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シド 15周年スペシャルインタビュー【後編】〜アルバムもツアーも楽曲もすべて「いちばん好きな場所」にしたバンドの熱と勢い

シド 15周年スペシャルインタビュー【後編】〜アルバムもツアーも楽曲もすべて「いちばん好きな場所」にしたバンドの熱と勢い

前編に引き続き、シド「15周年スペシャル企画」メンバー全員インタビューの後編をお届けする。2018年下半期の活動といえば、まず8月22日にリリースしたばかりのキャリア初のミニアルバム『いちばん好きな場所』だ。さらに、この5曲入りの作品を掲げて9月からスタートする“SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 「いちばん好きな場所 2018」”について4人に大いに語ってもらった。ツアーに参加するファンは必読だ。

取材・文 / 東條祥恵

【前編】はこちら
シド 15周年スペシャルインタビュー【前編】〜多彩な “顔”を見せたライブハウスツアーの思い出あれこれ

シド 15周年スペシャルインタビュー【前編】〜多彩な “顔”を見せたライブハウスツアーの思い出あれこれ

2018.08.31

いままでやったことがないような曲の集め方をやっていて(ゆうや)

アニバーサリーイヤーもいよいよ後半戦に突入しました。下半期の幕開けとして、シドは8月22日にミニアルバム『いちばん好きな場所』をリリース。なぜ今回はミニアルバムという形態でのリリースだったんでしょうか。

マオ 正直言うと、本当はリリースするつもりはなくて。

え! そうだったんですか?

マオ ええ。だけどアルバム『NOMAD』を作って、制作に対する熱がもっと大きくなって。この勢いで何か作りたいねという気持ちが出てきて。そのときに「ミニアルバムぐらいだったらすぐに作れるんじゃない?」、「作ろうよ!」となって。せっかく作るんだったら次のライブハウスツアーに絡めてのものにしようと。絡めるんだったら「じゃあ、ツアーも、アルバムのタイトルも、曲も『いちばん好きな場所』にしちゃおうぜ!」って。そういう自分ら4人のいまの熱が反映されたツアーだし、作品ということでミニアルバムになりました。

4人の熱、勢いで出しちゃえと。

マオ そうそう。昔だったら見切り発車になりそうなところも、いまは個々のスキルが上がってるんでやれちゃうんだなと思いましたね。「作ろうよ」で、作れちゃったんで「すごいな」と思いました。

制作期間はかなり短かったんですか?

ゆうや そこは普通かな。でも今回、いままでやったことがないような曲の集め方をやっていて。ミニアルバムとライブハウスツアーを絡めてっていうことだったから、自分が思うライブで盛り上がれる曲というのをテーマに、作曲者が曲を作ったんですよ。それで、アルバムにはアッパーな3曲(明希作曲の「VOICE」、Shinji作曲の「reverb」、ゆうや作曲の「ラバーソール」)が入ってるんですけど。作曲者全員が同じテーマで書いた曲が、それぞれ1曲ずつ入るという曲の選考の仕方も今回が初じゃないかな。

マオ そうだね。いっぱい曲を持ち寄って、そこから選曲してといういつもの感じだと、今回のコンセプトと違うなと俺は思っちゃって。それだと堅苦しい気がして。せっかく勢いで作ろうってなったミニアルバムなんだから、その勢いのままそれぞれが「これぞライブだ!」って思う曲を出してみたら面白いんじゃない? って言ったら「面白いね」ってなって、この3曲が生まれたんです。

明希 ミニアルバムって、シドでは今回が初なんですよ。

ゆうや たしかに。マキシシングルまでだよね。やったことがあるのは。

Shinji ミニアルバムだけど楽しかったですよ。ギターがグイグイいく曲が多くて。アレンジは大変でしたけど。

作曲者が3人いるんで、三者三様のライブ感っていうのが際立ってる(明希)

アレンジも、今回はライブのことを想定して考えて行ったんですか?

Shinji そうですね。自分が作る楽曲だと、テンポ感とかライブで映えるものを意識して。そのなかで、いままでやったことのないノリをイメージして作りました。

歌詞も今回はライブに来てくれたオーディエンスを意識したものになってるんですか?

マオ アルバムの最初と最後は完全にそれだけをイメージして書いてます。

完成してみて、どんな手応えを感じていますか?

