Interview

高橋一生、10月スタートの主演ドラマ『僕らは奇跡でできている』で役を通して伝えたいこと

高橋一生、10月スタートの主演ドラマ『僕らは奇跡でできている』で役を通して伝えたいこと

高橋一生が主演を務める火9ドラマ『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系)が10月9日(火)よりスタートする。 完全オリジナルの本作は、生き物のフシギに目がなく、変わり者で常識にとらわれないユニークな発想の大学講師・相河一輝(高橋)の日常を描くコミカル・ハートフルドラマだ。共演は、一輝が通う歯科クリニックの院長・水本育実役に榮倉奈々、一輝と同じ研究室の准教授・樫野木聡役に要 潤、一輝の祖父で一番の理解者でもある祖父・相河義高役に田中 泯、そのほか児嶋一哉(アンジャッシュ)、戸田恵子、小林 薫など演技派俳優が名を連ねる。

今作が民放GP帯連続ドラマ初主演となる高橋。作品や役への想い、本作への意気込みなどを語ってもらった。

取材・文 / タカノマイ

自身と似た一面がある今回の人物像。「自分の楽しみを役に投影しすぎてしまうと僕になってしまう」

先日クランクインでしたが、撮影現場はいかがですか?

現場ではまだおじいちゃん役の田中 泯さんとしかお会いしていないのですが、楽しくやらせていただいています。泯さんからも「すごいやりたいと思っていたんだよ」と言っていただいて、嬉しく感じながら、カメを持ったままご挨拶しました。

カメ、ですか。

ジョージというヘルマンリクガメが出てくるんです。この子がとにかくかわいくて。好奇心旺盛で、まったく物怖じせずに前進していく姿は見習いたいくらい(笑)。「好奇心にはすべてがつまってるよね」と泯さんもおっしゃっていましたが、やはり好奇心って大事だと思いましたし、泯さんとご一緒できて良かったと感じた瞬間でもありました。まだ2日ですが、とてもいい現場です。

今回演じる相河一輝のように、高橋さんも生物に興味がおありですか?

はい、大いにあります。ただ、自分の楽しみを役に投影しすぎてしまうと僕になってしまうので、似ているところがあったとしても、バランスは意識していかなけければならないと思っています。

一輝は好きなことに一生懸命な性格。ご自身と比べていかがですか?

役に没入してしまうタイプなので、自分と役の違いを探すことはあまりしないのですが、一輝の生態のようなものを皆さんにどう感じていただくか、ということもこのドラマのひとつの側面だと思っています。楽しみながら、「僕にもこういうところはあるかもしれない」と感じながらやらせていただいています。

何かに夢中になると一輝はお弁当や歯医者の予約時間を忘れてしまいますが、高橋さんも困った経験などはありますか?

多々あります。仕事が入って友人との約束を破ってしまったりとか…。

非難されたりは…。

もう非難轟々です(笑)。平謝りしています。

では、一輝のそういう一面には共感していらっしゃる。

基本的にどの役も共感しないと演じることが難しいので、一輝がどんなにイライラされようと、自分だけは好きでいなくちゃいけないと思うんです。そういうところはお芝居のおもしろさではないかと思っています。

高橋さんご自身は誰かにイラっとされてしまうことはありますか?

僕、話が長いんですよ。ただ、プロデューサーの豊福さんは、普通だったらイラっとするであろう僕の話をニコニコと笑顔で見守ってくださっているので、きっとこのドラマに適役だと思っていただけたのではないでしょうか(笑)。

今は、相河一輝という人間の生態を追いかけることに夢中。「すごくおもしろいです。としか言えない」

相河一輝は高橋さんから見てどんな人物ですか?

ちゃんと自分に向き合ってきた人なんだろうと思っています。人を見ていないようで、人との距離感を常に考えているし、他者と自分の違いを人一倍意識してきて、それでも自分でしかいられないということに対し、諦めも希望も持っている。すごく繊細な人間だと思います。

人の話を聞くのが苦手だという一面もありますよね。

話を聞いていない時もあるんですけれど、基本的には全部耳に入っていて、たぶん取捨選択しているんじゃないでしょうか。自分にとって必要な言葉と必要ではない言葉の区分けが早いし、曖昧な部分を即時に判断して、今自分に必要なものだけを取り入れている感覚が一輝にはありそうな気がしています。

だから好きなことに没頭してしまうと。

1つに絞ってしまうから、同時多発的に物事が起こると対処しきれなくなってしまうんと思うんです。真面目に生きている人間なんだと思いますし、そこは見習いたい部分でもあります。集中して、力を抜いて、自分の好きなことに没頭して。1つの生き方として正解だと思います。 

役づくりについてはいかがですか?

