Interview

田村 心&小沼将太が『最遊記歌劇伝-異聞-』で人間の“青春”と“生と死”について、さらにふたりの甘酸っぱい“思春期”の思い出を存分に語る

田村 心&小沼将太が『最遊記歌劇伝-異聞-』で人間の“青春”と“生と死”について、さらにふたりの甘酸っぱい“思春期”の思い出を存分に語る

原作の峰倉かずやの大人気コミック『最遊記異聞』は、ポップで軽やかで、ほんのり甘くほろ苦い“青春”を感じさせる作品となっている。 そんな原作を元に、つい先頃の『GRIFF 7』の脚本で話題をさらった三浦 香が作・演出を手がける『最遊記歌劇伝-異聞-』が、9月4日(火)から、東京ドームシティ シアターGロッソにて上演される。 今作が初主演となる田村 心は、のちに光明三蔵となる峯明(ほうめい)を演じ、小沼将太が彼のライバルであり友である桃醍(とうだい)を演じる。どんな座組みになるか期待はつきないが、彼らのインタビューから、今作にかける意気込みや熱意、誰にでもあるアドレッセンスの輝きを感じてほしい。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


あまり考え込まずに楽しく演じたい

『最遊記歌劇伝-異聞-』は、峰倉かずやさんの大人気コミック『最遊記』シリーズを原作とした舞台です。原作をお読みになられた感想を聞かせてください。

田村 心

田村 心 それぞれのキャラクターの繋がりが深く描かれているし、みんな個性が強くて、先の展開が気になるお話で面白かったです。早く続きが読みたくてワクワクします。

小沼将太

小沼将太 僕らが普段読んでいる漫画やアニメにはない人間味があるドラマが多く、さらに作品から滲み出るテーマがスッと読者の心に響くので、僕らもありったけの想いを込めて演じたいですね。

田村さんはのちの三蔵法師となる峯明を、小沼さんは桃醍を演じます。

田村 いつもニコニコしているキャラクターで、絶望的なぐらい面倒事が嫌いでマイペースなのに、頭が切れて実力があるというユニークなキャラクターで、役者として挑戦しがいがあります。稽古場で演出の三浦 香さんから「ニコニコしていなさい」と言われたので、あまり考え込まずに楽しく演技をしたいです。

小沼 峯明と深澤大河さんが演じる玄灰(げんかい)とつるんでいるキャラクターで、お調子者の峯明にツッコミを入れる真面目で体育会系のどっしりした役柄です。

みんなで坐禅を組んで、マントラを唱えていたら……

具体的にどのように役作りをしていこうと思いますか。

小沼 原作では、体育会系で、真面目以外にも“二枚目”という設定があったのですが、台本の登場人物紹介では書いてなくて……それって僕が演じるからかな(笑)?

田村 そんなことないですよ。

小沼 そうだといいんだけれど(笑)。とにかく、マントラという、一種の呪文を唱えるシーンがあるのですが、実際に唱えたことがなかったので、“マントラヨガ”をしている動画を観て勉強したのですが、“ヨガ”だったので、あまりマントラの勉強にはなりませんでした。

田村 ええ!

小沼 それは冗談で(笑)。そういったものに、かならず演技のヒントがあるだろうし、みんなでトライしたら絶対にプラスになると思って試行錯誤しています。きっと、みんなで坐禅を組んで、マントラを唱えていたら面白い画になるよね。

田村 (笑)。僕は先ほど言ったようなキャラクターなので、やはり“自由”にのびのびと演じつつ、玄灰と桃醍との関係性も大事にしたいです。実際に、稽古場で深澤さんと小沼さん、3人がそれぞれ想像しているキャラクターをぶつけながら、お芝居に活かせたらと話しています。

小沼 そうだね。そうすると面白い化学反応が舞台上に生まれるかもしれません。

“やばい”ぐらいに出来上がった空気感がカンパニーに満ちている

稽古場の雰囲気はいかがでしょうか。

小沼 よ、初座長! 言ってやってください!

