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国内最大級のアニメイベント 『AnimeJapan 2016』レポート

国内最大級のアニメイベント 『AnimeJapan 2016』レポート

国内最大級のアニメイベント『AnimeJapan(アニメジャパン)2016』(主催:一般社団法人アニメジャパン)が、2016年3月25日(金)〜27日(日)の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催された。174社が出展し、総来場者数も135,323人(前回比111%)と、いずれも過去最高を記録して大盛況のうちに閉幕した。

たしかにアニメのすべてがあった「AnimeJapan 2016」。次回、「AnimeJapan 2017」は来年3月開催

たしかにアニメのすべてがあった「AnimeJapan 2016」。次回、「AnimeJapan 2017」は来年3月開催

来場者層は以前にも増して若年層や家族連れが目立ったのは、ファミリー限定エリア「ファミリーアニメフェスタ 2016」への来場者だけが要因ではないだろう。また、残念ながら男女比率の数字は発表されていないが、ますます女性来場者が増えていると感じた。

大変賑わったイベントとなったが、これまでのアニメイベントとは異なる面もみられた。特に顕著だったのが、パッケージビジネス一辺倒とはいかなくなってきたアニメ業界の変化にともない、各社のブースで見せるものが多様化しているということだ。もっとも目立つ場所にアニメコンテンツ配信大手の「dアニメストア」が陣取っていたことが、それを物語っている。

各社とも試行錯誤の様相で、これまでどおりイチオシの作品だけにフォーカスしているブースは数が限られ、制作会社の多くは取り扱う作品を網羅的に紹介したり、これまで人気のあった作品で呼び込み、新作の資料を配布したり、来場特典と引き換えにSNSで発信してもらおうとするなど、ひとつの傾向に絞られない状況だった。

4月放送開始の「カミワザ・ワンダ」ブースでは、記念撮影するとマスコットキャラ宇宙犬ワンダのだっこちゃんをプレゼントしていた

「時かけ」から「バケモノの子」を手がけたスタジオ地図は、細田監督をはじめスタッフの仕事場を再現。

多くのブースの共通点と言っていいか、フォトスポットが以前にもまして増えているようだった。等身大サイズのキャラクターパネルをブースの前面に並べたり、キャラクターの着ぐるみや等身大サイズの立像とツーショット撮影のサービスをしたり、来場者にとってはイベントの思い出になり、来場者がSNSなどで拡散すれば、出展社にとってもプラスになるので、今後はさらなる工夫を凝らしたものが登場しそうだ。

出展社中最大級のブースを展開したアニプレックスブース前には手がけている作品のキャラクター等身大パネルが勢揃い。撮影会場と化していた。

エイベックス・ピクチャーズブースでは、今年前半、アニメの話題を牽引した「おそ松さん」の壁画?を展開。次から次へと記念撮影する女子だらけでした。

ワーナー・ブラザースブースには「テラフォーマーズ リベンジ」のテラフォーマーが登場。記念撮影をする人たちに逃げられていた。

ニトロプラスブースでは「刀剣乱舞-ONLINE-」を展開。三日月宗近の人形を展示、等身大パネルの前にはこんのすけも登場。

目立つ上にアニメイベントの定義すら変えてしまいそうな勢いだったのが、会場の各所で行われていた、アイドル声優のユニットやアニメソングを歌うアイドルグループのライブだ。「THE IDOLM@STER」や「ラブライブ!」以降、こうしたプロモーションは定番となっているが、アニメコンテンツの最新情報を得られる場が、アイドルのライブ会場と化したかのようだった。

巨大なスクリーンをメインに展開していたバンダイナムコブースでは、「ラブライブ!」や「ガルパン」の映像を上映。ひとたび映像が始まると来場者は釘付けになっていた。

今秋、公開予定の「この世界の片隅に」ブース。クラウドファウンディングでの資金調達で国内最高の支援者、支援金額(映画部門)の達成で話題になった。

8月公開の新海誠監督の最新作「君の名は。」を巨大なスクリーンで紹介していたコミックス・ウェーブ・フィルムのブース。

もちろん、どんな形にせよ、アニメに興味を持つのはいい事だし、お祭り気分を味わえて楽しい事には違いないが、ライブの音量に負けないファンのMIXや他のブースを圧迫するほどの人だかりは、ただでさえ混み合う会場にあって、「度を超している」という声も聞かれた。

主催者の出展にもユニークなものが見られた。なんといっても目を引いたのが、昨年話題になった「ラブライブ!ねぶた」が勢ぞろいしていた「伝統工芸×アニメコラボグッズ」の展示だ。焼物や漆器、塗物など伝統工芸品とアニメコンテンツがコラボして製造されたグッズだ。

この1年間(2014年11月1日〜2015年10月31日)に日本国内で上映・放送された全商業アニメ作品を対象に、総勢100名の専門家が投票を行ない選出した「アニメ オブ ザ イヤー部門」。その栄えあるグランプリに選ばれたのは、アイドルアニメの金字塔『ラブライブ!The School Idol Movie』(劇場公開部門)と、アニメ制作現場の苦労と喜びを描く『SHIROBAKO』(テレビ部門)の2作品でした。

昨年、ねぶた・ねぷたに登場してきた話題になった「ラブライブ!ねぶた」。

ただ単にキャラクターをあしらっただけの凡庸なものではなく、「NARUTO」と「伊賀焼」のように、工芸品とアニメの世界観に共通する点が見受けられ、アニメから見ても、伝統工芸から見ても、中途半端なものになっていない点が好感が持てた。

「伝統工芸×アニメコラボグッズ」では「NARUTO」と「伊賀焼」のコラボ(写真)をはじめ、「刀剣乱舞」と「玉虫塗」とコラボした手鏡、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」と「京くみひも」とコラボしたストラップなど、さまざまな伝統工芸グッズが紹介されていた。

今回の「AnimeJapan 2016」を混沌とした状況としたが、そうした中にあっても、アニプレックスが最終日の3月27日に発表したパッケージとオンラインが連携した新サービス「Viewcast(ビューキャスト)」のように、新しい試みも生み出されおり、この状況をアニメビジネスに新しい展開を持ち込む機会と位置づけ、来年の『AnimeJapan 2017』ではさらに新しいサービスが見られることを期待したい。

文・構成・写真 / チバヒデトシ