Interview

NormCore シンフォニックロックユニットとしての進化が見てとれる新作は、シンガーソングライター“まふまふ”とのコラボ。作品のポイントとテーマを訊く。

NormCore シンフォニックロックユニットとしての進化が見てとれる新作は、シンガーソングライター“まふまふ”とのコラボ。作品のポイントとテーマを訊く。

2017年11月にシングル「それでも僕は生きている」でデビュー。2ndシングル「傷だらけの僕ら」がTVアニメ「一人之下 羅天大醮篇」の主題歌に起用されるなど、着実に注目度を高めている“シンフォニックロックユニット”NormCore。“まふまふ”とのコラボによる3rdシングル「カウントダウン」はTVアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとして大きな話題を集めている。
メンバー全員が音大出身。高度な音楽性とビジュアル性の高さを併せ持ったNormCoreのコンセプト、彼らにとっても大きなターニングポイントとなるであろう「カウントダウン」について、ネットミュージックシーンでも活躍する中心メンバー・Fümiに聞いた。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志

その都度クレバーな選択をしながら、お互いにメリットになる活動ができたらいいねって

シングル「それでも僕は生きている」でデビューしてから約10カ月。アニメのタイアップ曲「傷だらけの僕ら」を含め、順調な活動が続いている印象ですが、Fümiさん自身の手応えはどうですか?

特にイメージがないままデビューしたので「思い描いたことが出来ていない」ということはないですね。「ライブハウスを地道に回ることはしない」とか、大まかなビジョンしかなかったんですよ、ホントに。タイアップもそうですが、そのときの状況に対して臨機応変に対応しながら楽しんでいけたらいいなという感じだったというか。

ライブハウスを地道に回るのは、確かにNormCoreのイメージではないかも。

ネット配信のほうが効率いいですからね。50万人くらいの人に聴いてもらって、そのうちの1万人が興味を持ってくれたらいいというか。僕は最先端のメディアやカルチャーが好きだし、情報に関していえば、知らないことが許されない時代だと思っていて。だから僕らがやっていることは先駆者でも何でもなくて、当たり前だと思うんです。いまの中高生はもっとすごいですからね。YouTubeにおもしろい動画を配信して、ユーザーに投げ銭してもらって稼いでる子もいるだろうし。無限の可能性がありますからね、ネット社会には。僕がやりたいのは銀座のど真ん中にラーメン店を出すことではなくて、すごく美味いカップラーメンを作って、それをYoutuberに紹介してもらうことなんですよ。

なるほど。様々なエンターテインメントが存在するなかで、音楽を軸にしているのはなぜですか?

まずは音楽が好きだからでしょうね、月並みですけど。メンバー3人とも好きな音楽が違うんですけど、そこはいい意味で大人の関係というのかな。汗だくになって「共同体としてがんばる」みたいな関係はもともと苦手だし、その都度クレバーな選択をしながら、お互いにメリットになる活動ができたらいいねっていう。二人(ヴァイオリ二ストのTatsu、ギタリストのNatsu)は音大の後輩なんですが、クラシックを突き詰めながら、「ポップスもありだよね」というスタンスの人ってけっこう少ないんですよ。

将来的には映像作品の音楽をすべて監修してみたいと思っていて

“シンフォニックロック”というコンセプトも明瞭ですよね。クラシカルなサウンドはアニメ、映画などとも相性がいいだろうし。

3人組のユニットなんて珍しくもなんともないので、自分たちのベースであるクラシックを活かそうと思って。アニメや映画の音楽は、まさにそれがいちばんやりたいことなんです。主題歌や挿入歌だけではなくて、将来的には映像作品の音楽をすべて監修してみたいと思っていて。もともとサントラも好きなんですよ。ドラクエ、聖剣伝説、キングダムハーツとか。特に下村陽子さん(数多くのゲーム音楽を手がける作曲家)の作品は本当に秀逸だと思います。

では、ニューシングル「カウントダウン」について聞かせてください。TVアニメ「名探偵コナン」の主題歌として既に注目されていますが、この曲は“まふまふ”さんとのコラボレーション。まふまふさんにオファーしたのはどうしてですか?

まずは僕自身が単純に好きで、リスペクトしているからですね。面識はなかったんですが、まふまふさんが作る楽曲のクオリティの高さだったり、SNSの使い方などを含めて、すごく現代的なアーティストだと思うんです。いまって1点だけで勝負しても何も生まれないんですよ。最初から“面”を意識して、構築していかないと。それが出来る人なんですよね、まふまふさんは。完全に時代にフィットしているし、感性が滞ってないというか。SNSを通してリアルタイムでユーザーとキャッチボールしていないとわからないことってたくさんあると思うんですよね。あとは「コナンを傷つけないようにしたい」という気持ちもありましたね。

まふまふさんだったらコナンの世界観に合っていて、なおかつNormCoreにも合うサウンドを作ってくれるはずだと思ったので

どういうことですか?

