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味方良介、鈴木勝吾、小野健斗らとともに激しいアクションを見せる矢島舞美。アイドルから女優へと進化を果たす、池田純矢脚本『LADY OUT LAW!』いざ開幕!

味方良介、鈴木勝吾、小野健斗らとともに激しいアクションを見せる矢島舞美。アイドルから女優へと進化を果たす、池田純矢脚本『LADY OUT LAW!』いざ開幕!

映像宇宙アクション『LADY OUT LAW!』が、9月14日(金)に東京・品川プリンスホテル クラブeXにて開幕した。アイドルグループ ℃-ute(キュート)の元メンバー・矢島舞美が主演を務め、演出を岡村俊一、脚本を池田純矢が担当している。笑いあり涙ありのストーリーとハードなアクションシーンが楽しめるオリジナルSF作品だ。
初日前日に行われたキャスト&スタッフによる舞台挨拶と公開ゲネプロの模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

スパークする矢島舞美が見られる舞台

本作への出演が決定した際、矢島舞美が「主人公の覚悟を決めた強さや、命がけで自分の正義を貫く姿。その強さをつくりあげた、悲しい過去、今までに彼女が見てきたもの、感じてきたものと真正面から向き合って、舞台上で、死ぬ気で生きたいです」と、熱い想いを語った舞台『LADY OUT LAW!』。

ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、ミュージカル『HEADS UP!』への出演など、俳優としての活躍のみならず、企画・構成・脚本・演出を手がける企画「エン*ゲキ」を立ち上げて次々と新作を発表している池田純矢が、外部作品に初めて脚本を提供。
『熱海殺人事件』『新・幕末純情伝』など、つかこうへい作品や少年隊ミュージカル『PLAYZONE』、舞台『あずみ』……数々の話題作を手がけている岡村俊一が演出することでも注目の的となっている舞台だ。

舞台上で行われたキャスト&スタッフによる挨拶には、矢島舞美、味方良介、鈴木勝吾、小野健斗、松井勇歩、増子敦貴、日比美思と、神尾 佑、脚本の池田純矢、演出の岡村俊一が登壇。初日への意気込みを語った。

矢島舞美 今まで稽古でやってきたことに自信を持って、本番にぶつけていきたいと思います。

味方良介 1ヵ月みっちり稽古をしてきて、僕らだけの新しい演劇ができた気がしています。お客様にどう届くのか楽しみです。

鈴木勝吾 池田純矢とは友達でもありますし、その彼がつくった脚本で、新しい現場でつくったものを、円形劇場でやれる喜びがあります。詰まっているメッセージはたくさんありますが、何より観に来てくださるお客様に楽しんでいただけたらいいなと強く思っています。

小野健斗 涼しくなってきたのですが、また夏に戻ったような熱い舞台を見せられたらと思っています。

松井勇歩 全力でいきます! 楽しんでください!

増子敦貴 円形劇場で最新技術を駆使した映像を使っての舞台。初日が本当に楽しみです。

日比美思 本番をすごく楽しみにしています。よろしくお願いします。

神尾 佑 この1ヵ月熱い稽古をしてきて、矢島舞美が汗だくで頑張っています。千穐楽までケガのないようにいきたいと思います。

岡村俊一 最近、アイドルの方を“女優”“俳優”にという仕事をよくやっています。どう違うかというと、アイドルは人から見られたくなくても“見られる”人種。俳優は見られたくなくても“見せつけてしまう”人種なんです。説明が難しいのですが、アイドルの方には壁みたいなものがあるので、心のブレーキをぶち壊さないといけない。稽古で矢島舞美をぶち壊してみたので、スパークする矢島が見られると思います。お楽しみに!

池田純矢 僕は今日、純粋に楽しみにしています! 「矢島舞美が女優になる本を書いてくれ」とオーダーされて、そのつもりで書かせていただきました。どうぞよろしくお願いします。

岡村に池田脚本の魅力を尋ねると「池田くんはぶっ飛んでいます(笑)。作家って基本的なエネルギーがないと長生きできない。そのエネルギーの葛藤の量が確実にある作家です。僕が死んだあとは池田純矢が席巻するのではないかと思うくらい、パワフルな作家だと思います」と、池田自身から迸るパワーを絶賛。また、「(彼の脚本を)受け止める側もまた大変で、“いきなりそんなテンションになれと言われても……”という戯曲なので、相当苦労しました(笑)。でも矢島もちゃんと壊れてくれて、アナーキーな世界を生きてくれていると思います。年上の神尾くんなんかはついていくのが大変そうでしたが(笑)、みんなちゃんとついてきてくれました」と、キャストたちにも温かい眼差しを向けていた。

劇場=宇宙船に同乗して、彼女たちの生き様を体感する

その後、マスコミ・関係者向けにゲネプロが行われた。

開演前には、前説にキャスト(ゲネプロでは久保田創と味方良介)が登場。円形劇場である品川プリンスホテル クラブeXの特性を生かし、ステージを宇宙船に見立てて、観客はその中の住人として劇中に参加する演出があることが明かされる。

たしかにステージ上部にある照明機器の見た目は宇宙船にピッタリ。青と緑の照明によってさらに近未来感が増している。“拍手”と“掛け声”の合図なども説明され、参加システムに期待値が高まるなか、いよいよ物語が始まった。

舞台は第三次世界大戦後。戦争により荒地と化した地球を捨てた人類は、次々と宇宙ステーションを建設した。その中で、戦争、飢餓、差別とは無縁の独立国家「ステーション・ユートピア」で、幸せに生きる人々がいた。
だが、そこの中枢部に半身が機械仕掛けの少女が突如現れる。彼女の目的はこの世界を破滅へと導くこと。正義か? 悪か? 本当のOUTLAWは誰か──。

