黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 42

Column

TGS開催中だからこそ読む「Chinajoy 2018」中国ゲームコンテンツ事情の今 3+1選

TGS開催中だからこそ読む「Chinajoy 2018」中国ゲームコンテンツ事情の今 3+1選

現在(2018年9月20日~9月23日)東京ゲームショウ2018が開催中ですが、去る8月3日から6日まで、中国上海市で開催されたChina Joy2018(以下:チャイナジョイ)に参加してきました。

私は過去に、世界各地で開催されるゲーム系、エンタテインメント系の展示会に数多く参加してきました。有名なところでは、ロサンゼルスで開催されるE3。サンディエゴで開催されるコミック、映像、ゲームなどの総合イベントであるコミコン。また遥か西ドイツのニュルンベルグで開催される世界最大の玩具見本市・ニュルンベルク国際玩具見本市 。アジアに目を向ければ韓国・釜山市で開催されるオンラインゲームの展示会GSTAR(ジースター)。シンガポールでのアニメイベントであるアジア・フェスティバル・アジア(AFA)などです。

しかし、今回参加したチャイナジョイだけは、まだ一度も参加したことはありませんでした。その理由は、暑い(熱い)、広い、人が多い・・・と言う噂をゲーム系関係者から聞いていたからです。日本のゲームパブリッシャーに勤務する人からは、あまりチャイナジョイに参加したというエピソードは聞きません。その理由も参加した今ならば分かる気がします・・・。

さて、そんなチャイナジョイですが、今回の「黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1」では、筆者が感じた中国実情を絡めてご案内いたします。

ではどうぞ。

中国におけるスマホゲームとスマホ必携の実情

予め言っておきます。日本と同じように、地下鉄に乗れば多くの人がスマホを操作しています。スマホなくしては生きられないのではないかという感覚は、今では世界中どこへ行っても同じかもしれません。

中国国内で生活するにはスマホは必須です。老若男女問わず、みんな揃えたようにスマホを操っています。日本だったらガラケーのほうが使いやすいという御老人の域に達するような方々も、ここ中国上海市では、みなさんスマホを使いこなしています。

地下鉄の地上出口付近にある、新聞やジュースなどを売る露店でも現金(キャッシュ)が使えない店があります。それらは、ほとんどがスマホの「WeChatPay」と呼ばれるモバイル決済を利用します。そしてそのツールである「WeChat」でチャットはもちろん、ショッピングや各種チケット予約、飲食店の注文までなんでも利用しているのです。みなさんの想像以上に、誰もがスマホを使わざるを得ない環境になっています。

中国旅行した際や、中国に友人や取引先のいるかたはお分かりになると思いますが、中国国内ではGoogle検索、Facebook、Twitterなどの欧米系ソーシャルメディアが使用できません。一般的な上海市民、中国市民のみなさんは、万里の長城になぞらえた「グレート・チャイナ・ウォール」と呼ばれる、インターネット検閲システムによって包囲されています。とは言え、一部では香港経由のVPNなどを介して使用しているようですが・・・。

それにも関わらず中国がここまで発展を遂げたということは、21世紀における奇跡のような事象であるのではないかと、個人的には思います。

さて、肝心のチャイナジョイの会場ですが、これがなんとW(西)、E(東)、N(北)のエリアに分かれた全17棟の大規模な構成となっており、通称SNIECと呼ばれる「上海新国際博覧中心(センター)」で開催されます。

1棟の大きさが幕張メッセひとつ分の大きさほどもあり、それが17棟です。当然ながら1日では回りきれません。私は全部観て回るのに5日間かかりました。

チャイナジョイでは家庭用ゲーム機の出展はほとんどありません。もちろんソニー・インタラクティブエンタテインメントがブースを出していますし、マイクロソフトも出展します。しかし、メインはやはりスマホのゲームコンテンツかPCのオンラインゲームなのです。

このところ、中国では日本テイストのスマホゲームアプリがどんどん量産されており、第二の『アズールレーン』を目指すようなパブリッシャーが増えてきています。

しかし、言語の問題があります。アプリを触っていればなんとなくはわかるのですが、やはり細部になるとちょっと何が表現されているのかがわからない部分が有ります。今後、メイドイン中国のコンテンツが増えると思われますが、日本語へのローカライズの適正化が課題になるのではないかと思います。

日本での導入の予定はまだわかりませんが、DeNA社のブースでは井上雄彦先生の「スラムダンク」の導入予定イベントが華々しく展開していました。やはりジャンプ系のコンテンツは世界的に人気あるのですね。

日本製ですが中国で人気の「旅がえる」のブース/中国での展開名称は「旅行青蛙」

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