小田和正『あの日 あの時』特集  vol. 2

Interview

ファーイーストクラブ吉田雅道氏へ訊く 今、ベスト・アルバムを発売する“真意”とは。

ファーイーストクラブ吉田雅道氏へ訊く 今、ベスト・アルバムを発売する“真意”とは。

オフコ-ス時代の「眠れぬ夜」を新たにレコ-ディングしたことが話題になってますが。

吉田 これまでも“LOOKING BACK”というタイトルのもとで、セルフカバ-してきた作品がありましたけれど、もともとは手直しする必然性があったところから始まっていた企画でしたから、今回のセルフカバーとは入り口が違いますが・・・。
「代表曲」として周囲に認知されている作品の中で洩れてる楽曲がありましたから、それを今回の企画で揃えてもいいのでは?って提案してみて、「眠れぬ夜」など新たにレコ-ディングしてみたんですけどね。かなり苦労してたみたいですけどね。

最新曲の2曲、「wonderful life」と「風は止んだ」は、このアルバムには「入れたくないなぁ」って最後の方まで言われましたね。

他にも『あの日 あの時』に関して、準備段階でのエピソ-ドはあったのでしょうか。

吉田 最新曲の2曲、「wonderful life」と「風は止んだ」は、このアルバムには「入れたくないなぁ」って最後の方まで言われましたね。
それは、他の48曲はこれまでの作品から篩いに掛けられて選曲されたものですが、対してこの2曲は“新しい”というだけで“特待生”みたいな扱いで選ばれたみたいで、そこに違和感を感じたと思うんです。
もちろんそれはよく理解できるんですけど、新しい曲を聴きたいファンもいるわけで、「ファンはその曲をいつ聴けるんですか?」って訊いたら、「ツア-で歌わないとは言ってない」、て言われたりして(笑)「ライブ会場に行けないファンはどうするんですか?」「新しい曲を持って会いに行くって言ってきたんじゃないですか?」ってやりとりをしながら最後は納得してくれたんですね。いや、もしかしたら今でも納得はしていないのかもしれませんね。
あまりにしつこく言ってきたので仕方なく”消化した”って感じでしょうか(笑)。小田とは、あと一枚オリジナル・アルバムは必ず作ろうと約束していますから、これで終わり、という訳では決してありません(笑)

4月20日にアルバムが出て、30日からツア-ですね。タイトルは『君住む街へ』ですが。

吉田 本人はまさにその“君住む街へ”のテ-マに沿って、全国のできるだけ細かく色々な会場を回りたかったと思うんです。でも47都道府県すべて回るとなると、やっぱり一年以上かかってしまいますし、ウチのツアーでは「ご当地紀行」というビデオ企画が欠かさずついてまわりますから、それを背負わせるのはやっぱり辛く感じましたね。
それでずいぶん前からですけど「近隣からも来て頂けるようにアリ-ナ・ツア-にしましょう」と。もちろん最初は大きく反対されましたけれど(笑)

小田さんのライヴというと、よく新聞に“小田和正、花道を疾走!”みたいな記事を見掛けますが、ああいうライヴのやり方って、どんな発想からなんですか。

吉田 あれは、大会場でも出来るだけお客さんの近くに行きたいという小田の想いからです。

ぽっと考えた単なる演出じゃなく、必要性があってのことなわけですね。最後に吉田さんが小田さんと仕事してきて、想い出に残る一曲を教えてもらえないでしょうか。

吉田 もうそれこそ「あの日 あの時」というタイトル通りで、マネジメントに関わるようになってからは、ひとつひとつの楽曲に印象深い思い出がありますからね〜。
強いて言えば「東京の空」ですかね。これは当初、TBSの「クリスマスの約束」という番組で一回だけ演奏してるんですけど、この曲が生まれるいきさつもいろいろあったんですが、当時「とても納得出来る作品ができた」ってボソっとつぶやいたことがあって・・・

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ポップで明快な、というのともちょっと違うバラ-ドですからね。

吉田 滅多に口に出さないそんな小田の言葉がずぅ-っと心に残っていて、いつか陽の目が見れるようなところに引きあげられないかなと思っていたんです。
そしたら縁あった人たちによって『それでも、生きてゆく』というドラマの主題歌の話をいただきまして・・・。
普通主題歌は“書き下ろし”がマストなんですが、ドラマのプロットを読ませて頂いた時にこの曲しかない、って思えたんです。それで「この曲、どうでしょうか」って逆プレゼンして、聴いてくれた番組スタッフみんなが共鳴してくれて主題歌に決まったんです。
書き下ろしでもなく、しかも初披露が他局でもあった作品なのに、よく主題歌にしてくれたなって、今でもとっても感謝しています。
このドラマ自体、僕は大好きで毎回ライブで観てました。瑛太さん、満島ひかりさん、あと大竹しのぶさんも出てましたね。主題歌に決まった時は、小田の想いに応えられた気がして勝手にひとりで喜んでました(笑)。小田には「そのドラマ、暗いんだろ?」って言われましたけどね(笑)

