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『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』ダンジョンが存在しない!?『サガ』最新作をプレイ

『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』ダンジョンが存在しない!?『サガ』最新作をプレイ

激動の時代を駆け抜ける主人公を操り、物語を紡いでいくRPG『サガ』シリーズ。レベルの概念がなく、プレイヤーの選んだ選択肢によって大きくシナリオが変化していく“フリーシナリオ”が大きな特徴です。その独特のシステムは健在ながら、ダンジョンや町などを取り除き、ワールドマップ上のみでシナリオが展開するという今までになかった要素の導入で、シリーズの新時代を感じさせる『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』が今夏発売されました。

PS Vita用ソフトのオリジナル版『サガ スカーレット グレイス』は、マシンを持っておらずプレイを見送った筆者でしたが、今作は新シナリオ、BGM、キャラクターボイスの大幅な追加で格段にパワーアップした内容であると聞きつけ、早速プレイを始めてみました。PlayStation®4、Nintendo Switch™、iOS、Android、Steamと複数のプラットフォームで展開されているなかから、携帯性に優れたNintendo Switch™版を帰省のお供としてチョイス。全2回でお送りする記事の前編となる本稿では、基本的なゲーム内容、活き活きと描写されるキャラクターたち、PS Vita版からの追加・変更要素などを紹介します。

文 / 内藤ハサミ


彗星の導きで主人公が決まる 

新規プレイのまえに、オリジナルのPS Vita版をすでにプレイしている方に向け、どこまで攻略が進んでいるかを入力するアンケート画面が表示されます。すでにクリア済のエピソードがある場合は、チェックを入れましょう。すると、クリアを条件として発生するイベントが解放されます。ただしこの場合、実績・トロフィー・アチーブメントは未達成のままなので、コンプリートを目指しているならチェックは入れず、初めからプレイする必要があります。

▲最初からやり直さなくてもいいんです!

プレイを始めてすぐ、画面に彗星が飛来し、プレイヤーにいくつかの問いが投げかけられます。「皇帝の御座船バンガードが進水した。君はどこに注目する?」や「夜空を彩る花火。一瞬で消え去っていく夜空の花を見て、君は何を思う?」などのさまざまな質問に、2つの選択肢から自分の意見に近いほうを選んで答えていくと、“ウルピナ”、“タリア”、“バルマンテ”、“レオナルド”の4人から答えに対応した主人公と、初期ステータスにわずかながら影響する“宿星”が決まります。

▲質問に対していろいろなパターンの回答を試してみましたが、筆者の場合は高い確率でウルピナが選択されました。どのキャラクターになるかを質問と回答から予想することは難しいので、いろいろ試してみましょう

彗星からの質問に答えたあと選ばれるキャラクターをキャンセルすれば、任意でキャラクターを選択することもできますが、その場合は初期ステータス変動がありません。ステータス変化はプラスの影響ばかりではないので、彗星からの質問で選ばれたキャラクターが好みのステータス特性を備えていなければ、任意で選ぶのもあり。各主人公のパーティには、始めから加入しているパートナーキャラクターがいるので、気に入ったキャラクターがいれば決定のきっかけにするのもいいと思います。筆者はウルピナが選ばれたので、そのまま主人公としてプレイを進めることにしました。無邪気で勇ましい姫騎士といった雰囲気のウルピナ。いったいどんな物語を見せてくれるのか、とても楽しみです!

キャラクターの個性が光る

4人の主人公は、見た目と中身のイメージがまるで違っていたり、意外な経歴だったりと、各々がセオリーにとらわれない特徴を持っています。生まれも性格も全く違うこの4人は、それぞれに自分の道を突き進み、話の展開によってはどこかで出会ったりもします。主人公たちが同じ世界に生きていて、絡んだり、ときには共闘したりする展開はまさに 『サガ』シリーズの醍醐味。他のキャラクターの人生にも俄然興味が沸いてしまうのです。先ほども触れましたが、いずれかのキャラクターのシナリオをクリアしたあとに別のキャラクターでプレイすると、進行状況によって新しいイベントが発生します。各々のシナリオだけでなく、ゲームの世界全体に対する理解度が増すので、ぜひ4人のキャラクター全員を主人公にしてクリアしてみてください。ちなみに、一度主人公を決めると、クリアするまでそのキャラクターが主役のシナリオを進むことになります。途中で主人公が交代することはありませんので、主人公を選ぶ際は慎重に。