オープニングは、岡村演出お馴染みといえる“リングコール”風の登場人物紹介。立ち回りで次々と相手を組み伏せ、ポーズを決める面々がかっこよい。客席上部に設置された四面のスクリーンに映し出される宇宙の映像と、白い衣裳の組み合わせが映えている。

主人公(矢島舞美)は、機械仕掛けの体になる手術の最中に脱走。刀を手に“LADY OUT LAW”として生きている。

信者たちに演説の生中継をする独立国家・ステーション・ユートピアの大司教(神尾 佑)と修道長(小野健斗)の元を訪れた主人公は、大司教を襲うが失敗。逃げる彼女を大司教は意味深に見つめる……。

登場人物たちの謎に満ちた関係性と、すべてがタダで幸せな生活が保障されるというステーション・ユートピアの秘密。その真実を暴こうとする主人公の動向をストーリーは追いかけていく。

荒々しさの中に悲しみを秘めた主人公を矢島が熱演。静かな怒りを込めて語らう口調から刀を振るうときの鬼気迫る眼差しまで、“静”と“動”のシーン問わず全身全霊を掛けて生きている姿に圧倒される。

街に逃れた主人公は、そこに生きる人々と出会う。好印象の出会いとは言い難いが、彼らは主人公の強さに影響され、真実と向き合う姿勢を取り戻していく。

ステーション・ユートピアの忠実な保安官(味方良介)は、大司教の元でシスターを務める妹(日比美思)の変化に苦しんでおり、主人公と出会ったことで目を覚ます。

正義感溢れる役どころに、味方の澄んだ声がハマっていて説得力がある。言葉の荒い主人公との掛け合いは心地良く、回想シーンで矢島と味方の役が理想と絶望を語らう場面は、宗教画のような無垢な美しさを感じさせた。

スラム出身の青年たち、ボロ(鈴木勝吾)、クズ(松井勇歩)、チリ(増子敦貴)は“三羽ガラス”を名乗る仲良しトリオ。登場からアップテンポのノリツッコミを繰り広げ、明るくステージを盛り上げる。
とびきりの笑顔でボケる、クズ役の松井とチリ役の増子がキュート。リーダー・ボロを演じる鈴木はトリオの中ではツッコミ役を担って笑いをコントロールしつつ、スラム出身者としての葛藤を吐露する場面ではキッチリと芝居を魅せてくれた。

ともすれば世界観の説明と悲劇性で重い空気になりそうなところを、随所に散りばめられる笑いが観劇を飽きさせないものにしてくれる。前説で練習した“拍手”と“掛け声”の成果が試される場面ももちろん待っているので、ぜひ参加して欲しい。

“三羽ガラス”の3人とは別のスタイルで、修道長役の小野健斗も真顔で“笑い”に切り込んでくるため油断ならない。日替わりで登場する“セールスマン”とのシーンは、他の場面では決して見られない顔が見られるチャンス。ゲネプロでは池田純矢が登場して会場を沸かせていたが、今後登場するキャストも個性派揃い。何が起こるかはお楽しみだ。

次々と明かされる真実を目の当たりにした保安官や“三羽ガラス”たちも同調し、主人公は再び大司教に戦いを挑む。

後半の畳み掛けるような立ち回りは、男性キャスト・女性キャスト問わず、激しいアクション尽くし。瞬きも惜しいほどの展開だ。
“ラスボス”として主人公を待ち受ける大司教を演じる、神尾 佑の存在感はさすが。“実はこうだった”という種明かしの奥に隠された、本当の“真意”が胸を打つ。

ラスト、客席に向かって全身全霊で叫ぶ主人公の姿は、生でしか感じられない迫力。ぜひ劇場=宇宙船に同乗して、彼女たちの生き様を体感して欲しい。

上演は9月24日(祝・月)まで。キャストがロビーに登場する“OUT BOX DAY”なども開催。詳しくはオフィシャルサイトまで。

LADY OUT LAW!

2018年9月14日(金)〜9月24日(月・祝)品川プリンスホテル クラブeX

STORY
第三次世界大戦により荒地と化した地球を捨てた人類は、皮肉にもその危機から脱するために、とある条約のもと共同で宇宙開発を行う国連を立ち上げ、広大な宇宙ステーションを築き上げた。

しかし、時は流れ時代は繰り返す……。
つかの間の平和は終わりを告げ、国境という名のステーションをいくつも乱立させた各国は、また争うように宇宙事業を拡大していく。

しかし、ここ“ステーション・ユートピア”は戦争、紛争、飢餓、差別とは無縁の近隣諸国からは隔絶された独立国家。誰もが幸せに笑い合い、慎ましく淑やかな生活を営んでいる。

そこへ突如現れたのはステーションからステーションへ、とある人物を探しさすらう、半身が機械仕掛けの少女。彼女の目的はこの世界を破滅へと導くこと。

正義か? 悪か? 本当のOUTLAWは誰だ──。

作:池田純矢
演出:岡村俊一

出演:
主人公 / 少女 役:矢島舞美
保安官 / 青年期の兄(少年) 役:味方良介
ボロ / スラムの子供 役:鈴木勝吾
クズ / スラムの子供 役:松井勇歩
チリ / スラムの子供 役:増子敦貴
シスター / 孤児院の子供 役:日比美思
修道長 / 医師 役:小野健斗
大司教 / 過去の大司教 役:神尾 佑

オフィシャルサイト
公式Twitter(@rup_produce)