モリコメンド 一本釣り  vol. 80

Column

First place ひとつひとつのフレーズを手渡すようなボーカル。ストリートライブで培われた豊かな表現力と“伝える力”

First place ひとつひとつのフレーズを手渡すようなボーカル。ストリートライブで培われた豊かな表現力と“伝える力”

K−POPからアイドルまで、まさに群雄割拠状態のボーイズグループ・シーン。楽曲、ステージングのクオリティはもちろん、ルックス、アートワーク、SNSの使い方を含め、高い総合力がないと勝ち抜けない状態が続いているが、そんななか、大きな可能性を感じさせるニューカマーが登場した。First place。RYOMA(リーダー)、KENTO(MC)、TAIHEI(Pretty♥)、KAITO(ムードメイカー)という個性溢れる4人によるボーカルグループだ。

Frist placeの結成は2014年7月。当初はKENTO、TAIHEIのふたりでスタートし、翌年にRYOMA、2017年にKAITOが加入し、現在のラインナップが揃った。これまでの彼らの活動の中心は、ストリートライブ。主に原宿、渋谷で800回を超えるライブを行い、自らのパフォーマンスを鍛え上げると同時に、女子中高生を中心に少しずつ知名度を上げてきた。Youtuberを筆頭にインターネットを中心にした活動を行うアーティストが多いなか、ストリートライブというもっとも地道な(?)方法を選び、生のパフォーマンスをできるだけ多くの人に見せながら、グループの個性と魅力をアピールする。いろいろな考え方があるだろうが、彼らの場合、この選択は正解だったようだ。

シンプルかつストレートなメッセージを込めた楽曲、メンバー4人の親しみやすいキャラクター、そして、確実にレベルアップを続けているパフォーマンスによってファンを増やしてきた彼らは、2017年3月の原宿アストロホールを皮切りに、7月には渋谷DUO MUSIC EXCHANGE、12月には渋谷WWW Xでワンマンライブを成功させた。さらにソロ活動も徐々に活性化。TAIHEIは人気ファッション誌「Popteen」の「第4回イケメン総選挙」で史上初の1000票超 を獲得し、堂々の1位を獲得。Popteen メンズモデルとして活動を始めた。さらにKAITOは劇団ズッキュン娘。主催公演「夢で逢いま笑」で準主役「優斗」役を熱演し、役者としてのポテンシャルを証明した。

そしてこの夏、First placeは満を持してメジャーデビューを果たす。最初のアクションは、8月29日にリリースされる1stシングル「さだめ」。超キラーコンテンツであるTVアニメ「名探偵コナン」EDテーマに起用されたこの曲は、運命の恋をテーマにした、切なくも美しいミディアムバラードだ。作詞・作曲を手がけているのは、AKB48(「あの日の風鈴」「やさしさの地図」など)、乃木坂46(「制服のマネキン」など)、中島美嘉(「一番綺麗な私を」など)といったアーティストへの楽曲提供で知られる杉山勝彦。ノスタルジックなメロディライン、アコギ、ストリングスなどの生楽器の響きを活かしたアレンジのなかで、“ふたりでずっとずっと生きて行こう”という歌詞がひとつになったこの曲は、年齢や性別を超え、幅広い層のリスナーに受け入れられることになりそうだ。ひとつひとつのフレーズを手渡すような4人のボーカル/コーラスも印象的。この豊かな表現力と“伝える力”もストリートライブで培われたものだろう。

カップリング曲も充実している。KAITOが作詞を担当した「TREASURE TRAVEL」は、軽快なギターカッティング、心地よいファンクネスを備えたリズムを軸にしたダンサブルなナンバー。70〜80年代のディスコ、ソウルミュージックをアップデートさせたサウンドと“夢を探すための冒険”をテーマにした歌詞が見事に融合している。さらにグループ名をタイトルに冠した「FIRST PLACE」も収録。バラード調のメロディでスタートし、サビに入った瞬間、ドラムンベース系のリズムとともに心地よい解放感が生まれるこの曲は、まさにこのグループのテーマソングと言えるだろう。特に「First Place いつでもここにいる 歌い続けてゆく ここからはじめよう」というフレーズは、ストリートライブを通してファンとの結びつきを作ってきた彼らの軌跡が刻まれている。また初回限定盤のBonus Trackには、ストリート時代に歌ってきたカバー曲の中でもっとも思い入れがあるというZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」を収録。強い感情が込められたボーカルをぜひ堪能してほしい。

魅力あふれるメンバーのキャラクター、それを際立たせる楽曲、そして、ファンとの絆を大事にした活動スタイル。First placeにはまちがいなく、成功するボーイズグループの条件が揃っている。デビューシングル「さだめ」から本格的にスタートする彼らの物語は、多くのユーザーによって共有されることになるはず。4人が体現するエンターテインメントに大いに期待したいと思う。

文 / 森朋之

オフィシャルサイト
http://1place.beinggiza.com

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