Interview

3rdシングル“デンジャラス&セクシー”な「Crescent Moon」をドロップする崎山つばさ。彼にとってアーティストと俳優の違い、歌うことの意味とは?

3rdシングル“デンジャラス&セクシー”な「Crescent Moon」をドロップする崎山つばさ。彼にとってアーティストと俳優の違い、歌うことの意味とは?

舞台『煉獄に笑う』、『クジラの子らは砂上に歌う』、ミュージカル『刀剣乱舞』で俳優として活躍する一方、アーティストとしての顔を併せ持つ崎山つばさ。
ボーカルの崎山を中心としたイケメン和楽器ユニット“桜men”のファーストシングル「月花夜」は、オリコン週間ランキングで初登場4位を獲得。セカンド「螺旋」では9位となり話題をさらった。そして、つい先ごろには、大型音楽イベント“a-nation 2018”への出演も果たし、着実に音楽活動の幅を広げている。
そんな彼が、9月にドロップする3枚目のニューシングル「Crescent Moon」は、崎山つばさのソロ名義で、人気女性向け恋愛ゲーム『イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑』1周年記念テーマソングになっている。
ますますアーティスト活動に期待が高まる崎山つばさにインタビュー。今作のことから、俳優とアーティストの“二足のわらじ”を履くことへの意気込みなどを存分に話してもらった。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


「Crescent Moon」は“禁断の恋愛”をしてしまいたくなる

まず、サードシングルを聴かせていただいて、これまでの“崎山つばさ with 桜men”の楽曲群とは違ったテイストで驚きました。

嬉しいですね。

もちろん、和楽器からエレクトリックな楽器を使用したのが大きいと思うのですが、それだけではない声の迫力を感じます。まず表題曲の「Crescent Moon」ですが、曲調はロックで、歌詞はとてもエロティックで挑発的ですね。この曲を歌うことになった時のお気持ちを聞かせてください。

「Crescent Moon」に一番近い曲調は、“崎山つばさ with 桜men”名義でリリースしたファーストシングル「月花夜」に収録された「君の隣へ」を想像していただくとわかりやすいかもしれません。僕は“和ロック”と言葉を使っているのですが、その感触に近くて、ロックの中でも、さらにストレートで、いわゆる“ザ・ロック”です。人気アプリゲーム『イケメンヴァンパイア』のタイアップで、吸血鬼がモチーフになっているので、曲調は怪しくて不穏で、一言で言えば危ういフィーリングを感じていただいて、思わず“禁断の恋愛”をしたくなる曲を作りたかったんです。

一昨年から、“崎山つばさ with 桜men”で活動していて、そこからあえて、ソロシンガー、崎山つばさとなった経緯はあるのでしょうか。

タイアップということもあって、今回は、アプリの世界観により近づけるために、和楽器の音で表現できるかもしれないけれど、ギター、ベース、ドラム、キーボードという誰でも知っている、シンプルでデジタルな楽器を選択しました。今作の制作の流れの中で、崎山つばさというソロになっただけなので、グループは続けていきますよ。

では、「Crescent Moon」はどのように完成させていったのでしょうか。

歌詞は“禁断の扉”、“欲望”、“爪立てたなら”、“濡れた唇”や“罪の唇”とあって、そんなパワーワードで成立しているので、それらの言葉を意識して曲を際立たせるような息遣いや、歌い方をしてレコーディングしました。

迫力ある声だったのはそんな点だったんですね。ちなみに、苦労した点はありましたか。

“エモ”い感じを出したいという強い想いがあって(笑)。レコーディングしていくと、パワーワードに負けて、声がどうしても弱くなってしまう部分があったので、細かく調整しながら歌いました。

とてもハードなロックだし、和楽器とは違いデジタルな音色だけでなく、声の質としてもアーティストとしての崎山さんの新たな一面が垣間見えたような気がします。

そうですね。僕は、いつも応援してくださるファンの方に新しい自分を見せたいと思っています。それは結局、自分の知らない部分を知ることに繋がるんですが、ファーストの自分、セカンドの自分から、さらに新しい自分を発掘していくことをモットーにしています。そして、変わった自分の姿をお客様にみてもらいたい強い想いが、自分を変えていく要因になっていると思います。

「キンモクセイ」はノスタルジックなバラード

「キンモクセイ」は一転して、ご自身の日記のような親密感のある印象を受けました。「Crescent Moon」から肩の力が抜けて、ピアノのイントロが素敵な曲ですね。

“お母さん”、“お父さん”、“友達”、そういった具体的なワードを歌詞に使うことで、リスナーの方はイメージを膨らませやすいし、僕も、もしかしたら歌詞のような経験をするかもしれない。あるいは、実はもうしていていると仮定して、ノスタルジックな印象を感じてもらえる歌い方を意識しました。歌詞のように、僕もお父さんと一緒にお酒を飲んだり、お母さんの背丈を追い抜いた瞬間があるわけで、自分と重ね合わせる部分もありながら、リスナーにそっと寄り添った優しい歌になったと思います。