ゆうや ライブのためのアルバムができたと思います。先にシングルがあって、それを軸に作ったフルアルバムではないんで。今回は全部が新曲というとっても潔い感じで、それをライブで披露していくことになります。「VOICE」は先行で前のツアーでもやってましたけれども、それ以外はライブで初めてやることになる。会場のみんなといいセッションができたらいいな。ライブのためのミニアルバムですから、そこがうまくハモってくれたらいいなと思ってます。

明希 それぞれが描くライブのヴィジョンをすごく反映したアルバムなんで、シドは作曲者が3人いるんで、三者三様のライブ感っていうのが際立ってると思います。

そうですね。アッパーの3曲は曲調もノリも三者三様で、各々の個性が出ていて面白かったですね。

明希 ライブを意識した激しい曲もあるんですけど、そうじゃない静かな曲、バラード曲のなかにも強さ、重さがある。そういう5曲が今回は入ってます。とくに自分が作った「その未来へ」は、メロディーのシンプルさをすごく考えた曲で。1回聴いただけでみんなでシンガロングできるというのをイメージして作りました。みんなで合唱するのもライブの醍醐味ですからね。そこがまっすぐオーディエンスに伝わってくれたらいいなと思います。

Shinji 激しい曲から静かなものまで、曲の振り幅はすごくあるんですけど、どれもすごくライブを意識してる。ライブで定番になったらいいなという思いがありながら作ったので、お客さんもこれを聴いて「またライブに行きたい」と思ってもらえたらいいんですよね。

マオ シドとしては初めてのミニアルバムだから、ファンの皆さんはドキッとしたと思うんですけど。それだけで俺としては勝ちかなと(笑)。あとは聴いてもらって。内容は、いままでのシドらしさも残しつつ、新しい挑戦もしてるし。個々として作曲も作詞も。ここから始まる新しいシドを想像するには、ちょうどいいミニアルバムになったかなと思いますね。個人的には、好きなアーティストが途中でミニアルバムを出してくると、すっごいワクワクして好きになりがちだったんですよ。ほんっと個人的なことなんですけど。すごく強い曲だけが入ってるんで、リピートしてもフルアルバムを聴くより時間もかからないんで。いっぱい聴いて欲しいです。

ライブハウスというのは、いつまでたっても原点ですからね(Shinji)

では、このアルバムを提げて9月から始まる“SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR「いちばん好きな場所2018」”。こちらはどんなライブにしたいですか?

ゆうや シンプルにめちゃくちゃ楽しみです。すっごい久しぶりの場所とかが大量にあるので。ちょっと何年も会わないうちにシドはこんなに大人になりましたよ、最近のシドはこんな感じですよ、というのを全国の皆さんに観ていただくツアーになります。

明希 シドにとって“いちばん好きな場所”というタイトルを掲げてライブハウスを回るツアーは、ファンの方にとってもすごく意味合いを持っている。昔からやってるツアーなんですね。前にやった頃から成長して、大人になったシドを今回は観せに行くんですけど。でも、本質は、僕らはなにも変わってないよ、と。これからもできるだけみんなのそばで、ライブだったり音楽を届けられるようにやっていくので。そういうところも安心して遊びに来てくれたらなって思ってます。

元々“いちばん好きな場所”のツアーをやり出したきっかけはなんだったんですか?

ゆうや 原点回帰ですね。

明希 一番最初は2008年、インディーズからメジャーへ行くときにやったんですよ。これからシドとしてメジャーという一つのステップを踏み出すとき、メジャーに行っても俺らの原点はこういうことだよ、と。それを象徴してるのが“いちばん好きな場所”というツアーでした。そういう意味では、僕らは今年15周年を迎えて、これから16周年、17周年と向かっていく。そのなかで、進化や成長はしているけれど、僕らはなにも変わらないから安心してという気持ち。それを表現しているツアーでもあるのかな。

Shinji ライブハウスというのは、いつまでたっても原点ですからね。ライブハウスの対バンから始まって、そこで抜きん出て輝けるバンドじゃないと生き残れないんで。最近シドは大きい会場でやる機会が多いですけど、やっぱりこの小っちゃいライブハウスで「シドってライブハウスで観てもいいな」、「シドってすごいな」ってことを伝えられる。そういうツアーを目指したいですね。

