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”危険行為“推奨シューティングゲーム『サイヴァリア デルタ』の中毒性と魅力

”危険行為“推奨シューティングゲーム『サイヴァリア デルタ』の中毒性と魅力

自機を敵弾にかすらせることで経験値が上昇し、レベルアップ時には攻撃ショットが強化されるだけではなく、一瞬だけ無敵になる”BUZZシステム“でヒットした弾幕型シューティングゲーム『サイヴァリア』シリーズ。敵弾に接近させるという“危険行為”の推奨は、シューティングゲームにおけるプレイスタイルを“避け”ではなく“攻め”に転じさせた。

今回ご紹介する『サイヴァリア デルタ』は、サクセスが2000年にアーケードでリリースした『サイヴァリア ミディアムユニット』と、マイナーチェンジ版の『~リビジョン』の2作を、Nintendo Switch™とPlayStation®4に向けてリファインした再移植となっている。多くのプレイヤーがのめり込んでしまう高い中毒性を持つ本作の魅力を、新要素と併せてお届けしよう。本稿は少しマニアックなキーワードの引用や説明を行っている。読んでいただくまえに本作のトレーラーを見ていただくと、シューティングゲームに馴染みのない方でも感覚的に理解しやすくなると思う。まずは、以下の2本をご覧いただきたい。

文 / クドータクヤ


敵弾がパワーアップにつながるBUZZシステム 

縦(または横)スクロール型のシューティングゲームは数多くあれど、敵弾を回避しながら、迫り来る敵機を撃破していくという基本的なルールは変わることはない。1990年代の中盤に誕生した”弾幕シューティングゲーム“は、画面を覆い尽くす敵弾を避ける爽快感と、自機の当たり判定の小ささが相まったことで、自身のプレイを“上手い”と錯覚させることに成功。ゲーマーたちに広く受け入れられ、現在のシューティングゲームにおけるデファクトスタンダードとなった。

そんななか、『サイヴァリア』のBUZZシステムがもたらした革新性は、敵弾を”恐れるもの“から”プレイを有利にするもの”へと脳内変換させた。レベルアップ時の無敵時間を利用したBUZZですぐさまレベルアップし、そしてふたたびBUZZを繰り返すという快楽の連鎖を求め、プレイヤーたちはこぞって敵弾のなかに自機を曝していった。しかし、パワーアップ時の無敵を過信しすぎると、弾幕から抜けられずに被弾してしまうことも多く、必ずしも有利になるとは限らない。こうしたリスクとリターンの駆け引きが仕込まれているあたりは、シューティングゲームとしての在りかたを大事にしているのが伝わってくる。ほどほどのBUZZであれば危険ではないことから”安全にプレイしよう“と思っていても、降りかかる弾幕を見た瞬間に”BUZZらねば!”と意識が変わってしまうのは、ゲーマーの性や心理を見事に突いている証拠だろう。

▲対ボス戦ではプレイヤーの残機をひとつでも減らそうと激しい攻撃を仕掛けてくるが、BUZZシステムによって、こちら側のピンチをチャンスに転じさせることができる

BUZZシステムはスコアに直結することから、得点至上主義者であるハイスコアラーたちからの食いつきも凄まじく、ものの見事に格好の餌食となり、そして骨の髄までしゃぶり尽くした。ザコ敵を速攻で撃破せず、少しでも多くの弾を滞留させることでレベルアップの機会を淡々と窺い、ボス戦においては、巨体が自爆する制限時間いっぱいまで針の穴を縫うように自機をかすらせる……。曲芸的でありながら芸術の域にも達しそうなスーパープレイの数々は、筐体を囲むギャラリーたちの口をあんぐりとさせるにはあまりにも十分だった。現在でもYouTubeにはいくつかのプレイ動画がアップされているので、ぜひ一度見てほしい。

ハイスコアラーたちのようなプレイではないが、『サイヴァリア』の基本的な遊びかたを、1ステージ通したプレイ動画にてご紹介しよう。BUZZによる起爆から、レベルアップした瞬間の無敵時間を交互に繋げていく仕組みがご理解いただけるはずだ。レバーを左右もしくは上下交互にガチャガチャと入力すると自機がローリング態勢に移行し、ショット威力の向上や当たり判定の縮小といった効果が加味される。しかしレバー入力が不安定になるぶん、衝突事故を起こさないように注意が必要だ。なお、本作ではローリングボタンがデフォルトで配置されているので、操作に集中することができる。『サイヴァリア デルタ』ではステージ別に練習することもできるので、攻略パターン作成にどんどん活用したい。

弾幕型シューティングと聞いて、「あんなに敵弾を避けられる自信がない」と、手を引っ込めたくなるプレイヤーも少なからずいるかもしれない。だが、『サイヴァリア』には難易度別にステージが用意されており、それらを自分で選択することができるので、敵の攻撃が穏やかなEASYルートは初心者でも楽しめる。また、敵弾を吹き飛ばす緊急回避のボムもあるほか、極端な話をすると、BUZZを使わずに進行すれば”ごく普通のシューティングゲーム“として遊ぶことも可能だ。

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