吉田雅道

S34年生まれ
静岡県出身

1983年 日本生命保険相互会社入社。
1985年 株式会社オフコースカンパニー入社。
1989年 株式会社ファーイーストクラブ設立。
取締役副社長

小貫信昭

80年代より、雑誌『ミュ−ジック・マガジン』を皮切りに音楽評論を開始。以後、主に日本のポップス系ア−ティストのインタビュ−、各媒体への執筆などに携わりつつ今日に至る。主な著書には日本の名ソング・ライタ−達の創作の秘密に迫る『うたう槇原敬之』(本人との共著)、小田和正『たしかなこと』『小田和正ドキュメント 1998-2011』(本人との共著)、人気バンドの凝縮された1年間を繙いたMr.Children『es』(本人達との共著)、また評論集としては、ロック・レジェンド達への入門書『6X9の扉』、J-POPの歌詞の世界観を解き明かした『歌のなかの言葉の魔法』、また、ゼロからピアノ習得を目指した『45歳・ピアノ・レッスン!』などなどがある。現在、歌詞のなかの“言葉の魔法”を探るコラムを「歌ネット」にて好評連載中。

All Time Best Album
あの日 あの時

あの日 あの時

FHCL-3005~FHCL-3007
¥3,611+税

【初回仕様限定盤】
・デジパック仕様
・特製ギターピック封入(2種(「あの日あの時ver.」or「君住む街へver.」)から1種ランダム封入)
*本人直筆のタイトル「あの日あの時」or「君住む街へ」がピックに印刷されています。

日本人に長き渡り親しまれ、J-POPシーンのトップとしてそれぞれの時代を駆け抜け数々の記録を打ち立ててきた小田和正。1969年オフコースを結成し、翌70年プロとして音楽活動を開始、「さよなら」「言葉にできない」などのヒット曲を発表、今作にはオフコース時代のセルフカバー作品に手を加え多数収録。89年2月オフコースを解散後、ソロアーティスト活動を再開。1991年270万枚を超える大ヒット作となった「ラブ・ストーリーは突然に」明治安田生命CM曲でのヒット曲「たしかなこと」「今日もどこかで」やSUBARU ブランドCM タイアップソング「wonderful life」や、5月から全国東宝系にてロードショー公開される映画『64-ロクヨン-前編/後編』の主題歌「風は止んだ」も初CD化。まさに43年に渡る小田和正の創作活動の軌跡をたどった、珠玉の50曲を収録。

収録曲

【DISC 1】

  1. 01. 僕の贈りもの
  2. 02. 眠れぬ夜
  3. 03. 秋の気配
  4. 04. 夏の終り
  5. 05. 愛を止めないで
  6. 06. さよなら
  7. 07. 生まれ来る子供たちのために
  8. 08. Yes-No
  9. 09. 時に愛は
  10. 10. 心はなれて
  11. 11. 言葉にできない
  12. 12. I LOVE YOU
  13. 13. YES-YES-YES
  14. 14. 緑の日々
  15. 15. たそがれ
  16. 16. 君住む街へ

【DISC 2】

  1. 01. 哀しみを、そのまゝ
  2. 02. between the word & the heart-言葉と心-
  3. 03. 恋は大騒ぎ
  4. 04. ラブ・ストーリーは突然に
  5. 05. Oh! Yeah!
  6. 06. そのままの 君が好き
  7. 07. いつか どこかで
  8. 08. 風と君を待つだけ
  9. 09. 風の坂道
  10. 10. それとも二人
  11. 11. my home town
  12. 12. 真夏の恋
  13. 13. 伝えたいことがあるんだ
  14. 14. 緑の街
  15. 15. woh woh
  16. 16. the flag
  17. 17. キラキラ

【DISC 3】

  1. 01. たしかなこと
  2. 02. 大好きな君に
  3. 03. 明日
  4. 04. 風のようにうたが流れていた
  5. 05. ダイジョウブ
  6. 06. こころ
  7. 07. 今日も どこかで
  8. 08. さよならは 言わない
  9. 09. グッバイ
  10. 10. やさしい雨
  11. 11. 東京の空
  12. 12. その日が来るまで
  13. 13. 愛になる
  14. 14. そんなことより 幸せになろう
  15. 15. やさしい夜
  16. 16. wonderful life
  17. 17. 風は止んだ

小田和正スペシャルサイト
http://www.kazumasaoda.com/

オフィシャルサイト
https://www.fareastcafe.co.jp/

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