田村 やめてくださいよ(笑)。本当に良い雰囲気だと思います。稽古前に筋トレをしている役者も、稽古後に居残りで特訓をしている役者もいるし、それぞれのキャラクターに扮して、掛け合いで演じる“エチュード”をしたり、みんなで作品のことを共有しながら、とても有意義な時間を過ごしています。

小沼 稽古は途中からの参加でしたが、“やばい”ぐらいに出来上がった空気感がカンパニーに満ちているし、演じる意欲がある人が多いので、みんなに負けないように追いつきたいです。そんな気持ちに駆り立てるのは、やっぱり稽古場の雰囲気が良いからですね。

田村 稽古はハイペースですよ。最初の立ち稽古で台本は手から離していたし、僕も焦りました。

小沼 やばいなあ(笑)。

歴史ある作品の中で

『最遊記歌劇伝』シリーズは10年ほど続いていますから、歴史のある作品だと思います。プレッシャーはありますか。

小沼 まずは、今作はこれまでの作品を繋げるような役割がありますから、前作からどういう風に演じたり歌ったりするのか、過去の映像や脚本をお手本に、みんなで完成させたい想いの方が強いです。

田村 もちろん、プレッシャーも感じますが、今まで作り上げてきてくださった方へのリスペクトを忘れずに、しっかり演じていきたいと思います。

先ほども、小沼さんから掛け声がありましたが、今作で、田村さんは、初主演・初座長となります。

田村 とにかく、一生懸命に演じる姿を見せたいと意気込んでいたのですが、そんなことを考えなくても、それぞれの役者が率先して考えて演じてくださる方ばかりなので、むしろ甘えるぐらいの気持ちで、リラックスして良い座組みにしていきたいです。具体的にはみんなでご飯にいったり、コミュニケーションをしっかりとって“座長”として受けいれてもらえたら嬉しいです。

小沼 彼はいつも周囲に気を配っているから、初座長ということは心配していなくて。僕は、稽古場ではかならず誰かと誰かの“正義”がぶつかり合う状況が起きると思うので、みんなの仲裁に入って、座長も支えるようなポジションでいたいです。僕が初座長の時は、変に身構えてしまって緊張して、もう嫌だと思った時すらありました。彼にはいろいろな衝突とか自分の悩みでそんな風になって欲しくないし、初座長は楽しかったと思ってもらいたいので、彼を楽しませるサポーターになりたいですね。

みんな楽しく稽古ができる環境作り

それでは、今作で演出・脚本を務める、三浦 香さんの印象を聞かせてください。

田村 みんなでキャラクターの過去を掘り下げる時間を作り、僕らが演じ切れていない部分は明確にダメ出しをされる。とても稽古をしやすい空気をつくってくれるので、みんなで切磋琢磨しながら稽古ができる環境作りに力を注いでくれます。

小沼 僕たちがキャラクターのバックボーンを考えて三浦さんに伝えると、三浦さんはちゃんと僕らの意見を受け入れてくれる。やはり、役者を信用してくれているからこそなので、役者の心をつかんで離さない方です。顔合わせの時に、「すごく厳しくいうこともあるけど許してね」とおっしゃっていましたが、まだその一面が見えないので、ちょっと怖いけれど(笑)。

田村 そうですね(笑)。

さらに歌劇ということで、音楽も大切になってくると思います。音楽は『最遊記歌劇伝』には欠かせない浅井さやかさんですね。

田村 今までの『最遊記歌劇伝』をご覧になられた方でも驚くような壮大な音楽になっています。

小沼 歌詞は、登場人物の脚本には描かれていない部分にもフォーカスを当てていますし、曲はキャラクターに感情移入できるものになっていますから、素晴らしい音楽を作っていただいて感謝しています。

田村 ロックがあって、バラードがあって、様々なジャンルがあるので楽しいです。

小沼 バリエーションが豊富だよね。

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