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納谷 健、牧島 輝、財木琢磨らが「裸の付き合い」で「体当たり」の演技を見せる。夢に青春をかけるダイバーたちの熱きドラマ──「DIVE!!」The STAGE!!開幕

納谷 健、牧島 輝、財木琢磨らが「裸の付き合い」で「体当たり」の演技を見せる。夢に青春をかけるダイバーたちの熱きドラマ──「DIVE!!」The STAGE!!開幕

東京オリンピックを目指し、ダイビング競技に青春をかける少年たちの熱いドラマが展開する舞台「DIVE!!」The STAGE!!が、9月20日(木)東京・北千住のシアター1010にて開幕した。
主演の納谷 健、牧島 輝、財木琢磨らが鍛えた身体を武器に、エアリアルやトランポリン、フライング技術を駆使した“ダイビング=飛び込み”をステージ上で体現! キャストたちの熱演と驚きのステージの模様を、初日直前に行われたゲネプロ写真&レポートで届ける。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

裸の付き合い的なチームワークの良さが伝われば

森 絵都による、飛び込み競技を題材とした青春小説『DIVE!!』(角川文庫刊、第52回小学館児童出版文化賞受賞)を原作に、演出・脚本を伊勢直弘が手がけて初舞台化。

囲み取材には、主演の納谷 健、牧島 輝、財木琢磨、杉江大志、高橋健介、安達勇人、宮城紘大、瀬戸祐介、西野太盛の9名が水着姿で登壇して意気込みを語った。

坂井知季 役:納谷 健 小説から始まっていろんなメディア展開がされているなかで「舞台ではどう表現されるんだろう?」と気になっている方もたくさんいると思いますが、僕らは作品が持つ根本の部分を表現したいと思っています。その“いちスパイス”として飛び込みがどう表現されるのかを楽しみにしていただければと思っています。体当たりで挑んでおりますので、受け取っていただけると幸いです。

富士谷要一 役:牧島 輝 登場人物それぞれに壁や課題があって、それを乗り越えて飛び込む瞬間の緊迫感はこの舞台でしか味わえないと思います。みんなで素敵な舞台をつくっていけたらと思っています。

沖津飛沫 役:財木琢磨 沖津飛沫は津軽からやってきた高校生で、個性を生かしたダイナミックな飛び込みをするキャラクターです。全員に「すごい奴が来た!」と刺激を与えられたらと思っています。ケガに気をつけて最後まで走り抜けていきたいと思います。

大広 陵 役:杉江大志 一番言いたいのは「面白いよ!」ということ。観た方が前を向いて劇場を出ていける作品になっていると思いますので、元気をもらいたいなって人はぜひ観に来てください!

丸山レイジ 役:高橋健介 チームワークが非常に良い座組みです。先ほどもみんなで最終“毛のチェック”をしました。毛というものはナイーブなものなので(笑)、それをみんなで剃り合える仲になったというのは、裸の付き合い的なものがあるのではないかと。そんなチームワークの良さが伝わればと思います。

山田篤彦 役:安達勇人 ステージでしか見せられない「DIVE!!」の魅力をみんなと一緒につくっていきたいと思っています。“ピンキー山田”としてピンクのパンツに想いを込めて、精一杯自分らしくピンキーらしく演じ切りたいと思います。

平山二郎 役:宮城紘大 実際に飛び込み練習を見学に行きました。飛ぶまでの緊張感がコッチにも伝わってきて、だからこそ飛んだ瞬間がキラキラしていて素敵なんだと思いました。ライバルチームも一丸となって、いいスパイスになるように盛り上げていきたいと思っています。

松野清孝 役:瀬戸祐介 ここにいるみんなが飛び込みにすべてをかけている青少年の役です。ひとつのものにかけていろんなものを削って高めていくことは、とても苦しくて悩むけど、こんなに素晴らしいものなんだ、というメッセージが込められている作品だと思います。青春真っ只中の人にも、終わっちゃった人にも(笑)、いろんな人に刺さればいいなと思っています。

辻 利彦 役:西野太盛 個性溢れるメンバーです。ライバルチームも個性が出ているので、自分もこの作品に貢献できるように熱く演じていきたいと思います!

質疑応答では体づくりについての質問が飛び、納谷や財木が体を絞るために食事制限をしている横で、杉江は優雅にコカ・コーラやマックなどのジャンクフードを食べていた……という暴露話で盛り上がった。

また、納谷は飛び込みのシーンについて「セットがかなり高いところにあるので、登ることからヒィヒィ言っているメンバーと、軽々と飛び込むメンバーがいて……。『役者ってこういうこともやらなきゃいけないんだな』と思いました(笑)。高所恐怖症のメンバーもいたと思いますが、それを乗り越えてでも表現する姿勢は素晴らしかったです!」と裏側のエピソードを明かし、舞台にかける熱意を伝えていた。

演劇ならではの“ダイビング”を目撃した爽快感

このあとはゲネプロの模様をレポートする。

主人公・坂井知季(納谷 健)、富士谷要一(牧島 輝)、大広 陵(杉江大志)、丸山レイジ(高橋健介)は、ミズキダイビングクラブ・通称MDCに通う中高生。だがダイビング人口の少なさは深刻な問題となっており、クラブは赤字経営による存続の危機に陥っていた。

