LIVE SHUTTLE  vol. 290

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同じDNAを受け継ぐ2組のユニット、accessとTRFがついに競演! アンコールではTMNの名曲で夢のコラボも実現した。

同じDNAを受け継ぐ2組のユニット、accessとTRFがついに競演! アンコールではTMNの名曲で夢のコラボも実現した。

access ×TRF ~25thAnniversary Joint Live~
2018年7月27日 東京国際フォーラム ホールA

92年11月デビューのaccessと93年2月デビューのTRF。ほぼ同級生。しかも、accessの浅倉大介は、小室哲哉に才能を認められ、アーティスト活動をスタートさせ、一方のTRFは、言うまでもなく90年代の小室ブームを牽引した、同じDNAを持つ者同士。その彼らが25周年の節目に初のジョイントライブを行った。

まずはTRFから。客席が暗くなると、キックが鳴る。それだけで拍手と歓声が沸く。そして、一瞬の無音。♪masquerade……。切ない声が響く。たったワンフレーズですべての観客の胸を撃ち抜く。小室マジックを、音楽の力を、再確認した。

時代を越え、スタンダードナンバーになった「masquerade」。儚さと情熱を合わせ持つYU-KIのボーカル。ラグジュアルなETSUとCHIHARUのダンス。ユニットの要のDJ KOO。貫禄を漂わせて踊るSAM。まさに円熟のTRFがそこにいた。

続けて「寒い夜だから…」と「Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜」。オープニングから超豪華な3連発。これまで何千回も歌い、踊り、パフォーマンスしてきた者だけが到達できる領域に彼らはいる。何千回もシンクロしてきた者だけが放つことのできる美しさがそこにあった。

MCでYU-KIが言った。「今日はaccessファンの皆さんもTRFファンのみんなも一緒に、クラブみたいに、もしくはカラオケみたいに楽しみましょう!」

「Unite! The Night!」から「Love & Peace Forever」へつなぐメドレー。思い起こせば、この「Unite! The Night!」は長野オリンピックがあった1998年の曲。時折、長野オリンピック開会式(伊藤みどりの聖火点火シーンなど)をテレビで見ると、隔世の感を禁じ得ないが、TRFの場合は、いうなれば超世だ。時代を超越。極論すれば、昨年の新曲と言われても違和感を覚えないだろう。

なぜか。TRFが今なお現在進行形だから。現役だから。30年超のキャリアをほこる某ロックバンドが言った。自分たちが現役である限り、自分たちがライブ活動を続けている限り、自分たちのオリジナル曲は懐メロにならないと。そう、楽曲が時代を越えるか否かは、そのもののクオリティーもさることながら、表現者によるところが大きいのかもしれない。25周年を迎えたTRFもそれを実感しているに違いない。

ステージに話を戻そう。バラード「LEGEND OF WIND」。歌詞の冒頭に出てくる“水色とオレンジがまざりあった”照明。バックトラックの音の数が、ここまでの曲と比べると、圧倒的に少ない。つまり、音と音の隙間が大きい。風通しがいい。YU-KIの声が、言葉が、そよぐ風に乗り、一言一句がハッキリ聴こえる。♪夏の扉は……。小室哲哉の作詞だから、彼に大きな影響を与えたロバート・A・ハインラインが著したSF小説『夏への扉』と重ねると、この歌詞に隠されたメッセージや情景に触れることができるだろう。この曲ではダンサーは登場しなかったが、DJ KOOはアコースティックギターで参加。

「LEGEND OF WIND」がアクセントになり、次の「CRAZY GONNA CRAZY」から「EZ DO DANCE」のメドレーがなおさら盛り上がる。すべての観客が一緒に歌う。すべての観客が満たされている。「EZ DO DANCE」のサビでの〈フーッ〉も、すべての観客が笑顔爆発。やはりTRFのコンサートに行ったら、あの〈フーッ〉言いたいよね。テンションMAXのまま、「Where to begin」へ。次曲の「BOY MEETS GIRL」のイントロでYU-KIが観客に言う。「この曲、知ってる人?」。すべての観客が〈Yeah!!!!! 〉。もちろん大合唱。嗚呼、これぞまさに永遠の青春アンセムだ。