NormCoreの名前を知らない人が大半だと思うんですよ。それは自虐ではなくて事実なので、自分たちだけで主題歌をやらせてもらうのは、コナンという作品に対して失礼かなと。だからこそ、まふまふさんの力が必要だったんです。まふまふさんだったらコナンの世界観に合っていて、なおかつNormCoreにも合うサウンドを作ってくれるはずだと思ったので。実際、すごくいい曲になりましたからね。ちょっとスケジュールがタイトだったのは大変だったけど(笑)。

制作に対してはどんなやりとりがあったんですか?

コナンの主題歌なので、やはりミステリアスな雰囲気のマイナー・アッパーチューンかなと。こちらからリファレンスになるような曲をいくつか送らせてもらったんですが、間違いないと思える楽曲を上げてくれて。歌詞は僕とまふまふさんの共作ですね。劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」の安室透もそうですけど、最近の作品は主人公のコナンくん、蘭ちゃん以外のキャラクターも人気じゃないですか。でも、僕にとってのコナンの思い出は、家族で一緒に見ていたテレビのアニメだし、やっぱりコナンくんと蘭ちゃん。今回の歌詞に関しても、その関係をシンプルに描きたいなと思っていました。まふまふさんはふたりの葛藤、一瞬の刹那をテーマにしてくれて、いい感じで歌詞が組上がっていきましたね。単行本を読み直したりしましたね。「あのエピソードって、どんな感じだったかな?」というのを確かめて、印象的なシーンを歌詞に反映させたり。

視聴者の反応はどう受け止めていますか?

おおむね好評だったので安心しました。まふまふさんのファンの方が喜んでくれているのも嬉しかったですね。「まふ君の名前がコナンで見れて感動」とか。このタイミングでコナンに関わらせてもらえることは僕の人生設計のなかでもすごく大事だったし、まふまふさんにお願いして本当に良かったと思いますね。

テーマとしては、10代に刺さるということですね

カップリング曲の「モハンカイトウ」はFümiさんの作詞・作曲。クラシカルなロックサウンドはNormCoreの王道と言えそうですね。

せっかくコナンの曲と一緒に聴いてもらえる曲だから、いま自分がやりたいことをやろうと思って。テーマとしては、10代に刺さるということですね。ウソ偽りのない大人のメッセ—ジを伝えたかったというか…。僕自身が音楽やクリエイティブを続けているのは、社会や大人に対するカウンターでもあるんです。同じような思いを抱えている若い人に対して「がんばれ」とは言えないけど、「わかるよ」ということは伝えたくて。「それもいいと思うよ」という大人がいるとわかるだけでも、ちょっとは違うと思うんですよね。

確かに。Fümiさんって、教師に対して論理的に反抗してそうですよね。

そうだったかもしれないです(笑)。もちろん素晴らしい先生、人生を変えてくれた先生もいましたけどね。ぜんぜんカッコつけてなくて、「よくわからないけど、やりたいんだったらやってみたら? もしダメだったら、そのとき話そう」って言ってくれるような。「とりあえず進学しろ」みたいな先生はイヤでしたけど。

現在はどうですか? ITの分野、ネットカルチャーには若いクリエイターも多いし、やりやすくなってる気もしますが。

そうですね。「モハンカイトウ」に“いつか誰かと分かち合えるから”という歌詞があるんですが、活動を続けるなかで、感覚を分かち合える人との出会いも増えているので。映像でも音楽でもそうですけど、クリエイターだけに見えている景色があって、そのギャップを埋めるために作品を生み出していると思うんです。それを共有できたときは「やっていて良かった」と思いますね。

3次元で会える場所があるというのも、正解のひとつだと思うので

9月8日にはワンマンライブ「NormCore Night Vol.2」が開催。Fümiさんのなかでライブはどういう位置づけなんですか?

さっきも言ったようにライブハウスを地道で回ることはしないんですが、ユーザーの方と直接触れ合える場所は必要だなと思っていて。シングルのリリースイベントもそうだし、ワンマンライブもそう。ワンマンは2度目なんですが、これからも定期的にやっていきたいですね。3次元で会える場所があるというのも、正解のひとつだと思うので。

その他のNormCoreの作品はこちらへ

ライブ情報

NormCoreワンマンライブ「NormCore Night Vol.2」

2018年9月8日 CIRCUS Tokyo

NormCore / ノームコア

ボーカルFümiが指揮を執る音楽プロジェクト“NormCore”(ノームコア)。
Fümi (ボーカル)、Tatsu (ヴァイオリン) 、Natsu (クラシックギター)の3人で構成されるシンフォニックロックユニット。
メンバー全員が音楽大学卒業という華麗な経歴を持つ。
激しいロックサウンドをベースにしながらも確実な音楽偏差値の高さに裏打ちされたメロディーとシンフォニーの美しさが唯一無二のアンサンブルを織りなす。
Fümiのハイトーンボイス、Tatsuのヴァイオリン、Natsuのクラシックギターという個性が3人でしか表現できない“NormCore” の麗美な世界へ誘う。

オフィシャルサイトhttp://normcore.beinggiza.com

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