぜひ彼に何曲か、ソロは絶対に彼にやってもらいたいなと思っていたので。

――なるほど。では「Drifting」

まあこれもちょっと「enigma」に繋がるところはありますよね。

――モノローグみたいに歌詞が入ってますよね。

今回アルバムを創るときに、自分がずーっと思ってたようなことで、「僕はホントにちゃんとまともな大人になってるのか」みたいな(笑)。

――そういう想いも埋め込まれた曲なんですね。

そうですねえ。だからこの「Drifting」っていう言葉も、「enigma」の詞の中に入ってるんですよね。

――入ってる、うん。「ドリフティング スルー ディス ミスティック ジャーニー」……じゃあ、やっぱり関連があるっていうね。

まあそうですね。

――では「The Voyage」

これはですねえ、よくみんな日本ではフランス語のボヤージュっていうんだけど、僕は敢えて英語でヴォエッジっていうタイトルを付けてるんだけど、これはよく言う“航海”とかそういう意味ではなくて、何だろうなあ、過ぎたこと? 「いいことも悪いことも、自分の生きていく過程の中ではそれは必要だったんだろうなあ」というような、そんな感じですかね。

――それもちょっと、自分の人生を俯瞰で見るというか、考えてみるみたいな場面じゃないですか。

そうですね。だから、全体的にそんな感じの想いで創ってたんでしょうね。

――では「Hopes」

これも、「いいことがたくさんあるといいな」みたいな(笑)。

――そうね(笑)。このボーカルはマーク・レンクなんですけど、これもなかなか、いいって言ったら変ですけど、はまってますよね。

マークさんはいいですよねえ、すごく渋くて。マークさんはシェーン(・ガラス)の紹介です。シェーンがときどき一緒にこっちでライブとかやってるんですよね。

――「Under The Sun」

これも歌詞が入ってるんですけども、これは「enigma」「Hopes」とは違って、ここに歌を入れようと思って入れたんですね。だからもう、レコーディングもだいぶ進んでからできた曲だったので、すでにもう「enigma」と「Hopes」に歌が入ってたので、「Under The Sun」はその手法を、ちょっと使おうかなと思って。

――明らかに「入れよう」と思ったんですね。

これはそうですね。

――なるほど。「Dream Drive」は?

これは、リズムが入るところからが本来レコーディングしてた部分だったんだけども、アタマの、バンドが入ってくるまでのところっていうのは後から付けたんですよね。なんかこう、曲のピースを前もって少し聴かせて、連想させるみたいな。

――おお。なんかこれ、すごく場面展開がある、シアトリカルな曲ですよね。

ああ、そうですかねえ。

――だからほら、さっき松本さんが言っていた、「自分から出てくるものを全部繋げたらどうなるか」みたいなね。

ああ、でもこの曲は、そんなところがあったかもしれませんね。

――とてもこう、場面が変わっていく、映像的な楽曲だなと思って聴いてましたけどね。

はい、ありがとうございます。

――では、「The Rock Show」

これは、こういったテンポ感のものもアルバムには必要、かなと(笑)。

――なんかこれ、LIVE-GYMで演奏されそうな曲じゃないですか?

ああ、そんな感じですよね、うん。

――B’zを離れたときにB’zのことを思い出すとか、そういうことはないんですか?

ソロの作品を創ってるときとかに?

――そうそう。

どうかなあ、あんまり、うん、そういうのはないですね。

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