「Crescent Moon」と比較すると歌詞の内容が180度違うのも魅力です。

僕も出演した舞台『クジラの子らは砂上に歌う』(2018年)の楽曲提供は、vagueのYuさんでしたが、その時から大好きな曲を作ってくれる人です。この曲も作詞・作曲がYuさんという時点で、素晴らしい出来になると思っていたし、歌詞を読んだら、テンションが上がって、早く歌いたいという気持ちになりました(笑)。

「螺旋」は変身を遂げるのが一番新鮮だと思った曲

そこから、“崎山つばさ with 桜men”のセカンド・シングル「螺旋」のアコースティック・バージョンをピックアップした理由はどこにあるのでしょうか。

同じ曲でも、バージョンが変わることによって、まったく違う雰囲気になりますよね。オリジナルの「螺旋」を聴くと、様々なイメージが浮かんでくるんです。いろいろ考えて、原曲をアコースティックにしてみたら、こんなにもイメージが変わるんだと改めて驚いて、リスナーにいろいろな解釈を提示できるし、この曲の新たな一面を思いっきり楽しんでいただける気がしたのでチョイスしました。もちろん、「Crescent Moon」のアコースティック・バージョンも違う曲になるだろうし、変身を遂げると一番新鮮な曲になったからですね。

曲調はスパニッシュですし、ところどころでジャズっぽいフレーズがありますね。

リリースイベントでも「螺旋」を歌わせていただいているのですが、和楽器とはイメージがガラリと変わっています。といっても、作詞・作曲の“桜men”のリーダーの中村仁樹さんが、僕の目をイメージして書いてくれたそうなので、テーマの根っこは変わらないんです。ただ、アコースティックになると、僕の目が、例えば、優しい目だけでなく、もっとカラフルなバリエーションになる。この曲を歌っている僕の目を想像しながら聴いていただけたら嬉しいです。

リスナーがいろいろなタイミングで聴いてくれる一枚

この3曲がパッケージされたことで感じたことはありますか。

アップテンポ、バラード、アコースティックの曲、ここまでまったく違った雰囲気の曲が収録されているのは新鮮ですし、それぞれが、ポジティブな方向に向いています。「Crescent Moon」はテンションを上げたい時の曲。「キンモクセイ」は落ち着きたい時、「螺旋」は学校の帰り道に聴きたいといった、リスナーがいろいろなタイミングで聴くことのできる一枚になっています。これまで以上にヴァラエティ豊かな曲調が揃っているので、僕にとっても面白いシングルになりました。

アーティストの時は、僕自身が主観に、俳優としての崎山つばさは、あくまで役の主観になる

再び歌詞のことについてお伺いしますが、「Crescent Moon」の歌詞の主語は“俺”ですね。「螺旋」は“僕”、「キンモクセイ」は“私”、と主語の呼び方が変わっています。それは崎山さんにとって歌いやすかったですか。

「Crescent Moon」は、より攻撃的で、強引で、怪しい雰囲気の男性を意識しました。手を出したら、とげが刺さりそうな気がしますよね(笑)。「螺旋」の“僕”は、「Crescent Moon」とは違って、内気で、自分の想いを言葉にすることができない、男の子というイメージです。「キンモクセイ」の“私”は、男性だけではなく、女性でもいいんです。聴いてくださる方のそばにいる意識を心がけましたので、曲の解釈の幅が広がり、異性も想像していただけるような自由な曲になりました。

このシングルを聞いていると、ワクワクしながら旅に出る感覚がありますね。

そう言っていただけると嬉しいですし、ワクワクしていただければ幸いです(笑)。

ちなみに、崎山さんは、歌手活動と俳優活動で違ったりするのでしょうか。

アーティスト活動は、役を背負わないところが一番大きいです。役者の時は役になりきるのですが、アーティストの時は崎山つばさが、目の前で起こっている出来事を体験する。つまり、僕自身が主観になり、俳優としての崎山つばさは、あくまで役の主観になることが多いです。

そうすると、舞台で歌うこと、アーティストとして歌うことの違いが出てくるのでしょうね。

そうですね。明確には決めていないのですが、例えば、ミュージカルであれば、お芝居から溢れて感情が歌になるという解釈なので、歌い始めのスイッチの入れどころ、喉の筋肉の使い方が違います。

いろいろな経験を経て、歌の面白さに気づいたときはあったのでしょうか。

小さい頃は人前で歌うことに抵抗があったんですよ(笑)。歌うことが楽しいと思ったのは、アーティスト活動を始めたからかもしれません。バンドを組んで、CDをドロップして、リリースイベントをして、リスナーと会話をしたり、コミュニケーションを取ることによって、音楽の面白さ、奥深さに気づかされました。

いつも思うのですが、崎山さんの声は特徴的だと思います。

ありがとうございます。ただ、生まれつきですね、きっと(笑)。もちろん、声の出し方は、ミュージカルとJ-POPでは違うので、意識しています。ボイストレーニングで教えていただいたり、声が出なくなりそうな時や空気が乾燥している歌いにくい環境の中でも、自分が経験してきたことをプラスに変えて歌っています。

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