TRFの締めは、accessを呼び込み、「survival dAnce 〜no no cry more〜」。初共演とは思えない相性のよさ。それはきっと同じDNA以上に、彼らの25年間の経験値によるところが大きい。数えきれないほどのシチュエーションを経験した者同士だから、受け入れるのも、受け入れられるのも、自在なのだ。SAMに近づき、ステップを合わせる浅倉。この貴重な時間を楽しまなくちゃというポジティヴなマインドが伝わってきた。ちなみに終演後に尋ねると、リハーサルのときからSAMに習っていたそうだ。

15分の休憩を挟み、accessのステージへ。

accessを初めて観る、TRFファンを意識したのか、シングルヒットした「夢を見たいから」で幕開け。続いての「SCANDALOUS BLUE」は、TRFとも縁のある曲。というのは、共に初出場だった第45回紅白歌合戦でのこと。先行の紅組のトップバッターだったTRFの「BOY MEETS GIRL」に続き、白組トップバッターだったaccessが演奏した曲だから。毎春恒例のツアー〈ELECTRIC NIGHT〉では、最新のグルーヴを取り入れ、原形とは異なるアレンジで演奏しているが、この日はaccessにしてはオリジナルに近い形だった。

このまま90年代シリーズを続けるかと思ったら、その予想を軽く覆す、2014年の「Vertical Innocence」へ。浅倉がショルダーシンセでステージ前方へ。相棒の貴水博之はいつ見ても立ち姿が美しい。立ち姿?と思われるかもしれないが、フロントマンにとっては非常に重要だ。ボーカリストが飛んだり跳ねたり、踊ったりしている姿は、役者ならアクションシーン。しかし、立ち姿は無言の傍観。テレビやドラマなど、映像作品なら、棒立ち演技はカットできても、舞台ではそうはいかない。しっかり演じなければ、場が成立しない。さらにこの東京フォーラムAホールくらい大きな会場になると、表情は伝わりづらい。だから、場の主役であるボーカリストの立ち姿がなおさら重要になる。ライブハウスしか経験のないボーカリストは、この重要さを知らない。バンドのボーカリストの半分以上は、そこに気づいていない。しかし、いつの頃からだろうか、25年のどこかで、あるいは徐々にだったか、貴水はその極意を会得した。

バラード「TRY AGAIN」。またたく星を思わせる照明。涼やかな浅倉のピアノとセンチメンタルな貴水のボーカルがひとつになる。サビからは、サウンドが一気に分厚くなった。クールなリズム、メロディックなベース……。これも浅倉マジック。すべての観客をここではないどこか、別世界へと連れて行く。そして、最新アルバムの表題曲「Heart Mining」。いわばaccessの最新も披露した。

「NIGHT WAVE」「LYIN’ EYES」「AGAINST THE RULES」は、access初期の踊れるナンバー。この25年で、ユーロビート→トランス→EDMと、時代の旬を取り込み、進化してきた3曲。浅倉は、キーボード・プレイヤーというよりDJのようにリアルタイムで思うままに音を扱う。15年以上もクラブDJを続けている彼ならでは。同時に、サウンドがいきなりどう変化しようが、動じることなく歌える貴水の安定感があればこそ。

バラードで始まり、倍速になる「Knock beautiful smile」。たおやか、という美しい表現が似合う曲だ。「MOONSHINE DANCE」と「DRASTIC MERMAID」は、この25周年でさまざまなアレンジが施されてきたaccessのライブには欠かせないナンバー。「MOONSHINE DANCE」からは、70年代のエレクトリック・ディスコサウンドの、もっといえばジョルジオ・モロダーの匂いがした。しかし、ただ懐かしいだけではない。なぜなら、モロダーがプロデュースしたドナ・サマー「Hot Stuff」(1979年)の最新リミックスが、アメリカのダンスチャートにおいて、6月末に1位を獲得したばかりだから。そこを踏まえると、世界最新の音を連想される「MOONSHINE DANCE」だったといってもいい。

