Interview

【インタビュー】声優・戸松 遥、デビュー10周年! 極限状態のなか完成した記念シングルは「28歳の進化した部分を感じてもらえる内容に」

【インタビュー】声優・戸松 遥、デビュー10周年! 極限状態のなか完成した記念シングルは「28歳の進化した部分を感じてもらえる内容に」

アーティスト・デビュー10周年を迎えた声優・戸松 遥。10周年記念シングルとしてリリースされる新譜「TRY & JOY」は、彼女にとってどんな作品になったのか? MV撮影の裏話や、念願のコラボカフェの開催についてなど、10周年にまつわる活動についても話を聞いてみた。

取材・文 / 青木佑磨(クリエンタ/学園祭学園)
撮影 / 西田 航 (WATAROCK)


28歳の戸松 遥を「大人になったね」って思ってもらえるような部分を見せないと意味がないなって

19thにして、10周年記念シングルとなる「TRY & JOY」。制作過程はいかがでしたか?

戸松 遥 今回は実はすっごく制作期間が短かったんですよ。結構ギリギリに決まって。ツアー中でいろんなことが重なっているなかで、「私が今倒れたらこの曲は10周年のタイミングで発売できない」っていう緊張感が驚異の集中力につながりました(笑)。逆にそういうときのほうが集中力が増すことってあるじゃないですか。時間が無限にあるとズルーっとしちゃうけど、「もう本当にやばいですよ!」みたいなときほど謎の力が出てくるみたいな。そういう意味ですごく集中して取り組ませていただいた一枚です。

戸松さんの楽曲として新しさを感じつつも、メロディに90年代っぽい懐かしさを感じました。

戸松 あ、やっぱり!私もそうなんですよ。曲を決める打ち合わせにはいろんな年代の方がいたんですけど、私より下の年齢になると「自分は聴いたことないジャンルですね」みたいな反応になったんですよ。20代前半だと1周回って新しく感じるんですね。

Bメロが途中で転調したりすると、90年代を感じますよね。

戸松 そうなんですよ!刺さる世代には「これは!」って感覚があって。でも40代50代になると、また違うアーティストさんを思い浮かべていたりして、世代によって感じ方が変わる楽曲みたいなんです。だからいろんな世代の私のファンの人たちが、この曲を戸松 遥が歌うことによってどういうふうに捉えるかなっていうのも気になっているところです。早くフルを聴いてもらって、すごく感想を聞きたいです。

歌詞的には根拠のない前向きではなく、10年という活動期間が下地にあることで出せるポジティブさを持った内容ですね。

戸松 説得力がないとダメだなと思ったんです。これがデビューして間もないときだったら、もう少しウェイウェイしてても良かったんですけど(笑)。別にウェイウェイしてる曲は好きだし、今後も機会があれば歌いたいですけど、やっぱり10年ってすごく大きいじゃないですか。10年分歳を重ねているし、デビューしてから10年経ってこんなに変わりましたよっていう自分を見せる大事な機会でもあるなと思って。応援してくださっている人たちに、今の28歳の戸松 遥を「大人になったね」って思ってもらえるような、進化した部分を見せないと意味がないなって思っていたんです。

お気に入りのポイントや聴きどころはありますか?

戸松 落ちサビの部分ですね。落ちサビって歌詞によってはニュアンスを強めにつけたり、ちょっと切なく表現したり、いつもどういうふうに歌おうかって考えるんですよ。でもこの曲は歌詞がポジティブなので、暗くなっちゃうとダメなんですよね。“新しい憧れは 好奇心の彼方へ”って歌詞に合わせて、テンションを落とさずに、でもちょっと力を抜いて明るさだけを残して歌いました。表現力がいる部分だし、いろんなことを考えながら歌いました。2行目の“世界中包むから”からはブワーっと上がっていくので、この短い2行の間でどう繋げてテンションを上げていくかっていうのは、難しさと楽しさが両方ある部分でした。

MVでは、デビューシングルのオマージュができないかっていうリクエストもさせてもらいました

「TRY & JOY」のMVはどういった内容になりましたか?

戸松 今回は初めましての監督さんにお願いさせてもらいました。制作期間がタイトなこともあって、監督と初めて打ち合わせしたときにはまだ曲が上がってなかったんですよ(笑)。そんななかで監督が、過去のMVを見たうえで10周年記念に合わせて「新しい戸松 遥を自分が作るなら」という案をたくさん考えてきてくださったんです。曲もまだないなかで4パターンくらい出していただいて、しかもその内容が全部よくて! どれもやってみたくて選べなくて、ダメ元で「これ、全部の案を合わせることってできますか……?」って(笑)。

無茶苦茶言いますね(笑)。

戸松 すごい無茶ぶりをしてみたんですよ(笑)。そしたら最初は難しそうな反応だったんですけど、「でもロケ地をAにして、Bも部分的にはできます。あ、Cも部分部分だったら」みたいにちょっとずつおいしいとこ取りをしてくださって。結局それを実現したものが今回のMVになっているんです。映像の合成の楽しさとか、ロケバスで遠くのほうまで行って久々の外ロケをしたりとか。

あとは10年前にデビューした日が9月3日なんですね。それからほぼほぼ10年っていうことで、個人的にデビューシングルの「naissance」のオマージュができないかっていうリクエストもさせてもらいました。「naissance」のMVって、実は1番と2番でツーカットでしか撮ってないんですよ。それで今回も1カットとはいかないまでも、なるべく長回しで撮ることになりました。前奏からAメロが終わるまでの尺を全部計算して、「ここまでに階段を降りて出てきてください!」みたいな。ヒールでド頭からすんごいダッシュしてるんですよ(笑)。それと「naissance」は空を飛んでいくシーンがあって、「TRY & JOY」でもちょっと空を飛んでみましょうって話になりました(笑)。デビュー・シングルを知ってる人は、それを踏まえて見てもらえると面白いかなと思います。

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