マオ シドはこれまで過去に2回“いちばん好きな場所”というツアーをやってるんです。そのコンセプトというのが、みんなが一番好きで、みんなと一番近い場所である全国のライブハウスに、俺らが直接会いに行くよということなんで、そこをまず一番楽しみたいです。ファンの皆さんも、シドが近くまで会いに来てくれるというところを一番楽しみにしてくれてると思うんで。今回は『いちばん好きな場所』というミニアルバムを軸にしたセットリストを作って。あとは、それぞれの地方で、観に来てくれた人たちの一番の思い出になるようなライブを作っていきたいなというのが、今回のツアーの大事な目的ですね。

今回のツアーは“ご褒美ツアー”みたいな感覚があるんですよね(マオ)

そうして、みんなで原点を改めて確認していこうと。

マオ そうですね。最近、とくに15年やってきて思うことがあって。これまで自分が好きなことをやってきて。それが人の人生を変えたりとか、人が辛いときにそれで元気を出したりとか、騒ぎたいときにそれで一緒になって騒いだりとか。そういうことができるってすごい幸せだなって思っていて。なかなか世界に生きてる人全員がそういうことをできるかっていったら、そうじゃないと思うから。せっかく、そういう幸せな立場に立たせてもらってるんだったら、思いっきりその幸せを感じにいく。俺のなかで、今回のツアーは“ご褒美ツアー”みたいな感覚があるんですよね。

ご褒美とは?

マオ もちろん、どのライブも大事なんですけど。今回のツアーに関しては、いろんな地方に行って、いろんなヤツらと遊んで、いろんな美味しい飯を食ベて各地を回っていく、みたいな。本当に原点に帰って、メンバーやスタッフ、シドチームのみんなで幸せな気持ちを味わうツアーにしたいんです。仕事とは言いつつも、半分休みみたいな。休みではないんだけど(笑)。本当に好きなことだけをやって、みんなに喜んでもらえてる。それをもう1回確認できる場所が今回の“いちばん好きな場所”だと思っているので、とにかく楽しもうと思います。やりがいって、どんな職種でも仕事をやりながら見つけていくものなんでしょうけど。俺らの場合は、運良くやりたいことだけをめがけてやっていったらそれが仕事になってる。これって本当に幸せなことだと思うんです。でも、それが当たり前だって考えるんじゃなくて、「めっちゃ幸せだな」って、そう思ったほうがいいんじゃないかと。それを感じるためにも、このツアーで原点に戻りたいと思います。

その他のシドの作品はこちらへ


DLカード

Digital Interview Magazine表紙

※ミニアルバム『いちばん好きな場所』に「Digital Interview Magazine」が無料でダウンロードできるカードが封入されています。当サイト『エンタメステーション』責任編集で、今作についてのソロインタビューや、ライブへの思いなど、盛りだくさんの内容でお届けします。詳細はCDに封入されているダウンロードカードを参照してください。

ライブ情報

SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 「いちばん好きな場所 2018」

9月3日 神奈川 / CLUB CITTA’ よりスタート!

詳細はオフィシャルサイトでhttp://sid-web.info/

シド

SID(シド)/2003年結成。マオ(Vo)、Shinji(Gt)、明希(Bs)、ゆうや(Dr)からなる4人組ロックバンド。
2008年10月、TVアニメ『黒執事』オープニングテーマ「モノクロのキス」でメジャーデビュー。2010年の東京ドーム公演では4万人を動員。結成10周年となった2013年1月には、初のベストアルバムをリリースし、オリコンウイークリー1位を獲得。同年、横浜スタジアムで10周年記念ライブを開催、夏には初の野外ツアーで4都市5公演で5万人を動員し大成功を収めた。
2017年9月、3年6ヵ月ぶりのオリジナルアルバム『NOMAD』をリリース。同月からは全国ツアー16公演を実施した。
そして2018年1月1日。記念すべき15周年のアニバーサリーイヤーを、ワンマンライブ“シド 結成十五周年記念公演 「シド初め」”(Zepp Tokyo)で幕開け。5月からは“SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 2018”を敢行。そして9月から、いよいよ2010年以来となるライブハウスツアー“いちばん好きな場所2018”へと臨む。

オフィシャルサイトhttp://sid-web.info/