Interview

37歳独身、イケメン、東大卒の初代バチェラー・久保裕丈が始めた家具シェアサービスって? 家具を持たないミニマリストしぶが話を聞いた

37歳独身、イケメン、東大卒の初代バチェラー・久保裕丈が始めた家具シェアサービスって? 家具を持たないミニマリストしぶが話を聞いた

1人の独身セレブ男性を巡って25人の女性が争う恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』で日本版「初代バチェラー」となった久保裕丈。37歳独身、イケメン、東大卒、しかも億万長者。そんな久保が、家具のシェアサービス・CLAS(クラス)をスタートさせる。家具を持たず必要最低限の物だけで生活をするミニマリストしぶが、独自の視点で、サービスをはじめた理由や将来について話を聞いた。

取材・文 / ねりな 撮影 / 廣田貴弘

いい木材できちんと作られた家具は、それが5年6年、なんなら10年と使い回せる

ミニマリストしぶ(以下:しぶ) 実は、僕の部屋にはベッドもないんですが(笑)、家具の「シェアサービス」と聞いて、とても面白いなあと思いました。なぜ、このサービスをはじめようと思ったんですか?

久保裕丈(以下:久保) 僕はずっと1年半や2年くらいのスパンで引っ越しを繰り返しているんですが、例え同じ専有面積であっても、間取りが変わるとそこにフィットする家具も全然変わってくるなと感じていて。なのでその都度、家具の買い直しをしていたんです。

しぶ それはすごい! たしかにインテリアに凝っていると床の色や壁ひとつとってもそれとマッチするかどうかが気になるから、持ち越すのではなく買い替えたくなるというのはわかります。

久保 我慢して使うこともありますが、やっぱりちぐはぐな家具だと居心地が良くないなと。そうなると、買いかえるのには当然お金と労力がかかるし、捨てるのにもお金と労力に加えて、「まだ使えるのに」という罪悪感が残る。だから、家具を所有するのではなく、もっと自由なタイミングで欲しいものを欲しいときに使えるようになったらいいなと思ったのがきっかけなんです。

しぶ たしかにみんな、家は中古を賃貸契約するのに、家具だけはその都度新品を買うというのはおかしいなと思っていました。

久保 そうなんです。このサービスについて話すと、最初の反応として「ひとが使った家具は嫌!」みたいなものがあって。でも、いやいや、よく考えてみて欲しいと。家というのは生活の汚れが一番つくのに、それは何も気にせずみんな中古の家に平気で住むんですよ。極端な話、事故物件とかですら気にせずに住む方もいたりするじゃないですか。だから、実はぼくらが普通にやっていることの延長線上というか、むしろ家具をシェアするのはもっと難易度が低いことなんだよっていう。

しぶ オリジナルの家具も作っているんですよね?

 

久保 はい。なぜかというと、元々リペアをかけられることを前提として作られた家具でないと、次のひとに回せないんですよ。安く作られたものだと、一度傷がついたり凹んだりするとリペアがきかないんです。でも、きちんとしたものを作っていれば、表面の傷をカンナで削ってちょっと表面を塗り直せば、新品同様になるんです。それが5年6年、なんなら10年と使い回せる。エコという観点でも、サスティナブルなサービスを作るというのもひとつの目標としていましたから。

もっと自由に家具を使いまわしてもらえる世界が作れるんじゃないかなって思っています

しぶ 一つの家具のレンタルに月500円からというのは、消費者としては、とても安くてありがたいと思うんですが、ビジネス的に見た時に500円でどうやって元をとるんだろうというのは結構気になっていました。

久保 安いとおっしゃっていただいて光栄なんですけど、実は僕はまだ高いと思っていて。もっと安くしたいんですが、今の段階でこれ以上価格を下げちゃうと、それこそ最初に必要なお金が数十億の単位でかかってきちゃうので、ひとまずは今の料金設定にしてあります。

なぜこの料金設定でいけるかというと、先ほどお話した通り、元々リペアできるようにしっかり作っているので、ひとつの家具を長い間使い回せる。その中で、家具の製作原価を回収できればいいかなというくらいのロングスパンで考えているんです。それに、原価の回収期間が終わったあとは、ひたすら利益を生み出してくれるものに変わるんです。そうなった時に、もっと価格を下げたい。もっと自由に家具を使いまわしてもらえる世界が作れるんじゃないかなって思っています。

しぶ すごくいいですね。実際にどういった家具を揃えているのか気になります。

久保 基本的に、ワンルームの一人暮らしからファミリーまでほぼ対応できるラインナップを揃えています。ベッドはシングル、セミダブル、ダブルとか、デスクも一人用デスクから6人で食事ができるテーブルまで。ソファは2人用、3人用、カウチ。もちろんテレビボードや収納など、ひと通りの家具は全部揃う感じです。

しぶ ちなみにベッドはいくらですか?

久保 ベッドはシングルが月1000円です。

しぶ おお、安い!

久保 実は、初期の段階ではベッドをラインナップに加えるかどうか悩んでいたんです。というのもベッドは一番回収期間が長い、というか高いんですね(笑)。出れば出るほど最初はちょっとしんどい。でもやはり、一人暮らしを始めたいというのであればベッドは必須だよねと。だから、そこは利益を削ってでも安く出したいというところでシングルは1000円からにしました。

しぶ 一番優先順位高いですもんね。僕も1回計算してみたんです。仮に月3000円分家具をまとめて借りたとして、2年使ったら3000円×24カ月で72000円じゃないですか。72000円でいつでも手放せる身軽さとオシャレな家具を持てるとしたらこれはとても良いなって。

目指すのはライフスタイルの変化に自由に対応できる世界

しぶさん自身、本で書かれていましたが、今は床で寝ているけど彼女ができたらベッドを買うと。そういうライフスタイルの変化にも自由に対応できますよね。

久保 まさに僕が目指している世界はそれなんです。生きていれば、環境の変化って必ず起きるじゃないですか。特に20代半ばから30代前半はすごいペースで。例えば、彼女ができて同棲したり、結婚して子どもができたり、ちょっと広いところに引っ越したりもそうだし。こういう人生の変化が、なんなら1年ごととかに来る。その都度、ベストな家具に買い替えていったらとんでもない額になりますが、レンタルなら借り替えちゃえばいいだけですから。同棲していたからダブルベッドだったのが、別れて邪魔になったからシングルに戻すとか(笑)、そういう調整がきくんです。

しぶ ぼくはミニマリストになって3年くらいがらんとした部屋に住んでいるんですけど、彼女ができた時は寝具ふたつ買って一緒に寝泊まりしていました。でも3ヶ月で別れちゃいまして(笑)。だから結局その寝具は捨てたんですけど、買うのにも捨てるのにもお金がかかって、すごくもったいないことをしたなと。

久保 あと別れた時によく聞くのが、すぐにでも家を出ていきたいけど先立つものがないからしょうがなく一緒に住んでいると。あとは引っ越したはいいけど、家具がなにもないとか。僕の友人でも同棲解消や離婚などあって、早くサービス始めてくれって声があがっているくらいです(笑)。

しぶ 入口と出口のハードルの低さってすごい大事ですよね。僕は物を持つ時、簡単にメルカリで売れるかとか、捨てずにひとに渡せるかとかをすごく考えるんですが、家具って一番それが難しくて。仮にメルカリで売ったとしても値段はたかがしれているし、運送するのがまたコストだし。それを初期費用基本無しでやってくれるというのは、本当に需要あると思います。

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