YU-KIを呼び込み、「CRAZY GONNA CRAZY」で共演。彼女と貴水のダブルボーカルが新鮮。また、女性をエスコートする、貴水のそれとない仕種も、さすが。すべての女性にやさしい彼ならでは。浅倉は、ひたすら楽しそうにショルダーシンセサイザーを抱え、ステージを走る。このGoing My Wayなところも浅倉ならでは。その浅倉の肩に腕を回し、顔を寄せて歌うYU-KI。この姉貴な存在感も彼女らしさ。相性抜群。

accessの締めは「永遠dive」。全員でタオルを回し、笑顔と汗の大放出。

アンコールは、accessとTRFが再びステージに集結。彼らが引き継ぐDNAの代名詞ともいえる曲、TM NETWORK「Get Wild」をカバー。この選曲も含め、すべての観客が満足しただろう。同時に、すべての観客が何か大きな伸びしろを見たはずだ。

DNAを受け継ぐとは、過去の再生ではなく、進化だと確信もした。その進化がどのようなものかは、我々はおろか、まだ彼ら自身すら知らない。これからの時間が教えてくれる。しかし、無責任な期待は膨らむ。TRFがTK(Tetsuya Komuro) Rave Factoryであるなら、accessと合体したときの名称は、DA(Daisuke Asakura)Rave Factory、つまりDRFでもいいのではないだろうか。他に類を見ない貴水とYU-KIのツインボーカル。右に出る者がいないレジェンドダンサーたち。衣装の派手さを競っているかのような(笑)浅倉とDJ KOO。親和性の高い彼らにしか実現できない冒険なのだから、いざ行かん、進化の旅路を。

取材・文 / 藤井徹貫

access ×TRF ~25thAnniversary Joint Live~
2018年7月27日 東京国際フォーラム ホールA

SET LIST

TRF
01.Masquerade
02.寒い夜だから…
03.Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~
04.Unite! The Night!~Love&Peace Forever
05.LEGEND OF WIND
06.CRAZY GONNA CRAZY~EZ DO DANCE
07.Where to begin
08.BOY MEETS GIRL
09.survival dAnce~no no cry more(feat.access)

access
01.夢を見たいから
02.SCANDALOUS BLUE
03.Vertical Innocence
04.TRY AGAIN
05.Heart Mining
06.NIGHT WAVE
07.LYIN’ EYES
08.AGAINST THE RULES
09.Knock beautiful smile
10.MOONSHINE DANCE
11.DRASTIC MERMAID
12.CRAZY GONNA CRAZY(feat.YU-KI)
13.永遠dive

access×TRF
EN Get Wild

ライブ情報

access

access TOUR 2018 WINTER

12月1日(土)埼玉:三郷市文化会館
12月9日(日)東京:中野サンプラザ
12月15日(土)千葉:舞浜アンフィシアター
12月16日(日)千葉:舞浜アンフィシアター
12月23日(日)愛知:アイプラザ豊橋
12月24日(月・祝)大阪:オリックス劇場

【TRF】

氣志團万博2018
9月15日(土)千葉:袖ヶ浦海浜公園

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを始め、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。25周年記念ライブなどを収録した映像BOX『access double decades+half Live Anniversary BOX』が絶賛発売中。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp

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TRF

YU-KI(ボーカル)、DJ KOO(DJ、サウンドクリエーター)、SAM(ダンサー)、CHIHARU(ダンサー)、ETSU(ダンサー)からなる5人組の音楽ユニット。1992年9月結成、1993年2月25日にメジャーデビューした。ダンス系テクノをポップミュージックに導入した日本初のレイヴユニット。小室哲哉プロデュースのもと、90年代を中心に数々のミリオンヒット曲を連発し、デビューからわずか2年でCD総売上枚数が1000万枚を突破、また5作連続でミリオンセラーを記録するなど、まさに一時代を築き上げた。デビュー25周年を迎えた今年も、様々なライブイベントに出演している。

オフィシャルサイトhttps://trf.avexnet.or.jp/

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