▲ウルピナ(CV:内田真礼)

ロニクム州を統治するユラニウス家の令嬢。“天性の指導者にして政治家”と紹介文にあるとおり、自然に人を引き付ける魅力がある、表情豊かな娘さんです。『サガ』シリーズのキャラクターといえば、個性的でカラフルな衣装デザインが特徴ですが、ウルピナも羽根と花をあしらった、華やかな服を身に着けています。可憐なお嬢様そのものといういでたちで勇ましく長剣を操る、その意外性がかっこいいですね。突然、何者かにユラニウス家が治める土地を襲撃され、父を探す目的で旅に出ることになります。

▲タリア(CV:田中敦子)

RPGの主人公としてはかなり異色の“陶芸家”であるタリア。元・魔女ということで、魔術を使った戦闘が得意です。自身の作る焼き物にゆがみが出た原因を探しに旅に出るという、これまた変わった動機で旅を始めます。しっとりと落ち着いたお姉さんキャラクターでありながら、大きな力を恐れず大胆にふるまうタリアには、只者ではない風格を感じずにはいられません。

▲バルマンテ(CV:楠大典)

いつでも冷静沈着、職務に忠実で独自の信念を貫く法定処刑人。処刑人だから斧が得意武器なんですね。執政シグフレイの首をはねる直前に「七度甦る」と予言を聞いたバルマンテ。処刑後、本当にシグフレイが甦ったという噂を聞き、旅に出ることになります。ワイルドな見た目と落ち着いた性格のギャップが素敵。

▲レオナルド(CV:内田雄馬)

昔はワルかったけれど、今は更生して(?)農業をしている青年。4人のなかで一番自由度が高いシナリオを楽しめます。訪れる土地を農家視点でレビューするなど、すっかり農業が板についている様子のレオナルド。彼が生まれたときにも持っていたという“緋の欠片”に導かれるようにして旅立ちます。得意武器は大剣。レオナルドのざっくばらんな性格と合っている感じがしますね。

▲それぞれのキャラクターのステータス特性に合わせ、戦闘スタイルも違ってきます

通常戦闘のBGMも4人それぞれ専用の曲が用意されており、メロディアスで情緒的な楽曲が各々のシナリオをぐっと盛り上げます。作曲はもちろん、シリーズおなじみの伊藤賢治氏。やはり情熱的にストーリーを彩る“イトケン節”がないと、『サガ』とは言えませんよね。この勢いで、主人公以外で筆者が気に入っているキャラクターも少し紹介します。

▲タリアのパートナ-キャラクター、カーン。力の抜けた自己紹介に朴訥な人柄を感じさせる、元東帝国の親衛隊を名乗る男です

▲強くて男前、だけどちょっとヌケた可愛らしさもあります。ううむ、カンペキか……!

▲山賊の国、グルモン女王国の王女であるオグニアナ。セリフの選択によっては、ウルピナを捕らえようとする姉妹たちの意向とは関係なく仲間になってくれます

▲カラッと豪快な性格も可愛いですが、戦闘にも向き前線で活躍できるキャラクターです。それにしても、頭の横にピョンと飛び出ているふたつの球が気になるなぁ

挙げればキリがないのでこれくらいにしておきますが、脇役にまで個性派のキャラクターが揃っている本作。ひとたび冒険に出れば、きっとお気に入りのキャラクターが見つかるはずです。仲間になってくれるキャラクターはなんと70人以上とのこと。このキャラクターたちとは、「自分の選択次第で仲間になってくれるかも?」とドキドキしながら会話をするのが楽しいのです。

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