Interview

【ネタバレ注意】18年ぶり『フリクリ』新作で描かれたのは… “毎日続いていたものが突然壊れていくあの感じ” 新たなJK主人公を好演、美山加恋インタビュー

【ネタバレ注意】18年ぶり『フリクリ』新作で描かれたのは… “毎日続いていたものが突然壊れていくあの感じ” 新たなJK主人公を好演、美山加恋インタビュー

2000-01年にOVA全6巻でリリースされた『フリクリ』。内容、演出、作画におけるスタイリッシュさで日本のみならず海外をも魅了した作品が18年の時を経て、再び我々の前に現れる。前作で監督を務めた鶴巻和哉がスーパーバイザーに就き、2つの新作として公開される劇場版『フリクリ オルタナ』と劇場版『フリクリ プログレ』。そのうち、先に公開された『オルタナ』はそのセンチメンタルさで2018年現在に蘇った『フリクリ』ワールドを見せつけている。ここでは、その『オルタナ』をすでに一度劇場で味わった人々に向け、主人公・河本カナ役を好演した美山加恋の言葉で同作の真価を解きほぐしていく。観客に打ち込まれた女子高生の機微、そして鋭敏なアンテナでキャラクターをつかみ取っていく美山の感性に注目してほしい。

取材・文 / 清水耕司(セブンデイズウォー)
撮影 / 小賀康子


男の人には伝わらないかもしれないほどのリアルさ

『フリクリ オルタナ』でカナを演じながら感じていたところを教えてもらえますか?

美山加恋 心がリアルすぎて複雑なんですよね。演出がとても細かいんです。だから、男の人が見たとき、「どうしてこういう流れになったのかわからないかもしれない」という不安は少しありました。「男の人には伝わらないかもしれないな」っていう。カナが同級生に恋心を抱くけど急に冷めるシーンがあるんですけど。

あそこは突然でした。のちにつながる伏線か、何か設定があるのかと考えました。

美山 ですよね。でも私からしたら「ああ!」ってわかるところでした。あの、急に恋心が冷める感じってすごくリアルなんですよ。「あ、勘違いだったわ」ってことは普通にあるんです。だから、「女子高生ならわかるだろうけど……」「18年前に『フリクリ』を見てわくわくしていた人たちはどう思うだろう」と感じてはいました。でも、よく考えたら納得できるようなリアルがいっぱい散りばめられているのはすごく『フリクリ』らしいですし、『フリクリ』のいいところだと思います。わかりやすすぎないところが「素敵、かっこいい!」と思わせますね。

コメディ的というか誇張した表現ではなく、むしろリアルな演出なんですね。

美山 リアルです。ちょっと早かっただけなんです、カナに恋は。彼女は大人ぶりたかっただけ。

演じていて特に印象に残っているセリフはありますか?

美山 一番心にグサッときたのはペッツに「うざいんだよ」と言われたシーンですね。カナを演じた身としてはすごく印象に残ってます。やり終わったとき、ものすごく「疲れた」と思いました。

「疲れた」?

美山 だって、すごく「うわーー!」ってなるシーンだったので。終わったとき、有里さん(吉田有里、ペッツ役)と二人で「はぁ……」ってなったんですよ。

完成したそのシーンを見たときの感想は?

美山 「ああ、ペッツの言ってることわかる」って感じでした(笑)。「そうだよね」ってすごく思いました。女の子の場合、なかなか面と向かって言わないこともあるので、ペッツが気持ちを溜めるのは理解できました。だから、カナに怒ったのを見ても「うん、いいよ!」って感じになったんです。

カナは悪気があっておせっかいしているわけではないですし、「大好きな友達に嫌われたくない」「好かれていたい」「一人ぼっちになりたくない」という気持ちのもと、やりすぎてしまう部分があるだけなんですが、あまり相手の気持ちを考えられないんですよね。だから、ペッツに「なんで友達になっちゃったんだろう」って言われちゃうんです。でもペッツも、カナの気持ちのことも含めて、全部わかってるいんです。ただ、だからこそ辛くて、思わず「うざいんだよ!」って言っちゃう。もうなんか、「ペッツいい子!」って思いました(笑)。気持ちがすごく伝わってくる、いいシーンでしたね。

「なんで友達に」は、友達になったことに対して後悔もあるけど、嬉しかったところもあるから出てきた言葉ですよね。

美山 はい。嫌いだけど好きでしょうがない、というカナの気持ちがよく出ています。

美山さんとしてはすごく気持ちがわかる?

美山 わかります、わかります。「なんでここまでリアルに描けるんだろう」ってすごく思いました。この脚本を書かれた岩井さんはすごいと思います。序盤でペッツがカナやヒジリーのものを集めていたのも、ペッツがいなくなる伏線なんです。私は最終話の台本をいただく前にそれを聞いてしまったのですごく衝撃を受けましたけど。「いなくなるの!?」って(笑)。

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