いつもは作品を俯瞰して見ることができるのですが、今回は一輝の視点でしか物が見られなくなるような脚本だったので、今までとは違う臨み方をしています。一輝はどこにでもいるけれど他人の影響ではブレない人間で、僕の中ではすごくおもしろい存在。相河一輝という人間を演じることに集中しているし、一輝を追っていくことに夢中になっています。「一輝はすごくおもしろいです」としか言えない感じが、観ている方たちにも感じてもらえるんじゃないかと思います。

それだけ強烈なキャラクターということですね。

強烈です。中に内包しているものがすごく無二なんです。他者への共感力ってみんなどこかに持っていますけれど、一輝は常に自分と共感しあっているんです。このエネルギーの違いは根本的なものなので、それがおもしろくて。僕自身、一輝という人間をまっとうしたいので、今はそこに夢中になり過ぎて、「ドラマを観てください」というよりも「一輝をやります!」という感じです(笑)。

“最初から全部足りている”ということを伝えたい。「とても豊かな人生になると思う」

それでは改めて作品について教えてください。

今回はドラマの作りがおもしろくて、気づきを得るのが主人公ではなく周りの人たちなんです。実際に脚本を読んでも、今までのドラマとはまたちょっと違う楽しみ方ができるんじゃないかと思っています。一輝が一言ぽつんと言ったことが、見てくださっている人の心に引っかかってくれれば嬉しいです。

ドラマのタイトルを拝見した時に、何か大切なことに気づかせてくれそうな予感がありました。高橋さんはいかがでしたか?

まったくその通りで、全部同意します(笑)。僕らは奇跡でできているんでしょうね。公式サイトのコメントでも出しているのですが、僕も含め、皆さんどうしても「何かが足りない」と思ってしまって、それを足していく作業をしています。けれど、最初からあるものをいかに大事にできるかで、とても豊かな人生になると思うんです。一輝は純粋にそういう生き方をしているので、一輝を通して僕もそれを感じていくことができればと思っていますし、その生き方に少しでも触れることで、「みんな最初から全部足りている」ということを多くの人が感じてくれれば、と思います。

普段から「足りている」ということは意識されているのですか?

この脚本をいただく前から足りている感覚を少しずつ持ち始めていたのですが、常に意識はしています。例えば仕事の環境は僕にとってはすでに足りている状態で、足りていないことは基本的にもうないんです。足りていることに対して感謝していくだけです。

ありがとうございます。それでは最後に、民放GP帯の連ドラ初主演への意気込みをお聞かせください。

それは皆さんが決めてくれればいいかと思っています。「こいつたぶん意気込んでるな」という感じで(笑)。どの現場でもそうなのですが、スタッフの方々に「僕を使ってよかった」と思ってもらえることが一番。それは、内輪ウケを狙っているわけではなく、スタッフの皆さんが楽しんでいる雰囲気は、拡大して視聴者の皆さんにも伝わるんじゃないかと思っているからです。「これはおもしろくなるぞ」という雰囲気は空気でわかるんです。意気込みというよりは今までどおり、役と現場と物語に向き合っていけたらと思っています。

TVドラマ『僕らは奇跡でできている』

10月9日(火)スタート
毎週火曜よる9時~9時54分(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
※初回放送日未定

出演者:高橋一生 榮倉奈々 要 潤 児嶋一哉 西畑大吾(関西ジャニーズJr.)矢作穂香 北 香那 広田亮平/田中 泯 阿南健治 戸田恵子 小林 薫

脚本:橋部敦子「僕の生きる道」シリーズ (カンテレ)『フリーター、家を買う。』『フラジャイル』(フジテレビ)ほか
音楽:兼松 衆 田渕夏海 中村巴奈重 櫻井美希
演出:河野圭太(共同テレビ)「僕の生きる道」シリーズ 「古畑任三郎」シリーズ 『マルモのおきて』(フジテレビ)ほか
星野和成(メディアミックス・ジャパン)「チーム・バチスタ」シリーズ『素敵な選TAXI』(いずれもカンテレ)ほか

プロデューサー:
豊福陽子(カンテレ)『僕のヤバイ妻』 『FINAL CUT』「チーム・バチスタ」シリーズ『素敵な選TAXI』ほか
千葉行利 (ケイファクトリー)『僕のヤバイ妻』 (カンテレ) ほか
宮川晶(ケイファクトリー)『僕のヤバイ妻』 (カンテレ)ほか

制作協力:ケイファクトリー
制作著作:カンテレ

【STORY】
主人公の一輝(35)は、動物の行動を研究する“動物行動学”を教える大学講師。大学時代に師事した教授のすすめで、半年前に講師としての生活をスタートさせたばかり。しかし、大好きな動物や生き物のこととなると、他のことには目もくれず没頭してしまう性格のため、大学が設けるルールを守ることができず、職場では叱られる日々。挙句の果てに、面倒だと思うことを先送りしてしまう癖があり、時間を守ることも苦手なため、通い始めたばかりの歯医者からは「常識っていうものがないんですか?」と言われる始末。
そんな一輝の授業は“普通ではない”。学生に課題を出してそれぞれの意見を発表させるものの、結局は「正解はわからない」と言い、学生たちを困らせてしまう。一輝の言動に、周囲は戸惑い、時にはいらだつことも。その一方で“常識や固定観念にとらわれず、ユニークなものの見方をする”一輝を見て、自らの価値観を大きく揺さぶられる。そして、自分の好きなことに無心に取り組んでいた幼い頃、誰もが持っていたはずの純真無垢な気持ちを思い出していく…。

オフィシャルサイト
https://www.ktv.jp/bokura/index.html