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新作『ファミスタ』国民的野球ゲームはとんでもなく進化していた!

新作『ファミスタ』国民的野球ゲームはとんでもなく進化していた!

バンダイナムコエンターテインメントの代表作であり、野球ゲームの代名詞といっても過言ではない『ファミスタ』シリーズ。1986年、ファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された『プロ野球ファミリースタジアム』を皮切りに、以後は任天堂ハードを主軸に展開し、現在までのシリーズ累計出荷本数は1,500万本を超えていることから、世代を問わず幅広い層から受け入れられている。そして、『ファミスタ』シリーズはめでたく生誕30週年を迎え、最新作『プロ野球 ファミスタ エボリューション』(以下、『エボリューション』)が、2018年8月2日にNintendo Switch用ソフトとして発売された。タイトルには“エボリューション(進化)”と冠しているが、Nintendo Switchというハードを舞台に、いったいどのように生まれ変わったのだろうか?

文 / クドータクヤ


野球ゲームの革命だった『ファミスタ』

ファミリーコンピュータの野球ゲームといえば、任天堂の『ベースボール』しかなかった時代に産声をあげた『ファミスタ』。単なる野球ゲームではなく、“野球ゲームの面白さを進化させた”ということに触れなければならない。それまでの野球ゲームといえば、球場や内外野を全体的に見下ろす視点ばかりだったが、『ファミスタ』では“ピッチャーとバッターを一画面内に収めた”ことで、1イニングごとの対決感をプレイヤーに与えることに成功した。また、『コンバット・マーチ』を模したBGMや、代打やリリーフといった試合中の選手交代など、テレビで見ている野球中継のような臨場感を味わいながらのプレイが大きな魅力だったといえるだろう。

そのほかにも、外野の選手をプレイヤー自らが動かせることで自由度が高まり、各選手のスタミナ、打力、走力といったパラメーター設定で感情移入がしやすくなり一投一打の喜びや悔しさをより一層感じることができた。以後もオリジナルのチームと球場を増やす試み、ピッチング・バッティング時のモーション増加、『スーパーファミスタ』からの球団・選手名の実名化など、時代とハードに合わせてさまざまな要素を加えつつ、“気楽に遊べる野球ゲーム”という不変性の提供を貫いた。これこそが『ファミスタ』らしいポイントだ。

今回の『エボリューション』では、シリーズ最多となるチーム数と1,000人を超える選手収録というアピールポイントを掲げており、日本野球機構の12球団以外にプロ野球の独立リーグや東京六大学野球、日本女子ソフトボールリーグ選抜や日本女子プロ野球の選抜チームなど、総勢25チームに及んでいる。『ファミスタ』オリジナルチームとしては、江夏豊氏や松井秀喜氏が率いる名球会選抜、桑田真澄氏や中畑清氏らが名を連ねるOBクラブのほか、ナムコの名作タイトルを模した『ファミスタ』シリーズおなじみのナムコスターズも登場。

かつて、友人や兄弟と『ファミスタ』を遊んでいたファミコン世代にとって、最強チームであるメジャーリーガーズを取り合っていたことを懐かしがる人もいると思うが、ここまでのチーム数となると、もはや次元が違うことにクラクラしてしまうことだろう。チームごとにどんなクセがあるのか、どんな選手が所属しているのか、じっくり研究しながら遊んでみるのも一興だ。なお、今作では全143試合を戦い抜いて日本一を目指すペナントレースのほか、ドリームペナント、ファミスタファンタジーがメインモードとして用意されている。モードについては下記にて説明しよう。

▲見た目はファミリーコンピュータやスーパーファミコンのような2Dドットではなくなっているが、軽快な操作感や雰囲気はそのまま継承されている

育てて集めて、ドリームチームを作成

『プロ野球ファミスタDS 2009』から恒例モードとなったドリームペナントだが、今作では自分の好きなチームをベースに、各チームと3試合ずつ対戦するペナントレースを進めながら自チームの選手を育成し、試合やイベントで集めた”ファミスタポイント(FP)”でカードを引いて選手を集め、自分だけのドリームチームを作るのが主目的となっている。1試合あたりのゲーム数や難易度は初回スタート時に変えられるので、「昔みたいに9回フルセットで遊べる時間がない」、「野球ゲームは苦手だけど、いろいろな選手を集めたチームを作りたい」といった人でも十分楽しめる内容だ。

なお、ドリームペナントの初回スタート時には敵チームの難易度や1試合のイニング数を変更することができるので、腕に覚えのあるプレイヤーは9ゲームフルセットをがっつり遊ぶことも可能だ。なお、デフォルト設定では、1試合あたり3イニングまでのゲームなっており、5分~10分ほどで消化できるカジュアルな仕様となっている。

ペナントレースの進行中には、ナムコスターズの面々からミッションを課せられるイベントが発生することがあり、「3点差以上で勝利」、「相手から三振をとれ」といった課題を成功させることができれば、所属選手の経験値上昇や、他チームの選手をスカウトしてもらえるようになる。なかには無茶ぶりに近いようなものもあり、実力だけではどうにもならず運に任せるしかないものも……。 “試合に勝つ”ことを大前提としている以上、こうしたミッションが設けられているのは蛇足に思われるかもしれない。だが、淡々と試合をこなすだけになってしまいがちなペナントレースにおいて、試合におけるメリハリづけと、プレイヤーのモチベーションを上げる役割を担っている追加要素といえるだろう。失敗してもペナルティなどはなく、成功すればチーム強化への確実な近道となるので、成功することを心がけながらミッションを楽しんでみよう。

▲チームの秘書には『ドルアーガの塔』に登場するイシター、『トイポップ』のキャラクターなど、懐かしい顔ぶれが揃っている

▲選手カードの入手

試合の出場とナムコスターズからのミッションをクリアする以外に、ペナントレース期間中の練習キャンプで獲得できるFPを消費してファミダスを回したり、ショップで直接購入することで選手カードを入手できる。ファミダスを10回連続で引くことができるあたりは現代的だ。

▲試合中にリクエスト!

試合の合間には不定期に「2人を連続アウトに抑えて」、「この回で本塁打を打って」といった観客リクエストが飛んでくることも。成功すればFPを大量に獲得できるが、内容によっては難度が高いものも……。とはいえ、試合中のアクセントとして、とても刺激的な演出で楽しいのだ。

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