ある日、MDCのもとに突如新任コーチの麻木夏陽子(名塚佳織)が現れ、クラブ存続の条件を提案する。それは「次の年のオリンピックにMDCから日本代表選手を送り出す」というもの。知季たちは悩みや迷いを重ねながらも、一瞬にすべてを賭けた闘いに挑んでいく……。

まず驚かされるのは“ダイビング=飛び込み”の見せ方だ。

ステージには高く組まれたセット。上手・下手の両サイドに飛び込み台が舞台袖に向かって設置されており、キャストたちはそこから水面に向かう体で身体を投げ出し、飛び込んでいく。体の捻りや前転といった回転を加えたり、背面からまっすぐ飛び込んでいくキャストもおり、その緊張感と迫力だけでも息を呑む仕様だ。

上手後方にはもうひとつ飛び込み台が舞台中央に向かって組まれていて、飛び込んだキャストが舞台から見えなくなると同時に、中央に向かった台から飛び込んだアンサンブルがエアリアルによって空中での演技をパフォーマンスする。ワイヤーを付けたアンサンブルキャストは回転しながらまっすぐにセットの奥へと消えていき、着水した水音が響く。

選手を演じるキャストとアンサンブル、セットの動き、音と照明のタイミングがバッチリ合わさった瞬間、演劇ならではの“ダイビング”を目撃した爽快感に鳥肌が立った。

だが、この作品の新鮮さは“ダイビング”の演出だけではない。その試合シーンに向かうドラマこそ見どころだ。

2.5次元舞台に限らず、スポーツもの原作の実写化といえば“チーム戦”が多い。だが今回の「DIVE!!」で描かれるのは“個人戦”。
彼らはたったひとつ“オリンピックの代表枠”を目指して記録や点数を競い、孤独な闘いの中でひたすらもがくのだ。

稀有な才能を持つ知季、麻木にスカウトされてやってきた幻の高校生ダイバー・沖津飛沫(財木琢磨)、そしてコーチの富士谷敬介(唐橋 充)を父に持つ要一の葛藤と成長をメインにストーリーは進む。

知季はコーチの麻木に才能を見いだされるが、同い年の陵はそれが面白くない。自分の可能性を探している真っ最中の中学生なら、自分に目を留めてもらえず苛立つのは当然だろう。ふたりと仲の良かったレイジも心配そうな目で見るばかりだ。

クラブのエースであり、年上でもある要一は知季を励ますが、ギクシャクした雰囲気に戸惑う知季は恋愛面でも上手くいかず、落ち込む。

友達とも遊べず、恋愛をする時間もない練習の日々。代表の枠はひとつだけで、同じクラブの仲間たちとも競わねばならない。そんな彼らが抱く等身大の悩みを物語は丁寧に拾い上げていく。ひとりひとりの事情にフォーカスするぶん、未来にかける希望のぶんだけ不安も大きい少年たちのリアルが感じられた。

飛び込むことは一瞬でひとりきり、そのときに誰かの手を借りることはできない。
そんな刹那の競技だからこそ、飛び込み台へ向かうまでに描かれる細やかな心理描写に注目して欲しい。

孤独な競技の苦しさに迷い、時に立ち止まる少年たちだが、周囲の支えと励ましによって再び“ダイビング”に向き合うことができる。
彼らが光を見つけたとき、道を決めた者だけが持てる輝きを放っていた。

他クラブのダイバーたち、山田篤彦(安達勇人)、平山二郎(宮城紘大)、松野清孝(瀬戸祐介)、辻利彦(西野太盛)の個性的なキャラクターが、試合を明るく、そして熱く盛り上げてくれる。

東京公演は9月20日(木)~9月30日(日)北千住・シアター1010にて。大阪公演は10月6日(土)~10月7日(日)森ノ宮ピロティホールにて上演。

舞台「DIVE!!」The STAGE!!

東京公演:2018年9月20日(木)〜9月30日(日)場所:シアター1010
大阪公演:2018年10月6日(土)〜10月7日(日)場所:森ノ宮ピロティホール

原作:森 絵都『DIVE!!』(角川文庫刊)
協力:アニメ「DIVE!!」製作委員会
脚本・演出:伊勢直弘
音楽:Yu(vague)

出演:
坂井知季 役:納谷 健
富士谷要一 役:牧島 輝
沖津飛沫 役:財木琢磨
大広 陵 役:杉江大志
丸山レイジ 役:高橋健介
麻木夏陽子 役:名塚佳織
富士谷敬介 役:唐橋 充
山田篤彦 役:安達勇人
平山二郎 役:宮城紘大
松野清孝 役:瀬戸祐介
辻 利彦 役:西野太盛
坂井弘也 役:廣野凌大
野村未羽 役:大島涼花
西川恭子 役:藤岡沙也香
前原一朗 役:光宣

オフィシャルサイト

©「DIVE!!」The STAGE!! 製作委員会

関連書籍:森絵都『DIVE!!』(角川文庫)